欧州・ロシア雇用制度一覧(3.0MB) - JETRO

休
暇
制
度
ロシアの 雇 用 関 連 制 度
制 度 主 な 内 容 根 拠 法
有 給 休 暇 を 受 ける 権 利 は、 当 該 雇 用 主 の 下 での 連 続 勤 務 期 間 が6ヶ 月 を 経 過 後 に 発 生 する。
ただし、 一 定 の 被 雇 用 者 (18 歳 未 満 の 被 雇 用 者 等 )については、 当 該 被 雇 用 者 による 申 請 が
休 暇 制 度 全 般
あった 場 合 、 連 続 勤 務 期 間 が6ヶ 月 未 満 の 場 合 でも、 有 給 休 暇 を 与 えなければならない。 有 給
休 暇 の 年 間 日 数 は、28 暦 日 であるが、 健 康 に 有 害 又 は 危 険 な 労 働 環 境 での 労 働 の 場 合 、 追
労 働 法 第 19 章
加 で 有 給 休 暇 が 与 えられる。 退 職 に 際 しては、 有 給 休 暇 の 未 使 用 分 に 相 当 する 年 次 有 給 休 暇
勤 労 手 当 を 支 給 する。
病 欠
産 休
病 気 または 事 故 ( 但 し、 労 災 及 び 職 業 病 を 除 く)により 病 欠 した 場 合 、 病 院 により 発 行 された 所
定 の 病 欠 証 明 書 に 基 づき、 社 会 保 険 基 金 から、 当 該 被 雇 用 者 の 保 険 加 入 年 数 により 手 当 が 支
給 される。 当 該 保 険 加 入 年 数 が8 年 以 上 の 場 合 は 平 均 給 与 の100%に 相 当 する 金 額 が 支 給 さ
れ、5 年 から8 年 未 満 の 場 合 は80%に 相 当 する 金 額 が、5 年 未 満 の 場 合 は60%が 支 給 される。
手 当 ( 日 給 額 )は、 過 去 2 年 間 の 平 均 給 与 の 合 計 の730 分 の1、ただし1 年 間 の 平 均 給 与 額 の 算
定 に 当 たって、 毎 年 上 限 が 制 定 される。 例 えば、2011 年 と2012 年 の 当 該 上 限 は、それぞれ、46
万 3,000ルーブルと 51 万 2,000ルーブルである。
産 前 70 日 間 ( 多 胎 児 出 産 の 場 合 84 日 間 )、 産 後 70 日 間 ( 閉 塞 性 分 娩 の 場 合 86 日 間 、 多 胎 児 出
産 の 場 合 110 日 間 )の 産 休 が 与 えられる。
上 記 の 期 間 内 に、 社 会 保 険 基 金 の 負 担 で、 手 当 が 支 給 される。 当 該 手 当 は、 雇 用 主 により 支
払 われるが、 支 払 った 金 額 は 社 会 保 険 基 金 への 保 険 料 と 相 殺 する 形 になっている。 支 給 額
は、 過 去 2 年 間 の 平 均 給 与 の100%であるが、 当 該 支 給 額 について 毎 年 上 限 額 が 決 定 される。
例 えば、2013 年 の 当 該 上 限 額 は、 年 間 56 万 8,000ルーブルである。
また、 子 供 が3 歳 になるまでの 間 、 育 児 休 暇 が 与 えられる。 子 供 が 一 歳 半 になるまでの 間 、 毎 年
定 められる 金 額 の 手 当 が 支 給 される。 例 えば、2013 年 は、1 人 目 の 子 供 と2 人 目 以 降 の 子 供 の
それぞれについて、 月 額 2,453.93ルーブルと4,907.85ルーブルが 支 給 される。
産 休 中 、 並 びに 子 供 が3 歳 になるまでの 育 児 休 暇 期 間 中 において、 雇 用 主 による 解 雇 は 禁 止
されている( 法 人 解 散 が 唯 一 例 外 である)。
連 邦 法 第 255-FZ 号 「 一 時 的
労 働 不 能 又 は 妊 娠 ・ 出 産 ・ 保
育 に 関 する 強 制 社 会 保 険 に
ついて」(2006 年 12 月 29 日 付 )
労 働 法 第 255 条 、 第 256 条 、 第
261 条
連 邦 法 第 81-FZ 号 「 育 児 手 当
について」(1995 年 5 月 19 日
付 )
連 邦 法 第 255-FZ 号 「 一 時 的
労 働 不 能 又 は 妊 娠 ・ 出 産 ・ 保
育 に 関 する 強 制 社 会 保 険 に
ついて」(2006 年 12 月 29 日 付 )
賃
金
等
付
加
給
付
各
種
保
険
そ
の
他
兵 役
最 低 賃 金
時 間 外 手 当 て
ボーナス
退 職 金
諸 税
食 事 手 当 て
通 勤 手 当 て
その 他 厚 生 諸 制 度
労 働 保 険
社 会 保 険
職 業 訓 練
職 員 募 集 方 法
兵 役 義 務 がある。 被 雇 用 者 が 兵 役 に 就 く 場 合 、 当 該 雇 用 契 約 は、「 当 事 者 の 意 思 によらない 事
由 」により 終 了 する。その 際 、2 週 間 の 給 与 に 相 当 する 退 職 金 を 支 給 する 必 要 がある。
最 低 賃 金 については、 全 国 一 律 で 適 用 される 金 額 が 法 律 により 定 められている。2013 年 1 月 1
日 より 適 用 される 最 低 賃 金 の 月 額 は5,205ルーブルである。
なお、 各 地 方 において、 最 低 賃 金 に 関 する 協 約 により、 当 該 地 方 での 最 低 賃 金 を 設 けることが
できる。ただし、 金 額 は 連 邦 法 で 規 定 される 額 を 下 回 らない。
時 間 外 手 当 については、 最 初 の2 時 間 が 基 本 時 間 給 の150%、2 時 間 以 降 および 休 日 の 場 合
は 基 本 時 間 給 の200%が 支 給 される。 雇 用 契 約 や 労 働 協 定 をの 中 で、 支 給 金 額 の 割 合 を 増 や
すことができる。なお、 当 該 被 雇 用 者 の 希 望 により、 時 間 外 手 当 の 代 わりに 代 休 を 与 えることが
できる。
ボーナスの 支 給 は 義 務 付 けられていない。 実 績 に 対 する 賞 与 として、 年 末 に1ヶ 月 分 の 給 与 額
に 相 当 するボーナスが 支 給 されるケースが 多 い。
労 働 法 第 83 条 第 1 項 第 1 号 、
第 178 条
「 最 低 賃 金 に 関 する 連 邦 法 」
(2000 年 6 月 19 日 付 82-FZ 号 )
労 働 法 第 133 条 及 び 第 133.1
条
労 働 法 第 152 条 ~ 第 154 条
一 般 的 に、 退 職 金 は、 法 律 に 定 められた 場 合 にのみ 支 給 される。 退 職 金 支 給 の 具 体 的 なケー
スと 支 給 額 は、 法 令 により 定 められる。
例 えば、 法 人 解 散 又 は 人 員 削 減 による 退 職 の 場 合 、 平 均 給 与 の2ヶ 月 分 ( 一 定 の 場 合 、3ヶ 月
分 。なお、 極 北 地 域 の 場 合 、6ヶ 月 分 まで 支 給 されることがある)。
また、 当 該 被 雇 用 者 が 健 康 上 の 理 由 により 転 勤 を 拒 否 した 場 合 、 兵 役 に 就 く 場 合 、 雇 用 主 が 他 労 働 法 第 178 条 、 第 318 条
の 地 方 に 移 動 するに 際 し、 当 該 被 雇 用 者 が 転 勤 を 拒 否 した 場 合 、 健 康 上 の 理 由 による 勤 務 継
続 が 不 可 能 な 場 合 の 退 職 等 については、 平 均 給 与 の2 週 間 分 の 退 職 金 が 支 給 される。
また、 雇 用 契 約 又 は 集 団 協 定 において、 退 職 金 の 支 給 について、より 高 い 金 額 を 制 定 すること
ができる。
給 与 については 個 人 所 得 税 が 課 税 され、その 税 率 は 一 律 13%であり、 源 泉 徴 収 をして 納 付 す
る。 平 均 給 与 3ヶ 月 分 ( 極 北 地 域 の 被 雇 用 者 の 場 合 は6ヶ 月 分 )を 超 えない 退 職 金 は 非 課 税 とな
る。
義 務 付 けられていないが、 一 部 の 企 業 において 金 銭 的 手 当 又 は 食 券 の 形 態 で 支 給 される。 食
事 手 当 は 所 得 とみなされ、 個 人 所 得 税 が 課 税 される。
義 務 付 けられていない。 支 給 されるケースは 少 ない。 支 給 する 場 合 、 個 人 所 得 税 が 課 税 され
る。
旧 ソ 連 時 代 、 企 業 保 有 のサナトリウム( 保 養 所 )、スポーツセンター 等 の 施 設 の 無 料 使 用 が 認 め
られていたが、 現 在 この 制 度 はごく 一 部 の 企 業 にしか 残 っていない。
雇 用 主 は、 被 雇 用 者 のために、 労 災 ・ 職 業 病 の 保 険 に 加 入 する 義 務 がある。 保 険 料 は、 業 種
によるが、 労 災 ・ 職 業 病 のリスクの 高 い 業 種 についてより 高 い 保 険 料 が 課 される。 保 険 料 率 は
0.2%~8.5%。 労 災 ・ 職 業 病 の 場 合 には 保 険 金 が 支 給 される。
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「ロシア 連 邦 国 税 基 本 法 第 2
部 」(2000 年 8 月 5 日 付 117-FZ
号 ) 第 23 章
第 217 条 第 1 項 第 3 号
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連 邦 法 第 125-FZ 号 「 労 災 ・ 職
業 病 に 関 する 強 制 的 社 会 保
険 について」(1998 年 7 月 24
日 )
連 邦 法 第 228-FZ 号 「2013 年 、
2014 年 及 び2015 年 の 計 画 期
間 にかかる 労 災 ・ 職 業 病 に 関
する 強 制 社 会 保 険 について」
(2012 年 12 月 3 日 付 )
全 ての 雇 用 主 は、ロシア 連 邦 年 金 基 金 、ロシア 連 邦 社 会 保 険 基 金 、ロシア 連 邦 強 制 医 療 保 険
連 邦 法 第 212-FZ 号 「 年 金 基
基 金 のそれぞれに 対 して 被 雇 用 者 の 保 険 料 を 支 払 う 義 務 がある。 社 会 保 険 料 負 担 率 の 内 訳
金 、 社 会 保 険 基 金 、 連 邦 ・ 地
は、 年 金 基 金 が22%、 社 会 保 障 基 金 が2.9%、 連 邦 医 療 基 金 が5.1%である。 社 会 保 険 料 を 算
方 強 制 医 療 保 険 保 険 基 金 へ
出 する 基 準 額 が 年 間 56 万 8,000ルーブル(2013 年 1 月 1 日 以 降 )を 超 える 場 合 、その 超 過 分 に
の 保 険 料 について」(2009 年 7
10%の 年 金 基 金 の 保 険 料 のみ 課 される。 保 険 料 の 対 象 となる 給 与 額 の 算 定 に 際 して、ほとんど
月 24 日 付 )
の 支 払 が 含 まれるが、 例 えば 退 職 金 等 対 象 とならないものもある。
職 業 訓 練 の 必 要 性 と 内 容 は 原 則 雇 用 主 の 裁 量 によるが、 法 律 に 規 定 されるケースについて
は、 義 務 付 けられることもある。
国 家 公 務 員 を 除 き、 特 に、 職 員 募 集 方 法 について 特 定 方 法 が 義 務 付 けられているわけではな
い。ただし、 募 集 に 際 して 差 別 をすることは 禁 止 されている。
労 働 法 第 31 章
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