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先使用権制度の円滑な利用に関する 調査研究報告書

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をし、使用若しくは輸入し、又は処分若しくはその他のためであるか否かを問わ<br />

ず保管することが侵害行為となる。方法の発明に係る特許の場合、その方法を使<br />

用し又は使用の申込をすること、当該方法によって直接に生産される物を処分し、<br />

処分の申込をし、使用若しくは輸入し、又は処分若しくはその他のためであるか<br />

否かを問わず保管することが侵害行為となる。<br />

ここでいう処分(disposal)は、一般に流通する移転(transfer)の意味に解される。<br />

特許権侵害の例外行為は、特許が有効だったとしても侵害行為を構成しない行<br />

為であり、特許法 60 条 5 項 4 に規定されている。優先日前に特許権侵害の例外行<br />

為を行っていても、本要件③「特許の侵害を構成すべき行為であること」を満たさ<br />

ないため先使用権は発生しないこととなる。<br />

したがって、例えば優先日前に個人的(非商業目的)に発明を実施していた者に<br />

は先使用権は認められず、優先日の後に商業目的のために発明を実施し始めるこ<br />

とはできない。ただし、個人・非商業的な行為は当然継続することができる。<br />

④ 優先日以前に、現実的かつ相当な準備若しくは実行がなされていること<br />

「現実的」、「相当」については条文中で定義されていない。判例は、「現実的<br />

かつ相当な準備」は、侵害行為の準備が行為を実行する段階に達していることを<br />

要するものと示している。<br />

要件の詳細については、「[3]先使用権制度に関する問及び回答」において述<br />

べることとする。<br />

4 第 60 条 5 項<br />

本項の規定がないときに、ある発明の特許の侵害を構成すべき行為は、以下のいずれかの場合、その特<br />

許の侵害を構成するものとは認めない。<br />

(a) それが個人的に、かつ、業としてではない目的のために行われるとき。<br />

(b) それがその発明の主題に係わる実験の目的のために行われるとき。<br />

(c) それが医師又は歯科医師の交付する処方箋に従って薬局のなす薬剤の即座の調合若しくは前記<br />

のとおり調合された薬剤の取扱からなるとき。<br />

(d) それが関係船舶が一時的に又は偶発的に連合王国の内水若しくは領水に入った場合に当該船舶<br />

の船体又はその機械、船具、装備その他の付属物にある物又は方法を専らその船舶の必要のために使用<br />

することからなるとき。<br />

(e) それが一時的に又は偶発的に連合王国(その上空及びその領水を含む。)に入り若しくは通過する<br />

関係航空機、ホバークラフト若しくは車輌の構造又は機能におけるある物又は方法の使用又は前記の航<br />

空機、ホバークラフト若しく車輌の付属物の構造又は機能におけるその物又は方法の使用からなるとき。<br />

(f) それが前記のとおり連合王国に適法に入り又は適法に通過する免責航空機の使用又は当該航空<br />

機の部品若しくは付属物の連合王国への輸入、そこでの使用若しくは保管からなるとき。<br />

-3-

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