特許審査便覧第2100章 - Japan Patent Office

「 審 査 官 がさらに 試 験 データを 求 めることは 明 らかに 不 適 切 である。 証 拠 としてデータは 十
分 であって、おそらく 出 願 人 に 不 当 な 負 担 を 負 わせる 以 外 の 何 ものでもないようである。」
In re Isaacs, 347 F.2d 887, 890, 146 USPQ 193, 196 (CCPA 1965)。
VI. 有 用 性 の 欠 如 による 一 応 の 拒 絶 に 対 する 反 論 の 考 慮
特 許 法 第 101 条 に 基 づく 拒 絶 が 適 切 に 課 せられると、 特 許 法 第 112 条 第 1 段 落 に 基 づき 対 応
して 課 せられる 拒 絶 とともに、 一 応 の 証 明 に 反 論 する 責 任 は 出 願 人 へ 転 換 する。In re Oetiker,
977 F.2d 1443, 1445, 24 USPQ2d 1443, 1444 (Fed. Cir. 1992)(「 審 査 官 は、 先 行 技 術 の 確
認 又 はその 他 の 理 由 に 基 づいて、 特 許 性 欠 如 の 一 応 の 証 明 をする 最 初 の 立 証 責 任 を 担 う。そ
の 責 任 が 果 たされると、 証 拠 又 は 意 見 書 を 提 出 する 責 任 は 出 願 人 へ 転 換 する・・・。これに 応 え
て 証 拠 又 は 意 見 書 が 出 願 人 により 提 出 された 後 、 特 許 性 は 当 該 記 録 全 体 に 基 づき、 証 拠 の 優
位 性 により、 意 見 書 の 説 得 力 を 適 切 に 検 討 して 決 定 される。」) 出 願 人 は 次 に 挙 げる 任 意 の 組
み 合 わせを 用 いてこれを 行 うことができる。 即 ち、 当 該 クレーム、 意 見 書 又 は 論 拠 への 補 正 、
若 しくは 特 許 法 施 行 規 則 1.132 に 基 づく 宣 誓 供 述 書 又 は 宣 言 書 において 提 出 される 新 たな 証
拠 、 若 しくは 刊 行 物 である。 出 願 人 により 提 出 される 新 たな 証 拠 は、 当 該 拒 絶 において 提 起
された 問 題 点 に 関 するものでなくてはならない。 例 えば、 結 論 とそれを 裏 付 ける 証 拠 とのつ
ながりを 確 立 せずそれらの 結 論 が 示 されている 宣 言 書 、 若 しくは 単 に 意 見 を 表 明 するだけの
宣 言 書 は、 一 応 の 証 明 に 対 する 反 論 の 限 定 的 証 明 力 しかないかもしれない。In re Grunwell,
609 F.2d 486, 203 USPQ 1055 (CCPA 1979); In re Buchner, 929 F.2d 660, 18 USPQ2d 1331
(Fed. Cir. 1991)。MPEP 第 716.01(a) 条 乃 至 第 716.01(c) 条 を 参 照 のこと。
出 願 人 が 一 応 の 拒 絶 に 対 して 応 答 した 場 合 、 本 庁 審 査 官 は 原 開 示 、 一 応 の 証 明 を 確 立 した 際
に 依 存 した 証 拠 、クレームの 補 正 、 及 び 主 張 された 具 体 的 かつ 実 質 的 で 信 頼 できる 有 用 性 の
裏 付 けとして 出 願 人 により 提 出 された 新 たな 論 拠 若 しくは 証 拠 を 検 討 しなくてはならない。
本 庁 審 査 官 は、 有 用 性 の 欠 如 を 理 由 とする 拒 絶 に 対 する 応 答 の 実 体 要 素 ごとに 認 識 し、 十 分
検 討 して 答 えることが 重 要 である。 当 該 記 録 の 全 体 が、 主 張 される 有 用 性 は 具 体 的 、 実 体 的
かつ 信 用 できないことを 示 し 続 けている 場 合 に 限 り、 有 用 性 の 欠 如 を 理 由 とする 拒 絶 は 主 張
されるべきである。 当 該 記 録 が 全 体 としてどちらかといえば、クレームされている 発 明 に 主
張 される 有 用 性 が 当 業 者 によって 信 頼 できると 認 められるようになると、 特 許 商 標 庁 は 拒 絶
を 主 張 することはできない。In re Rinehart, 531 F.2d 1048, 1052, 189 USPQ 143, 147 (CCPA
1976)。
VII. 有 用 性 に 関 する 証 拠 の 評 価
治 療 目 的 であるなしにかかわらず、 主 張 される 有 用 性 を 裏 付 けるため 出 願 人 によって 提 供 さ
れなければならない 証 拠 の 量 若 しくは 性 質 については 定 まっていない。 正 しくは、 主 張 され
る 有 用 性 を 裏 付 けるために 必 要 な 証 拠 の 質 及 び 量 は、 何 がクレームされるか(Ex parte
Ferguson, 117 USPQ 229 (Bd. App. 1957))そして、 主 張 される 有 用 性 が 確 立 された 科 学 的 原
則 及 び 判 断 と 矛 盾 するように 見 えるかどうかによって 変 わる。In re Gazave, 379 F.2d 973,
978, 154 USPQ 92, 96 (CCPA 1967); In re Chilowsky, 229 F.2d 457, 462, 108 USPQ 321,
325 (CCPA 1956)。さらに 言 うと、 出 願 人 は 必 ずしも、 主 張 される 有 用 性 が「 合 理 的 疑 義 の 余
地 なく」 真 正 であることを 確 証 するのに 十 分 な 証 拠 を 提 供 する 必 要 はない。In re Irons,340
F.2d 974, 978, 144 USPQ 351, 354 (CCPA 1965)。 出 願 人 は、 主 張 される 有 用 性 を 統 計 的 に
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