アメリカ法における生命保険契約と利益主義の展開 - 生命保険文化センター
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アメリカ 法 における 生 命 保 険 契 約 と 利 益 主 義 の 展 開<br />
マン(key woman)」と 呼 ばれる 被 用 者 について 有 効 なかつ 執 行 可 能 な<br />
被 保 険 利 益 を 維 持 するためには、かかる 被 用 者 が 生 存 し 続 けることを<br />
通 じて 実 質 的 な(substantial) 金 銭 的 利 益 を 得 ることについて、また<br />
はかかる 被 用 者 が 死 亡 した 場 合 に 実 質 的 な 金 銭 的 損 失 を 被 ることにつ<br />
いて 合 理 的 な 期 待 を 有 していなければならない 32) 。<br />
3 債 務 者 の 生 命 についての 債 権 者 の 被 保 険 利 益<br />
債 権 者 は、その 債 務 者 の 生 命 について 有 効 な 被 保 険 利 益 を 有 し、 債<br />
務 者 の 生 命 についての 保 険 契 約 の 保 険 金 受 取 人 として 指 定 を 受 けるこ<br />
とができる、したがって、 債 権 者 には 少 なくとも 当 該 債 務 の 額 に 達 す<br />
るまで、 保 険 金 について 権 利 が 与 えられる 33) 。<br />
2 被 保 険 利 益 の 存 続 要 件<br />
(1)これまでの 判 例 法 の 立 場 を 支 持 する 理 解<br />
アメリカ 法 において、 生 命 保 険 契 約 における 被 保 険 利 益 は、 生 命 保<br />
険 契 約 の 保 険 期 間 開 始 時 (at the inception of the policy)にのみ<br />
存 在 していることが 要 求 されると 一 般 に 言 われている。そしてもし、<br />
その 時 に 被 保 険 利 益 が 存 在 していたならば、 当 該 契 約 は、その 生 命 が<br />
付 保 された 者 が 死 亡 したときに 被 保 険 利 益 が 存 在 していなくとも 有 効<br />
である 34) 。このように 財 産 保 険 契 約 の 場 合 と 異 なる 扱 いがなされる 理<br />
由 、そしてそのようなルールを 支 持 するために 説 明 される 背 景 は、あ<br />
まり 理 論 的 根 拠 といえるものではないが、 以 下 のように 整 理 される。<br />
第 一 に、 生 命 保 険 契 約 はしばしば 親 族 や 配 偶 者 の 利 益 (benefit)の<br />
ために 締 結 されている、そして 多 くの 家 族 関 係 は、 議 論 の 余 地 がある<br />
かもしれないが、「 契 約 締 結 時 の 被 保 険 利 益 が 血 縁 でつくられた 家 族 関<br />
係 を 基 礎 にしている 場 合 には、かかる 利 益 は、 被 保 険 者 の 死 亡 時 にま<br />
では 消 滅 しない」ということを 前 提 としている 35) 。しかし、 無 条 件 の<br />
( 絶 対 的 ) 離 婚 (absolute divorce)は 一 般 に、 離 婚 後 の 支 援 や 子 供<br />
の 扶 養 義 務 のような 他 の 有 効 な 経 済 的 利 益 がない 限 り、 離 婚 前 の 愛 情<br />
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