2-STD-B32v2_2

ARIB STD-B32 第 1 部 付 属
第 2 章 MPEG-4 AVC 規 格 の 概 要
MPEG-4 AVC 規 格 は、MPEG-2 Video(ISO/IEC 13818-2)やMPEG-4 Visual(ISO/IEC 14496-2)、
ITU-T Rec. H.263 などに 対 し、より 圧 縮 効 率 の 高 い 次 世 代 動 画 圧 縮 方 式 として、ITU-TのVCEG
とISO/IECのMPEGとが 合 同 で 開 発 し、ITU-T Rec. H.264|ISO/IEC 14496-10 として 標 準 化 され
ている。
MPEG-4 AVCは、 従 来 方 式 に 対 して 更 なる 画 質 向 上 を 目 指 し、 次 のような 要 素 技 術 を 導 入 した。
ブロックサイズに8×8より 小 さい4×4での 整 数 精 度 DCTを 採 用 (プロファイルにより8×8 整 数 精 度
DCTも 可 能 )した 他 、Iピクチャではイントラ 予 測 による 差 分 値 をDCT 変 換 することでIピクチャ
の 符 号 量 の 削 減 が 可 能 となった。 一 方 で、 時 間 方 向 の 予 測 には 過 去 ・ 未 来 両 方 向 の 参 照 フレーム 数 を
拡 張 した 上 で、 最 小 4×4 から 最 大 16×16 までの 動 き 補 償 ブロックサイズを 適 応 的 に 切 り 換 えら
れるようにし、 動 き 補 償 の 精 度 を1/4 画 素 単 位 まできめ 細 かく 行 うことで、ピクチャ 間 の 相 関 を 最 大
限 にとり 符 号 量 の 削 減 を 行 うことが 可 能 となった。
また、 被 参 照 可 能 なBピクチャの 採 用 や、 画 像 の 明 るさが 変 化 する 際 の 重 み 付 け 予 測 、 画 質 制 御 が
容 易 になる 量 子 化 パラメータの 導 入 などと 共 に、エンコーダおよびデコーダ 内 において 再 構 成 画 像
作 成 時 にデブロッキング・フィルタ(ループ・フィルタ)を 用 いることでブロック・ノイズの 低 減
を 行 うなど、 画 質 に 対 して 細 部 に 渡 り 工 夫 を 施 している。
さらに、メイン・プロファイル 及 びハイ・プロファイルではCAVLC(ハフマン 符 号 )に 加 えて、よ
り 符 号 化 効 率 の 高 いCABAC( 算 術 符 号 )が 追 加 された。
このように 全 体 としての 生 成 符 号 量 の 大 幅 な 削 減 が 可 能 になり、MPEG-2 Videoに 比 べ、 約 2 倍 の
符 号 化 効 率 の 向 上 を 実 現 している。
尚 、MPEG-2 Video 規 格 同 様 、MPEG-4 AVC 規 格 においても、 符 号 化 器 、 復 号 化 器 間 の 相 互 接 続
性 の 確 保 のため、プロファイル、レベルごとに 符 号 化 データに 対 する 制 約 を 設 けている。プロファ
イルは 符 号 化 ツールや 処 理 範 囲 などに、レベルは 取 り 扱 う 画 素 サイズやフレーム 周 波 数 などに 対 し
ての 制 約 を 定 めている。
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