欧州・ロシア雇用制度一覧(3.0MB) - JETRO

法
令
・
機
関
等
制 度 主 な 内 容 根 拠 法
労 働 関 係 法
労 働 監 督 機 関
( 届 出 機 関 )
ロシアの 雇 用 関 連 制 度
基 本 的 な 法 律 は、ロシア 連 邦 労 働 基 本 法 (2002 年 2 月 1 日 発 効 )である。また、 連 邦 法 「 労 働 組
合 並 びにその 権 利 及 び 活 動 の 保 証 について」、「ロシア 連 邦 における 住 民 の 雇 用 について」で
は、それぞれ 労 働 組 合 の 法 的 地 位 と 雇 用 に 関 する 国 家 政 策 の 基 本 を 制 定 している。この 他 、
国 家 公 務 員 等 についての 特 別 法 令 もある。
労 働 安 全 、 雇 用 安 定 等 に 関 する 国 家 政 策 を 策 定 し 実 施 する 国 家 機 関 として 労 働 ・ 社 会 保 護 省
があり、また、 同 省 の 傘 下 に、 主 に 雇 用 安 定 、 労 働 安 全 、 労 働 法 の 遵 守 の 監 督 を 担 う 連 邦 労
働 ・ 雇 用 局 並 びに 各 地 方 において 設 置 された 同 局 の 支 部 である 労 働 監 督 局 がある。 当 該 労 働
監 督 局 は、 立 入 審 査 を 行 い、 労 働 法 違 反 があった 場 合 、 雇 用 主 に 罰 則 を 課 す 権 限 がある。ま
た、 連 邦 環 境 ・ 技 術 ・ 原 子 力 監 督 局 (ロステフナドゾル)および 連 邦 消 費 者 保 護 ・ 福 利 監 督 局 (ロ
スポトレブナドゾル)は、それぞれの 担 当 分 野 において 職 場 安 全 を 監 督 する 権 限 がある。
なお、 届 出 機 関 として、 年 金 、 強 制 医 療 保 険 ( 連 邦 ・ 地 方 のそれぞれ)についてはロシア 連 邦 年
金 基 金 に 対 して、 社 会 保 険 ( 失 業 保 険 )については 社 会 保 険 基 金 に 申 告 を 行 わなければなら
ず、また、 法 人 の 解 散 や 人 員 削 減 の 場 合 、 雇 用 主 は 上 記 の 連 邦 労 働 ・ 雇 用 局 に 届 出 を 行 う 義
務 がある。
連 邦 法 第 197-FZ 号 「ロシア 連
邦 労 働 基 本 法 」(2001 年 12 月
30 日 付 、 以 下 「 労 働 法 」という)
連 邦 法 第 10-FZ 号 「 労 働 組 合
並 びにその 権 利 及 び 活 動 の
保 証 について」(1996 年 1 月 12
日 付 、 以 下 、「 労 働 組 合 法 」と
いう)
法 律 第 1032-1 号 「ロシア 連 邦
における 住 民 の 雇 用 につい
て」(1991 年 4 月 19 日 付 、 以
下 、「 雇 用 法 」という)
労 働 法 第 51 章
連 邦 政 府 決 定 第 875 号 「 労 働
関 連 法 令 遵 守 に 関 する 連 邦
監 督 機 関 の 地 位 の 確 認 につ
いて」(2012 年 9 月 1 日 付 )
連 邦 政 府 決 定 第 324 号 「 連 邦
労 働 ・ 雇 用 局 について」(2004
年 6 月 30 日 付 )
連 邦 政 府 決 定 第 610 号 「ロシア
連 邦 労 働 ・ 社 会 保 護 省 の 地 位
の 確 認 について」(2012 年 6 月
19 日 付 )
連 邦 法 第 212-FZ 号 「 年 金 基
金 、 社 会 保 険 基 金 、 連 邦 ・ 地
方 強 制 医 療 保 険 保 険 基 金 へ
の 保 険 料 について」(2009 年 7
月 24 日 付 )
雇 用 法 25 条 2 項
労 使 紛 争 解 決 のための
法 的 手 続 き
雇 用 契 約 形 態 及 び
その 手 続 き
< 個 別 労 使 紛 争 の 場 合 >
不 当 解 雇 、 不 当 異 動 、 差 別 訴 訟 その 他 一 定 の 紛 争 については 裁 判 所 において 審 理 される。 裁
判 所 の 専 権 事 項 に 属 さない 紛 争 については、 当 該 会 社 において 労 働 紛 争 委 員 会 ( 任 意 機 関 )
が 設 置 される 場 合 は、 当 該 委 員 会 において 審 理 される。 同 委 員 会 が 設 置 されない 場 合 は、 当
該 紛 争 は 裁 判 所 にて 審 理 される。
< 集 団 労 使 紛 争 の 場 合 >
集 団 労 使 紛 争 は、それに 際 して 労 使 間 で 設 置 される 和 解 委 員 会 または、 労 使 間 で 合 意 された
仲 介 人 、または、 連 邦 労 働 ・ 雇 用 局 の 関 与 を 得 て 労 使 間 で 実 施 される 労 働 仲 裁 で 審 理 される。
雇 用 契 約 は 書 面 にて 締 結 する 義 務 がある。 雇 用 契 約 の 必 須 記 載 事 項 として、 勤 務 場 所 、 職
名 、 勤 務 開 始 日 、 賃 金 等 がある。
無 期 限 雇 用 契 約 と 期 限 付 雇 用 契 約 (5 年 まで)があるが、 後 者 の 締 結 は、 労 働 法 により 定 められ
た 場 合 ( 例 : 短 期 作 業 、 季 節 作 業 、 経 営 トップ 等 )にのみ 可 能 である。
労 働 法 第 60 章
労 働 法 第 61 章
連 邦 法 第 138-FZ 号 「 民 事 訴
訟 法 」(2002 年 11 月 14 日 付 ) 第
22 条
労 働 法 第 10 章
試 用 期 間
最 長 3ヶ 月 ( 経 営 トップ 等 については 最 長 6ヶ 月 )。 試 用 期 間 を 設 定 する 場 合 には、 雇 用 契 約 に
その 旨 明 記 する 必 要 がある。 妊 娠 中 および1 歳 半 以 下 の 子 供 がいる( 育 児 休 業 中 の) 女 性 等 に
ついては 試 用 期 間 を 設 けることができない。
労 働 法 第 70 条 及 び 第 71 条
雇
用
条
件
退 職
解 雇
定 年
被 雇 用 者 の 意 思 により 随 時 退 職 は 可 能 である。 一 般 的 には、 退 職 予 定 日 の2 週 間 前 までに 雇
用 主 に 対 して 書 面 で 通 告 を 行 わなければならないが、 一 定 の 職 種 並 びに 事 情 の 場 合 には、 特
別 な 事 前 通 告 期 限 が 適 用 される。 例 えば、 経 営 トップの 場 合 の 事 前 通 告 期 限 が1ヵ 月 前 までで
あり、 試 用 期 間 中 の 被 雇 用 者 の 場 合 は3 日 前 までである。
解 雇 ( 雇 用 主 の 意 思 による 雇 用 解 約 の 一 方 的 な 解 消 )は、 労 働 法 において 限 定 列 挙 された 理
由 によらなければならない。 例 えば、 当 該 理 由 としては 雇 用 主 である 法 人 の 解 散 、 人 員 削 減 、
被 雇 用 者 の 能 力 不 足 ( 特 別 手 続 による 鑑 定 が 必 要 )、 度 重 なる 労 働 義 務 の 不 履 行 、 労 働 義 務
の 重 大 な 違 反 (4 時 間 を 越 える 連 続 欠 勤 、 飲 酒 出 勤 等 ) 等 がある。ただし、 経 営 トップ 等 につい
ては、 特 に 上 記 理 由 がなくても、 解 雇 することは 可 能 である。
労 働 法 第 71 条 、 第 80 条 、 第
280 条
労 働 法 第 81 条 、 第 278 条
法 律 上 の 定 年 は、 年 金 の 支 給 を 受 ける 権 利 が 発 生 する 年 齢 であり、 男 女 それぞれ60 歳 と55 歳 連 邦 法 第 173-FZ 号 「ロシア 連
である。その 時 点 で 年 金 保 険 の 加 入 年 数 は5 年 を 下 回 っていてはならない。ただし、 年 金 受 給 邦 における 労 働 年 金 につい
者 の 解 雇 も、 労 働 法 に 限 定 列 挙 された 事 由 によらなければならないため、 一 定 年 齢 の 到 達 を 理 て」(2001 年 12 月 17 日 付 ) 第 7
由 にした 解 雇 は 認 められない。なお、 業 種 により、 早 期 定 年 の 規 定 がある。
条
労 働 組 合 ( 職 種 別 )への 加
入
労 働 組 合 への 加 入 は 自 由 である。 労 働 組 合 が 法 人 格 を 取 得 するためには、 設 立 に 際 して、 税
務 当 局 に 通 知 を 行 い、 当 該 通 知 が 登 記 されなければならない。 労 働 組 合 は、 被 雇 用 者 を 代 表
し、 使 用 者 側 と 団 体 交 渉 を 行 い、 労 使 協 定 を 締 結 する 等 の 権 利 を 有 する。
労 働 組 合 法 第 2 条 、 第 8 条 、 第
13 条 等
労
働
時
間
労 働 時 間
残 業 の 取 り 扱 い
法 定 労 働 時 間 は 週 40 時 間 以 下 である。ただし、 一 定 の 場 合 、 法 定 労 働 時 間 が 短 縮 される。 例
えば、 健 康 に 有 害 または 危 険 な 労 働 環 境 で 働 く 被 雇 用 者 の 労 働 時 間 は 週 36 時 間 以 下 である。
残 業 は 原 則 被 雇 用 者 の 合 意 を 得 て 行 わなければならないが、 事 故 予 防 や 災 害 処 理 のための
作 業 等 にかかる 残 業 については 被 雇 用 者 の 合 意 が 必 要 とされない。 残 業 時 間 は、 連 続 する2
日 間 で 計 4 時 間 、また、 年 間 120 時 間 を 超 えてはならない。
労 働 法 第 15 章
労 働 法 第 15 章
35 Copyright (C) 2013 JETRO. All rights reserved.