Jaguar Magazine 03/2017 – Japanese

MARKE
上 では 開 けた 道 路 でスピードを 出 せるし、 海 岸 へと 下 る 細 い 道 ではヘアピ
ンカーブや 身 震 いするほどの 急 斜 面 を 体 験 でき、 組 み 合 わせの 妙 がある。
また 難 関 の 国 際 ロードレース「ノースウエスト200」の 公 道 コースに 使 用
される 毎 年 5 月 は、ポートラッシュとポーツチュワート 間 の A2 道 路 の 大
部 分 が 閉 鎖 される。
こうした 道 路 を 走 っていると、マイク・クロスとジャガーのダイナミクス
チームが 何 を 意 図 してデザインしたかがすぐに 明 らかになる。XFサルー
ンのクラス 最 高 の 乗 り 心 地 とハンドリングを 妥 協 なく 維 持 しているのだ。
XFスポーツブレークはジャガーのダイナミックな 二 重 性 を 保 っている。
求 めるときには 俊 敏 で 優 れた 反 応 を 見 せ、 必 要 なときには 静 かに 流 れる
ように 走 る。そしてV6ターボディーゼルによってすぐに 最 大 トルク
700N・m を 発 揮 し、 急 斜 面 でも 平 地 のような 感 覚 だ。
将 来 有 望
フィルに 初 めて 会 ったとき、ビーチ 上 空 を 飛 ぶには 条 件 が 良 くなかった。
そこで 彼 もXF スポーツブレークに 飛 び 乗 り、 近 くに 位 置 するダンギブン
を 目 指 して 少 し 内 陸 に 入 っていく。トランクは 彼 の 道 具 を 楽 に 収 容 できて
いる。エレガントなデザインだが、 優 れた 収 納 スペースを 備 えた 機 能 的
な 車 両 であることは 明 らかだ。
テールゲートは 後 部 コーナー 下 に 足 をかざすジェスチャーで 開 く。これ
は 両 手 がふさがっているときに 最 高 。 中 は 長 く、 実 用 的 なスペースが 広
がり、 荷 物 を 固 定 するレールと 固 定 装 置 、ルーフまで 詰 められるようにす
るディバイダーネットも 備 えている。テールゲートに 立 ちながらリアシート
を 前 に 折 り 畳 めるハンドルがあり、 荷 物 の 詰 め 込 みが 終 わったら、 手 首
に 着 けた 防 水 性 のアクティビティキーで 車 内 のメインキーを 含 むすべてを
ロックできる。
ダイナミックな 風
今 にも 飛 び 立 とうとしているパラグライダーは、じっさい 物 理 法 則 に 逆
らっているように 見 える。フィルは 風 に 彼 のウイングをつかませ、 膨 らん
だら 風 に 向 かって 数 歩 進 む。すると 風 が 彼 を 拾 い 上 げ、 驚 くほど 上 へ 連
れていく。「 足 が 地 面 から 離 れたときに 怖 いと 感 じるなら、このスポーツ
にはたぶん 向 かない」と 彼 は 苦 笑 いして 言 う。「 今 でも 20 年 前 と 同 じスリ
ルを 感 じるよ。 病 みつきになって、 飽 きることがないんだ」。
上 空 にいるためには、 風 に 対 する 第 六 感 が 必 要 だ。「チェスの 試 合 に 似
ているよ。 高 度 を 上 げるには 上 昇 気 流 を 使 う。 暖 かい 空 気 の 泡 みたいな
ものだ。おそらく 街 の 上 空 でできて 風 に 運 ばれる 空 気 で、 意 識 的 に 探 せ
ば 見 えるんだ。 例 えば、 鳥 が 円 を 描 いて 飛 んでいるのを 見 ることがよくあ
62 THE JAGUAR