アメリカ法における生命保険契約と利益主義の展開 - 生命保険文化センター
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アメリカ 法 における 生 命 保 険 契 約 と 利 益 主 義 の 展 開<br />
該 保 険 を 手 配 し 保 険 料 を 支 払 ったことが 明 らかであるとしても、か<br />
かる 保 険 契 約 には、 債 務 者 (その 生 命 が 付 保 されている 者 )の 遺 産<br />
を 次 順 位 保 険 金 受 取 人 (contingent beneficiary)と 指 定 する 保 険<br />
金 受 取 人 条 項 が 含 まれていると 認 めることは 至 極 当 然 である。この<br />
ような 場 合 には、 債 権 者 が 第 一 順 位 保 険 金 受 取 人 (primary<br />
beneficiary)として 指 定 されているとしても、 債 務 者 は、 当 該 契<br />
約 に 対 して 無 関 係 な 者 (stranger)ではない。そして 衡 平 法 上 の 原<br />
則 は、 債 務 者 の 遺 産 に 当 該 債 務 を 超 える 保 険 金 部 分 についての 権 利<br />
を 与 えるよう 適 切 に 適 用 されるだろう。そして 次 順 位 保 険 金 受 取 人<br />
の 指 定 に 関 するこのような 取 決 め(arrangement)がない 場 合 であ<br />
っても、 一 般 に、 債 務 者 の 遺 産 に 当 該 債 務 を 超 える 生 命 保 険 におけ<br />
る 衡 平 法 上 の 利 益 が 与 えられるべきである 多 くの 事 案 において、こ<br />
のことは 認 められるであろう、 少 なくとも、 当 該 保 険 が 債 務 を 保 証<br />
するために 獲 得 されたということを 理 解 する 何 らかの 証 拠 がある<br />
場 合 には」 67) 。<br />
4 小 括<br />
多 くのアメリカの 裁 判 所 は、 保 険 契 約 者 が 被 保 険 者 の 死 亡 時 点 で 他<br />
人 の 生 命 における 被 保 険 利 益 を 有 する 必 要 はないという 一 般 原 則 に 対<br />
して、 以 上 のような 重 要 な 事 業 関 係 にある 者 同 士 についても 例 外 を 承<br />
認 し、 被 保 険 者 死 亡 時 にも 被 保 険 利 益 が 必 要 であることを 認 めてきた。<br />
すなわち、 信 用 生 命 保 険 契 約 は、 明 らかに、かかる 一 般 原 則 に 対 する<br />
ひとつの 重 要 な 例 外 であり、そして 幹 部 被 用 者 生 命 保 険 は、 争 いはあ<br />
るが、 他 方 の 等 しく 重 要 な 例 外 であると 考 えられている。また、いく<br />
つかの 裁 判 所 や 論 者 が、 他 人 の 生 命 における 被 保 険 利 益 の 要 件 を 生 命<br />
保 険 契 約 が 投 資 契 約 (investment contract)の 類 似 物 (analogous)<br />
の 観 点 から 性 格 づけることができると 述 べているけれども、より 良 い<br />
理 由 づけとして、すべての 事 業 関 係 を 基 礎 とした 生 命 保 険 契 約 は、 事<br />
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