講義要綱 PDFファイル【冊子版】※2013/3/11現在 - 慶應義塾大学-塾生HP
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共通授業科目<br />
心理学Iでは、発達、性格、臨床、社会といった応用とも関わる心<br />
理学の領域を扱います。なお心理学IIとは内容的には独立していま<br />
すが、IとIIの両方で心理学の全体像が把握できるようになっている<br />
ため、両方受講することをお勧めします。基礎理論の紹介など一部<br />
難しい話題もありますが、できるだけ日常生活の素朴な疑問や問題<br />
に関連させて解説していきます。<br />
テキスト(教科書):<br />
特に指定しません。講義資料プリントを配布します。<br />
心理学Ⅱ 2 単位(秋学期)<br />
動機づけ、学習、認知、脳に関わる領域を学ぶ<br />
【法政】<br />
井垣 竹晴<br />
授業科目の内容:<br />
心理学とは読んで字のごとく心(こころ)の理(ことわり)を学<br />
ぶことです。しかし心は眼に見えません。この眼に見えない心を科<br />
学的に究明することが心理学に課せられた課題だといえます。本講<br />
義では、心理学の先人たちが明らかにしてきた心に関する法則や理<br />
論の紹介を通じて、心についての科学的理解を深めることを目的と<br />
します。<br />
心理学IIでは、知覚、認知、学習、生理、情動と動機づけなど心<br />
理学のやや基礎的な側面を扱います。なお心理学Iとは内容的には独<br />
立していますが、IとIIの両方で心理学の全体像が把握できるように<br />
なっているため、両方受講することをお勧めします。基礎理論の紹<br />
介など一部難しい話題もありますが、できるだけ日常生活の素朴な<br />
疑問や問題に関連させて解説していきます。<br />
テキスト(教科書):<br />
特に指定しません。講義資料プリントを配布します。<br />
心理学Ⅰ 2 単位(春学期)<br />
精神の座の変遷と視覚系に関連する脳の構造と機能<br />
【法政】<br />
菅野 理樹夫<br />
授業科目の内容:<br />
科目概要と到達目標<br />
心理学、あるいは環境心理学とは何かを、どのように明らかにし<br />
ようとする学問なのかについて考える。自らを取り巻く日常生活の<br />
かかわり合いの中から考える。そして、その中で人間は環境をどう<br />
捉え、どのように関わりあうのか?そのとき人間は環境のことをど<br />
れだけ知っているか、あるいは環境を知っている自分のことについ<br />
てどれだけ知っているのだろうか? このようなことを理解するた<br />
めには何を知らなければならないかについてできるだけわかりやす<br />
く解説する。<br />
本講は環境科学と行動科学の関連性を重視しながら人間の「意図」<br />
あるいは、その背景に潜む本質を考えることが目標である。これら<br />
のことを知るためには基礎的な知識が必要である。たとえば、人間<br />
の生理学的側面である脳の構造と機能、神経系、視覚系などである。<br />
また、心理学的側面として感覚、知覚、認知、記憶、学習、発達、<br />
知能などの領域がある。人間が環境世界をどのように見ているか、<br />
あるいは環境世界とどう折り合いをつけて共存していくかというこ<br />
とについて考えていただきたい。特に基礎知識は必要としない。受<br />
講を希望する学生は講義でこれらのことを理解できるように努力す<br />
る態度をもつことが望ましい。春学期は古代の知識人たちが心(精<br />
神の座)がどこにあったのかについて意外な事実を説明する。また,<br />
古代ギリシアなどではものを見るということはどういうことを説明<br />
しようとしたのだろうか。さらに,近世(17世紀)の欧州では2<br />
000年ぶりに精神の座が明らかにされ,近代科学哲学の萌が始ま<br />
った。人間の人体を機械とみなす考え方はだれがどのような考え方<br />
に基づいて出来上がったのだろうか。そして,実際の脳や網膜はど<br />
のようになっているかなどについて時代の変遷との関わりからわか<br />
りやすく概説する。<br />
テキスト(教科書):<br />
菅野理樹夫(2012)『見るちから』(増補版),古代のものの見方か<br />
ら玄愛の知覚論まで<br />
北樹出版<br />
24<br />
心理学Ⅱ 2 単位(秋学期)<br />
人間は環境世界をどのように知覚し行動するのか条件付けとは何<br />
か。知能の物語<br />
【法政】<br />
菅野 理樹夫<br />
授業科目の内容:<br />
自分を取り巻く環境世界を自らどのように見て,それをもとにし<br />
ていかに行動するかについて現在の心理学はどこまでこたえられる<br />
のだろうか。感覚と知覚ということばがあるが何が違うのだろうか。<br />
人間の見ているのは感覚だろうか?それとも知覚だろうか? 人間<br />
は直接世界を見ているのだろうか?あるいは間接的に見ているのだ<br />
ろうか。このような知覚の問題に挑んだ20世紀初頭の若き研究者<br />
たちの物語を学術的に略説する。さらに,塾に縁のある研究者の考<br />
え方で,ものを見てそれがなんであるかわかるかという知覚の基本<br />
を紹介する。また,知覚にはそれを取り巻く背景の役割が重要であ<br />
る。それが自然や風景を見るときにどのような手掛かりになってい<br />
るのだろうか。このような風景や自然の知覚を問題にした研究は多<br />
くはない。このことについて研究の事例を挙げて私論を述べるつも<br />
りである。<br />
秋学期の後半は人間を含めた動物に本能があるか否かを中心に生<br />
物学的な観点も含み,心の世界の基本的事実を例をあげながら概説<br />
する。また何かに気づき,憶え,自分の行動を修整することを学習<br />
というが,この学習はどのようにして学問の俎上に挙がったのであ<br />
ろうか。塾に縁の深い条件反射学とオペラント学習の基本を講義す<br />
る。また,学習は試行錯誤的なものか,あるいは洞察学習のような<br />
ものかについて研究例を挙げて説明する。さらに,頭がいいとか悪<br />
いとかと言うときには知能が高い,低いなどが問題にされるが,そ<br />
れは本当に人間の能力を測るときには役に立つのだろうか?知能は<br />
もともと何を測るためのものだったのだろうか?その知能がどのよ<br />
うな変遷をたどり顧みられなくなったかについて事実をもとにした<br />
講義を行う。<br />
テキスト(教科書):<br />
菅野理樹夫(2012),『見るちから』(増補版),古代のものの見方<br />
から現代の知覚論まで<br />
北樹出版<br />
心理学Ⅰ 2 単位(春学期)<br />
知覚・認知(見ることを考えることから論理的思考を養う)<br />
【法政】<br />
鈴木 恒男<br />
授業科目の内容:<br />
我々が物を見ることを日常的に行っているので、目を開けば見え<br />
ることは当たり前だと思っている。しかし、見るとは何をやってい<br />
るのかに関しては、自分で行っているのに自分では分からない。<br />
この日常的な行動であり、誰でもが行っているが自分では何が行<br />
われているかが理解できない行為である見ることを考え、その行為<br />
を論理的に説明することを行う。その繰り返しから、社会科学の考<br />
え方の基本である論理的思考を身につける訓練を行うことが本講義<br />
の目的である。<br />
テキスト(教科書):<br />
特に指定しない。<br />
心理学Ⅱ 2 単位(秋学期)<br />
行動・個性(人間の行動を観察することから論理的思考を養う)<br />
【法政】<br />
鈴木 恒男<br />
授業科目の内容:<br />
我々が日常的に行っている行動はほとんど無意識である。何故そ<br />
の行動が起こるのであろうか、その行動は何を目的としているのだ<br />
ろうか、等のことは意識することはほとんど無い。日常的に行って<br />
いる行動を取り上げ、その行動の理由、なぜそれが出来るようにな<br />
ったかを分かることが出来るのだろうかを考えることから、社会科<br />
学の考え方の基本である論理的思考を身につける訓練を行うことが<br />
本講義の目的である。<br />
テキスト(教科書):<br />
特に指定しない。