欧州・ロシア雇用制度一覧(3.0MB) - JETRO

ハンガリーの 雇 用 制 度 一 覧
制 度 主 な 内 容 根 拠 法
法
令
・
機
関
等
労 働 関 係 法
( 最 上 位 法 )
労 働 監 督 機 関
( 届 出 機 関 )
労 使 紛 争 解 決 のための
法 的 手 続 き
ハンガリーの 基 本 法 および 労 働 法 2012 年 第 1 号 (2012 年 7 月 1 日 発 効 、 一 部 は2013 年 1 月 1 日 より 発 効 )。
団 体 労 使 交 渉 や 労 使 協 定 のあり 方 などを 定 めるほか、「 派 遣 制 度 (work-force lending)」、 間 接 的 差
別 についての 規 定 、 母 性 保 護 の 規 定 などが 含 まれる。
国 家 人 材 資 源 省 (Ministry of Human Resources)
労 働 裁 判 所
ハンガリー 基 本 法 、 労 働 法 2012
年 第 1 号
ハンガリーの 各 省 に 関 する2010
年 42 号 の 法 律
労 働 法
雇 用 契 約 形 態 及 び
その 手 続 き
雇 用 契 約 は 書 面 で 締 結 される。 雇 用 条 件 は 法 律 および 労 使 協 定 の 規 定 による。ただし、 雇 用 契 約 に 定
められる 条 件 がこれらの 規 定 よりも 被 雇 用 者 に 有 利 な 内 容 となっている 場 合 はこの 限 りでない。 雇 用 契
労 働 法 第 42 条 から50 条 まで
約 には 基 本 給 の 総 額 、 役 職 及 び 勤 務 地 を 明 記 しなければならない。すべての 雇 用 契 約 は、 労 働 法 に 定
められた 最 低 条 件 を 満 たさなければならない。
試 用 期 間
最 長 3カ 月 ( 労 使 協 定 の 規 定 によっては 最 長 6カ 月 の 試 用 期 間 が 設 定 可 能 )、3カ 月 未 満 の 試 用 期 間 は
一 回 に 限 り 延 長 可 能 であるが、 延 長 の 期 間 も 含 めて3カ 月 を 超 えてはならない。
労 働 法 第 45 条
退 職 雇 用 主 と 被 雇 用 者 は、いつでも 双 方 の 合 意 により、 雇 用 関 係 を 終 了 できる。 労 働 法 第 64 条 1 項 a)
雇
用
条
件
解 雇
定 年
労 働 組 合 ( 職 種 別 )への
加 入
解 雇 には(イ) 解 雇 及 び(ロ) 雇 用 関 係 の 即 時 停 止 の2つの 種 類 がある。 被 雇 用 者 申 し 出 の 退 職 には、 理
由 が 必 要 とされない( 例 外 : 被 雇 用 者 は 期 限 付 き 雇 用 関 係 の 終 了 を 申 し 出 る 場 合 、 業 務 を 継 続 できない
正 当 な 理 由 をつける 義 務 を 負 う。)。 但 し、 雇 用 主 による 解 雇 の 場 合 、 正 当 な 理 由 が 必 要 である。 理 由 と
しては(イ) 被 雇 用 者 の 能 力 ;(ロ) 被 雇 用 者 の 業 務 に 関 して 見 せた 態 度 や 行 動 など;(ハ) 雇 用 主 の 操 業
に 関 するもののみがあり 得 る。 産 休 中 、 育 児 休 暇 中 の 被 雇 用 者 や、3 歳 に 満 たない 子 供 を 持 つシングル
マザー(ファーザー)の 被 雇 用 者 は 解 雇 できない。 企 業 の 移 転 に 伴 い 被 雇 用 者 が 職 場 を 移 転 しなけれ
ばならないことは、それ 自 体 では 解 雇 の 理 由 にならない。 通 告 期 間 は 最 低 30 日 で、3 年 以 上 の 勤 続 年 数
がある 場 合 は、その 勤 続 年 数 に 応 じてより 長 い 最 低 事 前 通 告 期 間 とする 必 要 がある( 勤 続 年 数 3 年 ~5
年 の 場 合 は 通 告 期 間 は 最 低 計 35 日 となり、 最 長 は、20 年 以 上 の 場 合 で 計 90 日 となる)。 原 則 、 事 前 通 告
期 間 は6カ 月 より 短 く 設 定 される。 即 時 解 雇 の 場 合 、 雇 用 関 係 が 即 時 終 了 される。 即 時 解 雇 にも 正 当 な
事 由 が 必 要 。 即 時 解 雇 の 理 由 としては:(イ) 雇 用 主 か 被 雇 用 者 がいずれが、 著 しくかつ 故 意 に、 雇 用 関
係 に 起 因 する 重 要 な 義 務 に 違 反 した 場 合 、または、 雇 用 主 か 被 雇 用 者 いずれが、 重 過 失 により 違 反 を
犯 した 場 合 ;(ロ) 雇 用 主 か 被 雇 用 者 がいずれが、 雇 用 関 係 の 維 持 を 不 可 能 にするような 行 為 をした 場
合 ;(ハ)また、 試 用 期 間 中 の 場 合 、( 二 ) 有 期 雇 用 契 約 の 場 合 で、 雇 用 主 が、 一 年 分 の 給 与 を 被 雇 用 者
に 支 払 った 場 合 ( 但 し、 契 約 終 了 までの 残 余 期 間 が 一 年 未 満 である 場 合 は、その 残 余 期 間 分 の 給 与 を
支 払 う)。
2012 年 7 月 1 日 より、 被 雇 用 者 にも 期 限 付 き 雇 用 関 係 を 終 了 する 権 利 が 与 えられた。 被 雇 用 者 が、 被 雇
用 者 に 帰 することのできない 事 由 などにより 雇 用 関 係 の 継 続 が 不 可 能 となった 理 由 または 雇 用 関 係 の
継 続 は 私 生 活 に 過 度 な 負 担 を 与 えるという 理 由 によりのみ、 期 限 付 き 雇 用 関 係 を 終 了 する 権 利 がある。
労 使 協 定 がない 限 り、 雇 用 主 が 労 働 者 評 議 会 と 契 約 を 締 結 できる。 労 働 者 評 議 会 との 契 約 は 雇 用 関 係
に 関 する 権 利 義 務 を 定 めることができるので、 雇 用 関 係 に 大 きな 影 響 を 与 えることができる。
生 まれた 年 によって 異 なるが、 基 本 的 に 男 女 62(1952 年 以 前 生 まれの 場 合 )から65 歳 (1957 年 以 降 生 ま
れの 場 合 )。2011 年 1 月 1 日 から、40 年 以 上 の 職 歴 ( 子 育 てのための 休 暇 も 含 む)を 有 する 女 性 につい
て、 満 額 の 年 金 を 得 るためには、その 職 歴 のうち 最 低 32 年 は 賃 金 を 得 ていたか、 保 険 による 手 当 てを 受
給 している 必 要 がある。
労 働 者 評 議 会 : 被 雇 用 者 が15~50 人 の 事 業 所 には 被 雇 用 者 代 表 者 (plant delegate)、50 人 を 超 える 事
業 所 には 労 働 者 評 議 会 を 置 く。 両 者 とも 任 期 は5 年 。 労 働 者 評 議 会 委 員 の 定 数 は 被 雇 用 者 の 数 に 応 じ
3~13 人 。
労 働 法 第 64 条 ~70 条 、71 条
年 金 に 関 する1997 年 の81 号 の 法
律 第 18 条
以 下 の 問 題 についての 決 定 を 行 う 場 合 、 雇 用 主 は 事 前 に 労 働 者 評 議 会 に 意 見 を 求 める 義 務 を 負 う。
1 組 織 改 革
2 生 産 ・ 投 資 計 画 、 新 技 術 の 導 入 、 既 存 の 技 術 水 準 を 高 める 案 件
3 雇 用 主 による 被 雇 用 者 の 個 人 データの 取 り 扱 い・ 保 護 に 関 する 案 件
4 雇 用 主 による 被 雇 用 者 を 観 察 ・コントロールできるツールの 利 用 に 関 する 案 件
5 職 場 における 健 康 と 安 全 を 確 保 するための 措 置 、 労 働 災 害 や 職 業 病 を 回 避 するための 措 置
6 新 しい 組 織 手 法 や 勤 務 条 件 の 導 入 ・ 変 更
7 被 雇 用 者 の 訓 練 に 関 する 案 件
8 業 務 を 支 援 するための 手 当 ての 割 当
労 働 法 第 230 条 から284 条 まで
9 作 業 能 力 が 低 下 した 被 雇 用 者 および 障 害 を 持 つ 被 雇 用 者 のリハビリテーションに 関 する 雇 用 主 の 計
画 案 に 関 連 する 案 件
10 業 務 計 画
11 金 銭 的 報 酬 の 原 則 を 定 めることに 関 する 法 律
12 業 務 遂 行 の 中 における 環 境 保 護 に 関 わる 措 置
13 被 雇 用 者 を 平 等 に 扱 うことに 関 する 雇 用 主 の 対 策
14 ワークライフバランス
15 労 働 に 関 する 法 律 に 定 められたその 他 の 事 項
被 雇 用 者 は、 任 意 で 労 働 組 合 を 設 立 できる。 労 働 組 合 は、 雇 用 主 との 雇 用 関 係 に 関 わる 経 済 的 利 益 や
福 祉 について 雇 用 主 から 情 報 を 得 ることができる。 労 働 組 合 は 雇 用 主 に 対 して、 金 銭 的 、 社 会 的 、 及 び
生 活 や 労 働 に 関 する 利 益 や 権 利 について 組 合 員 を 代 表 することができる。また、 裁 判 所 などに 対 して、
組 合 員 の 経 済 的 利 益 や 福 祉 を 守 るため、 組 合 員 を 代 表 することができる。 労 働 組 合 と 雇 用 主 は 労 使 協
定 を 締 結 することができる。
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