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戦争と石油(5) - JOGMEC 石油・天然ガス資源情報

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エッセー第 三 海 軍 燃 料 廠 ( 徳 山 )の配 置 図備 蓄 用 タンクの 建 造 も 第 一 次 世 界 大戦 の 終 結 が 一 つの 契 機 になった。 大 戦で 鋼 材 の 需 要 が 増 加 し、 逼 迫 していた石 油 市 場 が 緩 んだためであった。 海 軍は 米 海 軍 の 標 準 タンク( 鋼 鉄 製 7,000トン)を 輸 入 して、これを 参 考 に 同 型タンクを 製 造 した。 製 造 されたタンクは 83 基 、その 貯 蔵 容 量 は 5 8 万 トンになった。この 結 果 、 大 正 15(1926)年 末 の 海 軍 の 備 蓄 用 タンク 容 量 は159万 トン、 大 正 8(1919) 年 から 僅 か7年 間 で12 倍 にもなった。国 内 の 原 油 生 産 がピークを 迎 えたのは 大 正 4(1915) 年 、 生 産 量 は47 万 klであった。この 頃 の 主 力 油 田 は 新 潟 県の 西 山 油 田 ( 日 本 石 油 )、 東 山 油 田 ( 宝田 石 油 )であった。しかし、 民 間 の 石油 消 費 も 増 加 して、 国 内 産 の 原 油 だけでは 需 要 が 賄 いきれなくなっていた。海 軍 は 大 正 6(1917) 年 から 本 格 的 に海 外 から 石 油 の 調 達 を 開 始 した。 最 初は 蘭 印 ( 現 インドネシア)のボルネオ 重油 (タラカン 産 )6 万 トンが 英 国 の「アングロサクソン・ペトロリアム」 社 の販 売 会 社 「アジアティック・ペトロリアム」 社 から 輸 入 された。このボルネオ 重 油 は 海 軍 で 好 評 であったことから、 大 正 8(1919) 年 には、5 年 間 にわたる 年 間 8 万 トンの 長 期 輸 入 契 約 が結 ばれた。このため、 後 年 、 太 平 洋 戦争 の 開 始 とともに、 海 軍 は 真 っ 先 にタラカン 油 田 を 占 領 する。さらに、 購 入先 は 米 国 、メキシコ、ペルシア、 樺 太 と 広 がっていった。樺 太 からの 原 油 輸 入 は 大 正 8(1919)年 のロシアのイワン・スターヘーフ 商会 と 日 本 のコンソーシアム 会 社 「 北 辰会 」( 久 原 、 三 菱 、 大 倉 、 日 石 、 宝 田 、三 井 物 産 、 鈴 木 商 店 が 出 資 )の 合 弁 事業 を 基 盤 にしていた。 大 正 9 年 (1920)年 に 起 こった 革 命 派 パルチザンの 北 樺太 占 領 、 尼 港 (ニコラエフスク)での 日本 人 虐 殺 事 件 などの 補 償 として、 日 本はソ 連 から 北 樺 太 の 既 存 発 見 油 田 の 採掘 権 と 樺 太 東 海 岸 の 試 掘 権 を 得 た。 政府 は「 北 樺 太 石 油 株 式 会 社 」を 設 立 して 表 12 日 本 の 原 油 生 産 量年kl/ 年明 治 7(1874) 年 555明 治 10(1877) 年 1,825明 治 20(1887) 年 5,467明 治 30(1897) 年 41,730明 治 40(1907) 年 273,116大 正 元 (1912) 年 263,076大 正 5(1916) 年 467,724大 正 10(1921) 年 353,777昭 和 元 (1926) 年 269,965昭 和 5 (1930) 年 316,560昭 和 10(1935) 年 350,957昭 和 15(1940) 年 331,002昭 和 16(1941) 年 287,195昭 和 17(1942) 年 262,871昭 和 18(1943) 年 271,248昭 和 19(1944) 年 267,054昭 和 20(1945) 年 243,062出 所 : 石 油 統 計 年 報 ( 昭 和 36 年 )出 所 : 徳 山 海 軍 燃 料 廠 史図 2徳 山 地 区 油 槽 分 布 図表 13 日 本 の 石 油 輸 入 量 (1,000kl)年 原 油 石 油 製 品 計昭 和 6(1931) 年 1,016 2,099 3,115昭 和 10(1935) 年 2,032 3,184 5,216昭 和 12(1937) 年 3,176 3,449 6,625昭 和 13(1938) 年 2,925 3,458 6,383昭 和 14(1939) 年 2,995 1,927 4,922昭 和 15(1940) 年 3,751 2,537 6,288昭 和 16(1941) 年 1,313 952 2,265( 注 ) 石 油 輸 入 量 の 数 値 は 種 々あるが、この 数 値 は 海 軍 の 数 値 。出 所 : 戦 史 叢 書 海 軍 戦 備 (1)2011.3 Vol.45 No.2 72

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