講義要綱 PDFファイル【冊子版】※2013/3/11現在 - 慶應義塾大学-塾生HP
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共通授業科目<br />
以上の流れにそって、ペルーを中心にしたラテンアメリカを理解<br />
するのに、異種混淆論がどの程度の可能性をもっているのかを検証<br />
したい。<br />
テキスト(教科書):<br />
指定しない。<br />
資料を授業中に適宜配布します。<br />
地域文化論Ⅳ 2 単位(秋学期)<br />
米国ヒスパニック/ラティーノ社会とイスパノアメリカ<br />
【文経法政商医薬】<br />
牛島 万<br />
授業科目の内容:<br />
今日的なグローバル化(脱国境化)や自由化の話を取り上げるま<br />
でもなく、それ以前からラテンアメリカ地域(とくにメキシコ)か<br />
ら、モノと合わせてヒトの移動が見られました。そしてその最大の<br />
行先はアメリカ合衆国でした。現在、その人口は5,000万人を超えて<br />
いると言われています。これは米国総人口のおよそ16%で、7人から<br />
8人に一人がヒスパニック系である計算になります。その意味で、ラ<br />
テンアメリカの人々が形成するスペイン語世界は米国の中に拡張し<br />
続けており、米国の内政、あるいは米国とラテンアメリカとの関係<br />
に与える影響を考えると、今後のそれらの動向を軽視できません。<br />
本授業では、テキサス戦争、米墨戦争など19世紀米墨関係にはじま<br />
り現代にいたる歴史的背景を考察したうえで、現代ヒスパニック系<br />
社会に関するタイムリーな話題まで視野に入れて講じる予定です。<br />
受講生のスペイン語の履修有無は一切問いませんが、授業の中で<br />
はヒスパニック系が使用する俗語であるSpanglish/ espanglesについて<br />
も勉強します。<br />
主として講義形式で進めますが、映画やビジュアル教材を随時用<br />
いることで、より現実的でインパクトのある授業になるように努め<br />
たいと思います。<br />
また授業の終わりに、時間が許す限り、簡単なオピニオン・ペー<br />
パーを書いていただきます。これを平常点に加算します。<br />
テキスト(教科書):<br />
『アメリカのヒスパニック=ラティーノ社会を知るための55章』<br />
大泉光一・牛島万 編著 明石書店 2005年<br />
地域文化論Ⅱ 2 単位(秋学期)<br />
東アジアの中の日中関係<br />
【文経法政商医薬】<br />
【文経法政商医薬】<br />
磯部 靖<br />
授業科目の内容:<br />
日中関係は、日本はもとより東アジアそして世界全体にとっても、<br />
最も重要な国際関係の一つである。そこで、この授業では、日中関<br />
係を総合的・歴史的に検討し、今後の日中関係を考察するための材<br />
料を提供することを目的とする。とりわけ、この授業では、日中関<br />
係の単なる通史を学ぶのではなく、国際情勢はもとより、日本と中<br />
国双方の内政問題とも関連付けて、日中関係を大局的かつ相対的に<br />
捉える視点を提示していきたい。<br />
テキスト(教科書):<br />
必要のある場合、掲示等でお知らせします。<br />
地域文化論Ⅲ 2 単位(春学期)<br />
現代中国の軍事・国防<br />
安田 淳<br />
授業科目の内容:<br />
現代中国が、その歴史的な要因、多様な環境、地理的位置関係な<br />
どいずれの点においても、世界と日本の安全保障環境に大きな影響<br />
を与え、また同時にそれは国際関係から大きな影響を受けているこ<br />
とは改めて言うまでもない。なかでも中国の軍事については、まだ<br />
不明な点も多く、また理解も不足している。中国の、またひいては<br />
東アジアの安全保障を考察する際に無視することのできない中国の<br />
軍事についての理解を深め、併せて中国の安全保障にかかわる諸問<br />
題についての基礎的な知識を習得することが、この講義の目的であ<br />
る。<br />
テキスト(教科書):<br />
講義中に適宜、提示する。<br />
40<br />
地域文化論Ⅳ 2 単位(秋学期)<br />
現代中国の安全保障と日本<br />
【文経法政商医薬】<br />
【文経法政商医薬】<br />
【文経法政商医薬】<br />
安田 淳<br />
授業科目の内容:<br />
現代中国における安全保障の総論から、日中間における安全保障<br />
上の個別の問題までを概観し、中国のみならず、日中関係や東アジ<br />
ア情勢を考察する際に有用な安全保障上の基本的事実を習得、理解<br />
することがこの講義の目的である。<br />
テキスト(教科書):<br />
講義中に適宜、提示する。<br />
地域文化論Ⅰ 2 単位(春学期)<br />
ロシア連邦各地の地理、民族、社会とその文化<br />
熊野谷 葉子<br />
授業科目の内容:<br />
ロシアはとにかく広い国です。その様々な自然環境に暮らす100以<br />
上の民族が持つ歴史や生活様式に一様な「ロシア文化」のレッテル<br />
を貼ることは、いくらなんでも乱暴でしょう。そこで春学期の地域<br />
文化論では、ロシア連邦を大きく地理的に区分し、それぞれの地域<br />
がもつ自然・民族・文化的な特徴を講義していきます。<br />
ウラル山脈以西のいわゆるヨーロッパ・ロシアの中でも、北部と<br />
中部、南部では気候や歴史的背景が異なるため、例えばモスクワと<br />
ペテルブルグでは町の風景も人々の気質もだいぶ違います。また、<br />
これら大都市と地方都市、農村部の生活様式とメンタリティーの違<br />
いが大きいことも、ロシアの特徴のひとつと言えるでしょう。ウラ<br />
ル山脈からシベリアにかけては、先住諸民族の生活文化と西側から<br />
の移住の歴史に目を向け、中央アジアやカフカス地方では非ロシア<br />
諸民族の文化と、ロシア民族およびロシア国家の関係に迫れればと<br />
思います。<br />
いずれの地域についても講義は概説程度にとどまらざるを得ませ<br />
んが、学生諸君がロシアに関する基礎知識を得ると同時に、できる<br />
だけ多角的な視点からこの国を見られるよう努めます。映像や音声<br />
を多用し、可能であればゲストスピーカーに話をしてもらう機会を<br />
設けます。<br />
また,受講者の人数がゆるせば1学期中に1~2回グループ別報<br />
告会の時間を設け,テーマ別に発表を行うことも考えています。<br />
テキスト(教科書):<br />
特に指定なし。<br />
地域文化論Ⅱ 2 単位(秋学期)<br />
文化的表象に見るロシアの歴史と社会<br />
熊野谷 葉子<br />
授業科目の内容:<br />
秋学期は、ロシアの歴史を様々な文化的表象を通して見て行きま<br />
す。<br />
ここで対象となる「ロシア」とそれに関係する地域は時代ごとに<br />
大きく変わります。すなわち9世紀から11世紀ごろの「キエフ・ルー<br />
シ」の時代に関しては現ウクライナからバルカン半島が話題の中心<br />
ですし、その後はモンゴル帝国の版図に目をやりながら北方都市ノ<br />
ヴゴロドとヨーロッパの関係、ついでモスクワ・ルーシによる勢力<br />
拡大を通して17世紀以降はシベリアの経済的な重要性を見なければ<br />
いけません。また20世紀のロシアを考えるには、当然のことながら<br />
今では外国となった旧ソ連地域が視野に入ってくるわけです。<br />
このように、ロシア史を考えるには春学期に見てきた地理的な基<br />
礎知識が必須となるわけですが、私たちはそこに単に歴史的事件を<br />
加えていくのではなく、ロシアにおける文学や口頭伝承、儀礼や生<br />
活習慣、音楽、絵画、映画といった様々な文化的表象を取り上げて、<br />
そこに各時代がどのように描かれているかを見ていきましょう。い<br />
わゆるロシア文化が、自国の歴史をどのようにイメージしているか<br />
を探ることで、現代のロシア国民の歴史観に迫れればと思います。<br />
受講者数がゆるせば、テーマ別のグループ発表の時間も持ちたい<br />
と思います。<br />
テキスト(教科書):<br />
特に指定しません。