19.07.2013 Views

大学生における「居場所」と精神的健康に関する一研究 - 創価大学

大学生における「居場所」と精神的健康に関する一研究 - 創価大学

大学生における「居場所」と精神的健康に関する一研究 - 創価大学

SHOW MORE
SHOW LESS

You also want an ePaper? Increase the reach of your titles

YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.

む場所の特徴を探るにおかれる。②の各居場所の分類に関しては、杉本・庄司 7 (2006)を参考に、「自分<br />

1人の居場所」「家族といる居場所」「家族以外の人といる居場所」の3分類を本研究では採用する。<br />

Ⅱ.予備調査<br />

1.目的<br />

予備調査では、杉本・庄司 8 (2006)が作成した「居場所」の心理的機能に関する尺度を大学生を<br />

対象に実施し、その因子構造に先行研究と異同があるかどうかを確認、検討する。<br />

杉本・庄司 9 (2006)の尺度は、小・中・高生のデータから作成されたものである。したがって、大<br />

学生を被調査者とした本調査を実施する前に、大学生における「居場所」の心理的機能の構造を明らか<br />

にし、大学生に実施するためにより適切な尺度を構成するというのが、予備調査の第一の目的である。<br />

第二の目的としては大学生版「居場所」の心理機能尺度の妥当性を検証することがある。先行研究<br />

における「居場所」の心理的機能尺度に関しては、クロンバックのα係数を算出することにより、そ<br />

の内的整合性や信頼性については検討されているが、妥当性という側面からの検討はなされていない。<br />

そこで、本研究においてはこの予備調査の段階で、大学生版「居場所」の心理的機能尺度の妥当性を、<br />

基準関連妥当性を算出するという形で検討する。本研究においては、「居場所」の心理的機能との関連<br />

が予測される外部基準として、中島・倉田 10 (2004)、忠井・本間 11 (2006)の文献を参考に、“安心<br />

感”と“自尊心”を測定する心理尺度を使用することとする。具体的には“安心感”に関わる心理尺<br />

度として、清水・今栄 12 (1981)のSTAI日本語版の状態不安尺度を用いる。また“自尊心”を測定す<br />

る心理尺度として、山本・松井・山成 13 (1982)の自尊感情尺度を用いる。<br />

2.方法<br />

大学生を対象として、「居場所」の心理的機能、“安心感”、“自尊心”の3つに関する尺度を掲載し<br />

た質問紙調査を実施した。以下、被調査者、調査の実施方法、各質問紙の構成について概説する。<br />

(1)被調査者<br />

被調査者は私立A大学の学生2年~4年生計183名。回答者の内訳は、男性71名、女性112名。また学<br />

年の内訳は、2年生124名、3年生44名、4年生13名、その他2名である。<br />

(2)調査期日<br />

2007年6月29日~7月17日<br />

(3)調査方法<br />

講義終了後の時間で受講生にアンケート調査へのご協力をいただいた。実施時間は15分程度で、実<br />

- 310 -

Hooray! Your file is uploaded and ready to be published.

Saved successfully!

Ooh no, something went wrong!