生命保険会社の商品・販売戦略と 生命再保険によるリスク管理
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生 命 保 険 会 社 の 商 品 ・ 販 売 戦 略 と 生 命 再 保 険 によるリスク 管 理<br />
7.2. パネルデータによる 回 帰 分 析<br />
表 7はパネルデータによる 回 帰 分 析 の 結 果 を 示 している。1 列 目 か<br />
ら3 列 目 までは、 ASSET と MUTUAL の2 変 数 を 含 んだ 場 合 の 結 果 、<br />
4 列 目 から6 列 目 は、 ASSET と MUTUAL の2 変 数 を 外 した 場 合 の<br />
結 果 をそれぞれ 示 している。なお、 全 てのモデルに 定 数 項 および 年 度<br />
ダミー 変 数 が 含 まれているが、 表 の 見 易 さの 観 点 から 省 略 している。<br />
また、パネルデータを 用 いる 分 析 としては、プーリング 回 帰 モデル<br />
( 通 常 のOLS)、 固 定 効 果 モデルと 変 量 効 果 モデルの3つモデルがあり、<br />
6.1 節 で 説 明 したとおり、 固 定 効 果 モデルと 変 量 効 果 モデルの 判 定 を 行<br />
う 場 合 には、Hausman 検 定 を 用 いる。 但 し、プーリング 回 帰 モデルと 固<br />
定 効 果 モデル、プーリング 回 帰 モデルと 変 量 効 果 モデルの 判 定 を 行 う<br />
場 合 には、それぞれ、F 検 定 およびBreusch and Pagan 検 定 を 行 うこ<br />
とになるので、 上 記 3つの 検 定 をすべて 実 施 した 結 果 、1 列 目 から8<br />
列 目 までの 全 てのモデルにおいてプーリング 回 帰 モデルが 採 用 された。<br />
したがって、 表 7で 示 されている 全 ての 結 果 は、Between-Effects 統<br />
計 量 ということになる。<br />
まず、HHI と ANNUITY に 関 しては、その 係 数 はともにプラスで<br />
あり、 全 てのモデルにおいて1%から5% 水 準 で 統 計 的 有 意 な 結 果 を<br />
示 している。すなわち、 他 の 条 件 を 所 与 として、 保 険 ポートフォリオ<br />
の 集 中 度 ( 分 散 化 の 程 度 )が 高 ( 低 )ければ 高 ( 低 )いほど、また、<br />
年 金 商 品 のシェアが 大 きければ 大 きいほど、 再 保 険 購 入 に 積 極 的 であ<br />
ることが、 強 く 確 認 できる。 前 者 に 関 しては、 様 々な 種 類 の 保 険 種 目<br />
を 取 り 扱 っている 生 保 会 社 ほど、 既 に 保 険 ポートフォリオ 内 部 での 分<br />
散 効 果 を 享 受 している 可 能 性 が 高 く、そのため、 再 保 険 購 入 に 消 極 的<br />
であることが 示 唆 される。 逆 に、 例 えば 個 人 年 金 など、 特 定 の 保 険 種<br />
目 に 偏 った 商 品 構 成 のもと 経 営 をしている 生 保 会 社 ほど、 保 険 ポート<br />
フォリオ 内 部 での 分 散 効 果 が 不 十 分 であるため、 積 極 的 な 出 再 による<br />
リスク 管 理 を 志 向 している 可 能 性 がある。また、 後 者 に 関 しては、 急<br />
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