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特許審査便覧第2100章 - Japan Patent Office

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め 発 明 者 に 排 他 的 権 利 を 与 えることを 議 会 に 認 めている。Carl Zeiss Stiftung v.Renishaw<br />

PLC, 945 F.2d 1173, 20 USPQ2d 1094 (Fed. Cir. 1991)を 参 照 のこと。 従 って、 特 許 法 第<br />

101 条 の 要 件 を 満 たすため、 出 願 人 は 法 定 の 保 護 対 象 である 発 明 をクレームしなければなら<br />

ないだけでなく、クレームされている 発 明 は 明 示 黙 示 を 問 わずある 目 的 に「 有 用 」であるこ<br />

とを 証 明 しなければならない。 特 許 法 第 101 条 の 中 のこの 後 者 の 要 素 を 適 用 することが、こ<br />

れらの 審 査 基 準 の 中 心 となる。<br />

特 許 法 第 101 条 の「 有 用 な 発 明 」 要 件 の 不 備 は 2 形 態 のうちのどちらかで 生 ずる。 第 1 は、<br />

当 該 発 明 が「 有 用 」である 理 由 が 明 確 でない 場 合 である。これは、 出 願 人 が 当 該 発 明 の 具 体<br />

的 かつ 実 質 的 な 有 用 性 を 特 定 できない、 又 は、 当 該 発 明 についてその 有 用 性 を 発 明 の 技 術 分<br />

野 に 精 通 する 者 が 速 やかに 理 解 するに 足 る 情 報 を 開 示 できない 場 合 に 生 じ 得 る。Brenner v.<br />

Manson, 383 U.S. 519, 148 USPQ 689 (1966); In re Fisher, 421 F.3d 1365, 76 USPQ2d 1225<br />

(Fed. Cir. 2005); In re Ziegler, 992 F.2d 1197, 26 USPQ2d 1600 (Fed. Cir. 1993)。 要<br />

件 不 備 の 第 2 のタイプは 希 な 事 例 ではあるが、 出 願 人 が 行 う 当 該 発 明 の 具 体 的 かつ 実 質 的 な<br />

有 用 性 の 主 張 が 信 用 できない 場 合 に 生 ずる。<br />

I. 具 体 的 かつ 実 質 的 な 要 件<br />

特 許 法 第 101 条 に 適 合 するためには、 発 明 は「 有 用 」でなければならない。 裁 判 所 は、 有 用<br />

性 要 件 に 関 して 使 用 される「 有 用 」という 用 語 は 定 義 することが 困 難 な 用 語 になることがあ<br />

ることを 認 めている。Brenner v. Manson, 383 U.S. 519, 529, 148 USPQ 689, 693 (1966) (「 有<br />

用 な」のような 単 純 な 日 常 語 は「 現 実 に 用 いられると 曖 昧 さを 宿 すことがある。」) 出 願 人 が<br />

具 体 的 かつ 実 質 的 な 有 用 性 を 説 明 している 場 合 、 裁 判 所 は、 具 体 的 かつ 実 質 的 な 有 用 性 の 本<br />

質 について 出 願 人 の 意 見 が 的 確 でないということだけに 基 づき、 特 許 法 第 101 条 により 拒 絶<br />

することに 消 極 的 である。 例 えば、Nelsonv. Bowler, 626 F.2d 853, 206 USPQ 881 (CCPA 1980)<br />

において 裁 判 所 は、 出 願 人 は 特 許 法 第 101 条 に 基 づく「 実 用 的 」 有 用 性 を 規 定 していないと<br />

する 特 許 商 標 庁 の 認 定 を 覆 した。この 事 例 において 出 願 人 は、 当 該 組 成 物 は 特 定 の 薬 学 的 応<br />

用 において「 有 用 」であって、その 主 張 を 裏 付 ける 証 拠 を 提 出 したと 主 張 した。 裁 判 所 は「 実<br />

用 的 有 用 性 」、「 実 質 的 有 用 性 」 又 は「 具 体 的 有 用 性 」というラベルを 用 い、 特 許 法 第 101<br />

条 の「 有 用 な 発 明 」 要 件 のこの 側 面 に 言 及 した。 関 税 特 許 控 訴 裁 判 所 は 次 のように 述 べてい<br />

る。<br />

「 実 用 的 有 用 性 は、『 現 実 世 界 』の 価 値 をクレームされた 保 護 対 象 に 与 えるための 簡 易 な 方<br />

法 である。 即 ち、 当 業 者 は 公 衆 に 直 ちに 利 益 を 与 えるやり 方 で、クレームされた 発 見 を 使 用<br />

することができる。」<br />

Nelson v.Bowler, 626 F.2d 853, 856, 206 USPQ 881, 883 (CCPA 1980)。<br />

現 実 の 審 査 では、 特 許 商 標 庁 は、 発 明 は「 有 用 」であると 信 じられるかどうか、 発 明 は 何 に<br />

対 して「 有 用 」であると 信 じられるかを 判 断 する 上 で、 発 明 者 自 身 の 発 明 に 関 する 理 解 に 依<br />

拠 せざるをえない。このため、 本 庁 審 査 官 は、 発 明 は 具 体 的 な 理 由 で「 有 用 」であるとする<br />

出 願 人 の 主 張 に 焦 点 を 合 わせ、 受 け 入 れようとしなくてはならない。<br />

A. 具 体 的 有 用 性<br />

「 具 体 的 有 用 性 」はクレームされた 保 護 対 象 に 対 して 具 体 的 であって「 明 確 に 定 義 された 特 定 の<br />

便 益 を 公 衆 に 提 供 」することができる。In re Fisher, 421 F.3d 1365, 1371, 76 USPQ2d 1225, 1230<br />

(Fed. Cir. 2005)。これは 当 該 発 明 の 幅 広 い 区 分 に 適 用 されるであろう 一 般 的 有 用 性 と 対 照 をな<br />

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