San Diego Yu Yu, June 16, 2019

24 SAN DIEGO YU-YU JUNE 16, 2019
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米 軍 と 一 体 、 戦 争 近 づく
海 外 派 遣 拡 大 、 安 保 法 施 行
安 倍 首 相 は 憲 法 記 念 日 に 開 かれた 改 憲 派 集 会 のビデオメッセージで 「 憲 法 に 自 衛 隊 を 明 記 し、 違 憲 論 争 に 終 止 符 を 打 つ」と 意 気 込 んだ(5 月 3 日 )
平 成 の 時 代 、 自 衛 隊 が 直 接 戦 争 に 巻 き
込 まれることはなかったが、1991 年 4 月
の 海 自 掃 海 艇 部 隊 のペルシャ 湾 派 遣 で 海
外 での 活 動 に 門 戸 を 開 き、その 後 、 拡 大
した。 憲 法 9 条 の 解 釈 を 変 更 し、 集 団 的
自 衛 権 の 行 使 を 認 めた 安 全 保 障 関 連 法 が
2016 年 3 月 に 施 行 。この 約 30 年 で 米 軍
との 一 体 化 が 急 速 に 進 んだ。 安 倍 政 権 が
改 憲 を 目 指 す 中 、 自 衛 隊 の「 戦 争 への 関 与 」
は 近 づいている。
意 向
掃 海 艇 部 隊 が 初 の 海 外 派 遣 で 機 雷 除 去
を 担 った 後 、1992 年 6 月 には 国 連 平 和 維
持 活 動 (PKO) 法 が 成 立 し、 同 9 月 に 陸 自
部 隊 がカンボジアの PKO に 派 遣 された。
自 衛 隊 の 海 外 派 遣 には、 米 国 の 意 向 が
大 きく 影 響 した。2001 年 9 月 11 日 の 米
中 枢 同 時 テロ 後 、“Show the Flag” ( 日 の
丸 を 見 せて ) と 求 められ、テロ 対 策 特 別
措 置 法 に 基 づき、 海 自 艦 がインド 洋 で 米 、
英 などの 艦 艇 に 給 油 した。
イラク 復 興 支 援 特 別 措 置 法 (2003 年 7
月 成 立 ) による 陸 自 部 隊 のイラク 派 遣 も、
米 側 に “Boots on the Ground” ( 地 上 部 隊
派 遣 を ) と 迫 られたためだ。 陸 自 宿 営 地
を 狙 ったとされる 砲 撃 は 十 数 回 に 上 り、 事
実 上 の「 戦 地 」 派 遣 だった。
ある 陸 自 幹 部 は、 自 身 の 派 遣 期 間 に 緊
迫 した 場 面 は 少 なかったとした 上 で「 部 下
を 死 なせないことだけを 考 えた。 危 険 な
任 務 でも 命 令 があれば 行 くが、 若 い 隊 員
や 家 族 を 思 い『 国 益 とは 何 か』と 考 える」
と 語 った。
その 後 の 南 スーダン P KO でも 治 安 情 勢
が 悪 化 し、P KO 参 加 5 原 則 との 整 合 性 が
問 われた。
明 記
一 方 、 安 倍 政 権 は 2014 年 7 月 、 歴 代
政 権 が 禁 じてきた 集 団 的 自 衛 権 の 行 使 を
容 認 すると 閣 議 決 定 。 安 保 法 では、PKO
で 武 器 使 用 を 認 める「 駆 け 付 け 警 護 」や
宿 営 地 の 他 国 軍 との 共 同 防 護 、「 日 本 の 防
衛 に 資 する 活 動 」に 当 たる 米 軍 艦 艇 など
を 対 象 とした「 武 器 等 防 護 」の 任 務 も 可
能 になった。
自 衛 隊 は 2017 ~ 18 年 、 米 軍 の 艦 艇 、
航 空 機 の 防 護 を 計 18 件 実 施 した。 自 衛
隊 幹 部 の 一 人 は「 令 和 の 時 代 は 武 器 等 防
護 などの 実 績 を 重 ね、( 米 軍 との 連 携 を )
現 場 で 円 滑 にできるようにすることが 使 命
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2001 年 の 米 中 枢 同 時 テロ 後 、テロ 対 策 特 別 措 置 法 に 基 づいて 海 自 艦 がイ
ンド 洋 で 米 英 艦 艇 に 給 油 。 海 外 派 遣 には 米 国 の 意 向 が 大 きく 影 響 している
2003 年 の 陸 自 イラク 派 遣 も 米 側 から 地 上 部 隊 派 遣 を 迫 られ、 特 別 措 置 法
に 基 づいて 出 動 。 宿 営 地 への 砲 撃 もあり、 事 実 上 の「 戦 地 」 派 遣 だった
2014 年 に 安 倍 政 権 は 集 団 的 自 衛 権 を 容 認 すると 閣 議 決 定 。 安 保 法 では
他 国 軍 の 後 方 支 援 への 派 遣 も 随 時 可 能 となり、 自 衛 隊 の 任 務 は 拡 大 した
だ」と 話 している。
安 倍 晋 三 首 相 は 憲 法 記 念 日 の 5 月 3 日 、
東 京 都 内 で 開 かれた 改 憲 派 集 会 のビデオ
メッセージで「 憲 法 に 自 衛 隊 を 明 記 し、 違
憲 論 争 に 終 止 符 を 打 つ」と 意 気 込 みを 示
した。
安 保 法 では、 他 国 軍 の 後 方 支 援 を 目 的
とした 海 外 派 遣 も 随 時 可 能 となり、 自 衛
隊 の 任 務 は 既 に 大 幅 に 拡 大 している。
元 防 衛 官 僚 で 内 閣 官 房 副 長 官 補 を 務 め
た 柳 沢 協 二 氏 は「 自 衛 隊 を 憲 法 に 明 記 し
なくても、 安 保 法 施 行 で 米 軍 との 一 体 化
が 進 み、 自 衛 隊 は 既 に 海 外 で 戦 争 ができ
るようになった。 果 たしてそういう 自 衛 隊
でいいのか。 足 元 を 見 つめ 直 すべく、 国 民
で 議 論 をすることが 必 要 だ」と 話 した。■
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安 倍 首 相 「2020 年 改 憲 施 行 」 堅 持
野 党 反 発 、 阻 止 へ 共 闘
自 衛 隊 明 記 軸 に 攻 防
参 院 選 争 点 、 各 地 で 集 会
日 本 国 憲 法 施 行 から 72 年 となり、 令
和 で 初 めて 迎 えた 憲 法 記 念 日 の 5 月 3 日 、
安 倍 晋 三 首 相 ( 自 民 党 総 裁 ) は 憲 法 改 正
派 集 会 へビデオメッセージを 寄 せ、2020
年 に 改 正 憲 法 を 施 行 する 目 標 を 堅 持 して
いると 明 言 した。 立 憲 民 主 党 などの 野 党
は 反 発 。 幹 部 が 護 憲 派 集 会 に 参 加 し、 改
憲 阻 止 へ 共 闘 を 呼 び 掛 けた。 首 相 が 目 指
す9 条 への 自 衛 隊 明 記 案 を 軸 に、 改 憲 の
是 非 が 夏 の 参 院 選 で 主 要 争 点 となるのは
確 実 で、 与 野 党 攻 防 が 激 化 する。
首 相 は 東 京 都 内 での 集 会 にメッセージ
を 送 り、 自 衛 隊 明 記 により「 違 憲 論 争 に 終
止 符 を 打 つ。 先 頭 に 立 ち、 責 任 をしっかり
果 たす 決 意 だ」と 表 明 。 憲 法 に 教 育 充 実
を 書 き 込 む 必 要 性 も 重 ねて 訴 えた。2017
年 の 同 じ 集 会 で 2020 年 施 行 目 標 を 掲 げ
た 経 緯 に 言 及 し「 今 もその 気 持 ちに 変 わり
はない」と 述 べた。
9 条 をめぐり「 全 ての 自 衛 隊 員 が 強 い 誇
りを 持 って 任 務 を 全 うできる 環 境 を 整 え
る」と 強 調 。 自 民 党 が 条 文 案 を 策 定 した
教 育 充 実 に 関 し「 家 庭 の 経 済 事 情 にかか
わらず、 教 育 は 全 ての 子 どもに 開 かれたも
のとする。しっかりと 憲 法 に 位 置 づけなけ
ればならない」とした。
同 じ 集 会 に 出 席 した 公 明 党 の 遠 山 清 彦
憲 法 調 査 会 事 務 局 長 は「 公 明 党 は 加 憲 の
立 場 から 積 極 的 に 憲 法 議 論 に 参 加 する」
と 語 った。 集 会 には 日 本 維 新 の 会 、 希 望
の 党 の 幹 部 も 出 席 した。
一 方 、 立 民 、 国 民 民 主 、 共 産 、 社 民 の
野 党 4 党 首 は 東 京 都 内 の 護 憲 派 集 会 に 出
席 。 立 民 の 枝 野 幸 男 代 表 は、 森 友 学 園 を
巡 る 財 務 省 の 決 裁 文 書 改 ざんや 自 衛 隊 日
報 隠 蔽 に 代 表 される 政 権 不 祥 事 に 触 れ、
「 知 る 権 利 」が 脅 かされていると 指 摘 。「 正
しい 情 報 が 知 らされない 限 り、 真 の 民 主
主 義 はあり 得 ない。 日 本 は 大 変 な 危 機 に
ある」として、 野 党 各 党 に 連 携 を 求 めた。
国 民 の 玉 木 雄 一 郎 代 表 は 自 衛 隊 明 記 案
に 関 し「 自 衛 権 の 範 囲 を 無 制 限 に 拡 大 しよ
うとしている」と 批 判 。 共 産 党 の 志 位 和 夫
委 員 長 も「 首 相 が 改 憲 の 旗 を 振 ること 自 体
が 憲 法 違 反 だ。 参 院 選 で 決 着 をつけよう」
とアピールした。 社 民 党 の 又 市 征 治 党 首 は
「 変 えなければいけないのは 憲 法 ではな
く、 安 倍 政 権 だ」と 訴 えた。
* 資 料 : 共 同 通 信 社