特許審査便覧第2100章 - Japan Patent Office

味 を 明 らかにしている。 特 定 の 病 態 の 発 病 素 因 に 対 して 決 まった 相 関 関 係 を 有 する 物 質 の 存
在 を 測 定 する 分 析 もまた、 予 防 対 策 又 はモニタリング 実 施 のための 候 補 物 を 特 定 する 際 に、
使 用 の「 実 社 会 」における 意 味 を 明 らかにするであろう。 一 方 、 次 に 掲 げるものは、 使 用 の
「 実 社 会 」における 意 味 の 特 定 又 は 合 理 的 な 確 認 のためにさらに 研 究 の 遂 行 を 必 要 とする 状
況 の 例 である。 従 って、これらは「 実 質 的 な 有 用 性 」を 明 らかにしていない。
(A) クレームされる 製 品 自 体 又 は 材 料 が 含 まれるメカニズムの 特 性 を 研 究 するような 基 礎 研
究
(B) 不 特 定 の 疾 患 又 は 状 態 を 治 療 する 方 法
(C) それ 自 体 に 特 定 の 及 び/ 又 は 実 質 的 な 有 用 性 のない 物 質 を 分 析 又 は 特 定 する 方 法
(D) それ 自 体 に 具 体 的 、 実 体 的 及 び 信 頼 できる 有 用 性 のない 物 質 を 作 成 する 方 法
(E) 具 体 的 、 実 体 的 及 び 信 頼 できる 有 用 性 のない 最 終 製 品 を 作 成 する 際 に 使 用 する 中 間 生 成
物 に 対 するクレーム
本 庁 審 査 官 は、「 公 衆 に 対 する 即 時 的 便 益 」という 言 葉 、 又 はその 他 の 場 合 の 類 似 の 表 現 を、
クレームされている 発 明 に 基 づく 製 品 又 はサービスは 有 益 性 要 件 を 満 たすために 公 衆 に 対 し
て「 現 在 入 手 可 能 」でなければならないという 意 味 に 解 釈 しないよう 気 を 付 けなければなら
ない。 参 照 事 例 として、Brenner v. Manson, 383 U.S. 519, 534-35, 148 USPQ 689, 695 (1966)。
むしろ、 発 明 が 公 衆 に 便 益 を 供 すると 考 えられる 合 理 的 な 使 用 を 出 願 人 が 特 定 している 場 合
は、 少 なくとも「 実 質 的 」 有 用 性 を 明 らかにすることに 関 しては 十 分 として 受 け 入 れられな
くてはならない。
C. 研 究 ツール
発 明 の 一 定 のタイプを、 当 該 発 明 が 使 用 されるはずの 環 境 に 基 づいて 具 体 的 かつ 実 質 的 な 有
用 性 を 有 することができないと 決 めつけようとすると、 混 乱 が 生 ずることがある。 一 例 が 研
究 室 や 実 験 室 で 使 用 される 発 明 である。ガスクロマトグラフ、スクリーニング 分 析 及 びヌク
レオチド 配 列 決 定 法 など 多 くの 研 究 ツールは 明 確 で 具 体 的 かつ 疑 う 余 地 のない 有 用 性 を 有 し
ている( 例 えば、 化 合 物 の 分 析 に 有 用 である)。したがって、 発 明 が 研 究 室 でのみ 有 用 である
かどうかを 対 象 とする 評 価 は、その 発 明 が 特 許 という 意 味 で 実 際 に「 有 用 」であるかどうか
を 問 題 とするものではない。そうではなくて、 本 庁 審 査 官 は、 具 体 的 に 特 定 された 本 質 的 な
有 用 性 を 有 する 発 明 と、 主 張 される 有 用 性 の 特 定 又 は 合 理 的 確 認 にさらに 研 究 を 必 要 とする
発 明 とを 見 分 けなければならない。「 研 究 ツール」、「 中 間 物 」 又 は「 研 究 目 的 で」などの
ラベル 付 けは、 出 願 人 が 当 該 発 明 に 具 体 的 かつ 実 質 的 な 有 用 性 を 特 定 しているかどうかを 判
断 する 際 の 助 けにならない。
II. 全 体 として 実 施 不 能 の 発 明 ;「 信 用 できない」 有 用 性
「 実 施 不 能 の」( 即 ち、 特 許 出 願 人 がクレームする 結 果 を 生 み 出 す 機 能 がない) 発 明 は、 特 許
法 上 の 意 味 において「 有 用 な」 発 明 ではない。 参 照 事 例 として、Newman v. Quigg, 877 F.2d
1575, 1581, 11 USPQ2d 1340, 1345 (Fed. Cir. 1989); In re Harwood, 390 F.2d 985, 989,
156 USPQ 673, 676 (CCPA 1968)(「 実 施 不 能 の 発 明 は 無 論 、 発 明 は 有 用 であるものとする 特
許 法 第 101 条 の 要 件 を 遵 守 しない」)。しかし、 連 邦 巡 回 控 訴 裁 判 所 が 述 べているように「[ 特
許 法 ] 第 101 条 に 違 反 するというには、クレームされた 装 置 は 有 用 な 結 果 を 全 く 獲 得 すること
ができないものでなければならない。」Brooktree Corp. v. Advanced Micro Devices, Inc.,
977 F.2d 1555, 1571, 24 USPQ2d 1401, 1412 (Fed. Cir. 1992)( 強 調 は 引 用 者 による)。 次
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