近代日本における、ある異邦人の宿命 - subsite

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が、それらは 今 後 の 課 題 とし、ここでは、 現 代 の 一 読 者 として、ノグチの 英 詩 を
みてみたい。
そこで、 亀 井 俊 介 の、ホイットマンとノグチの 詩 の 比 較 を 参 考 に、ノグチの 詩
を 紹 介 したい。まず、ノグチはホイットマンから、 詩 形 、 神 秘 的 自 然 観 、そして
精 神 主 義 的 なナショナリズムと 強 烈 なエゴティズムなどを 学 び 取 ったのではない
か、とまとめている (73) 。 詩 形 についてだが、 亀 井 のまとめたホイットマンの 詩
形 「 自 由 詩 」(Free verse)の 際 立 った 特 徴 として、1カタログ 手 法 で 日 常 生 活
に 根 ざしたものを 並 べ、 理 想 のヴィジョンを 支 える 柱 と 土 台 にする、2パノラマ
的 展 望 によりリアリティからヴィジョンにまで 拡 大 する、3 逆 説 的 並 列 法 により
「 逆 説 の 精 神 」 から 現 像 界 を 乗 り 越 え 絶 対 的 存 在 として 自 己 を 表 現 する、 4
Cesura( 朗 読 上 の 休 止 点 )を 意 味 の 上 から 構 成 する、5 各 行 の 先 頭 語 句 繰 り 返
し、という 五 つを 上 げている (74) 。 亀 井 は、ノグチの 初 めの 詩 集 『 明 界 と 幽 界 』
ではホイットマン 的 な 要 素 があまり 見 られないのに 対 して、『 渓 谷 の 聲 』では、
“The Song of Songs Which is Noguchi’s” というタイトルがホイットマンの
“Song of Myself” に、ノグチの 同 詩 の 副 題 の “I Hail Myself as I do Homer” が
ホイットマンの 同 詩 の 書 き 出 しである “I celebrate myself, and sing myself” から
取 られているように、ホイットマンの 東 洋 人 的 焼 き 直 しにほかならないところま
で 来 ている、と 指 摘 している (75) 。それが、 三 冊 目 の 詩 集 『 東 海 より』をピーク
に、 次 第 にホイットマンから 離 れ 始 めたと 分 析 している。だが、その 後 も、ノグ
チにホイットマン 的 要 素 は 含 まれ 続 けていた。 例 えば、 四 冊 目 の 詩 集 『 巡 礼 』に
含 まれている 以 下 の 詩 でも、 充 分 にホイットマン 的 要 素 が 見 られる。
In Japan Beyond (76)
Do you not hear the sighing of a willow in Japan,
(In Japan beyond, in Japan beyond)
In the voice of a wind searching for the sun lost,
For the old faces with memory in the eyes?