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先使用権制度の円滑な利用に関する 調査研究報告書

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だけでは、先使用権による保護を受けるためには不十分である。証拠に<br />

よると、「Duoplane」瓦は先のデザインと同一でも、類似でもなく、被告<br />

は 2 つの瓦が同じ方法で製造されたこと又は同一の特性を有することを<br />

証明していない。また、被告が特許の範囲内に含まれる一つの商品を製<br />

造したことを理由として、特許の範囲内に含まれるその他の商品を製造<br />

する権利を有すると主張することはできない。<br />

したがって、先使用権による保護について現実的に成功する見込みがあること<br />

を証明できず、先使用権は認められなかった。<br />

[判決文翻訳抜粋(参考)]<br />

提出された答弁書の概要は次の以下とおりである。<br />

『特許の優先日は、1988 年 1 月 14 日である。この優先日以前に、被告は英国<br />

において「Theta」タイルと呼ばれる瓦をデザインし、試験した。さらに、優先<br />

日までは、また実際にはその後も、被告は英国において Theta タイルを販売する<br />

ために現実的かつ相当な準備を行った。Theta タイルは、本件特許のクレーム 1<br />

の対象であるタイルのすべての特徴を有するものであり、特に、著しく平坦な断<br />

面という特徴を含んでいることは被告も認めるところである。このような事情に<br />

おいて、被告は次のように述べている。<br />

(i)優先日以前に英国において Theta タイルを製造し、保管し、使用する行<br />

為は、善意で行われており、当該特許が実施されていたとするならば特許の侵害<br />

となったであろう。したがって、被告には、特許が付与されても、当該行為を引<br />

き続き実行する権利がある。<br />

(ii)当該行為は、Theta タイルを処分し、処分の申入れを行う権利も暗示的<br />

に与えるものである。<br />

(iii)(ii)の代わりに、被告は優先日以前に善意で英国において Thetaタイ ルを製造し、保管し、使用し、処分する現実的かつ相当な準備を行っていたため、<br />

被告には特許が付与されても、そのようなすべての行為を実行する権利がある。』<br />

1989 年に被告は基本的に Theta タイルを市販しないことを決定し、その理由<br />

を営利的なものであるとしている。この件は、Theta タイルが Duoplain タイル<br />

のデザインの基礎として使用された 2002 年までは再開されることも、再検討さ<br />

れることもなかった。特に、デザイナーは、Duoplain タイルの裏面を設計しよ<br />

うとした際に参考として Thetaタイルパレットを使用した。 -23-

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