2007 年の写真の進歩 - 日本写真学会
2007 年の写真の進歩 - 日本写真学会
2007 年の写真の進歩 - 日本写真学会
You also want an ePaper? Increase the reach of your titles
YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.
図 2 2000 年から <strong>2007</strong> 年までのカメラ総出荷台数推移(カメラ映像<br />
機器工業会統計資料より)<br />
この他,CIPA 統計で興味あるデータは図 4 に示すデジタル<br />
カメラ画素数別出荷比率である.1999 年からのデータである<br />
が,1 Mpを超えたコンパクトデジタルカメラの登場が 1998<br />
年から,2.8 Mp デジタル一眼の登場が 1999 年からであるか<br />
ら,統計開始時の画素数はコンパクトデジタルカメラの数値<br />
がほとんどであろう.ただ <strong>2007</strong> 年までの画素数変化は大幅<br />
な伸びを示しており,昨今では,コンパクト,一眼レフとも<br />
1,000 万画素超えは通常となってきており,業務用の中判カ<br />
メラ用撮像板を除けば,35 mm 判フルサイズでは 22 Mp 超え<br />
も登場しているので,今後どこまで画素数の増加は進むのだ<br />
ろうか.かつて 35 mm フィルムの情報量を画素数換算した場<br />
合に約 2,000 万画素とされたときがあるが,このあたりがひ<br />
とつの目途であろうか.ただ高画素化により,店頭処理では<br />
最も需要の多い L 判サイズプリントの作業効率の低下,一般<br />
家庭 PC では画像処理能力の不足などが懸念される.<br />
またカメラ側も,高画素化することにより,レンズ性能の<br />
向上を図らなくてはならないなどの問題が出てくる反面,カ<br />
メラ内の光学ローパスフィルターを省けることなどもあるた<br />
めに,カメラそのものの作り方が変わってくることも十分に<br />
考えられる.いずれにしても,フィルムとデジタルの相違点<br />
を改めて感じさせる部分だ.<br />
<strong>2007</strong> <strong>年の写真の進歩</strong> 131<br />
図 3 過去 50 年カメラ総出荷台数推移;デジタルカメラと銀塩カメ<br />
ラの対比(カメラ映像機器工業会統計資料より)<br />
図 4 デジタルカメラ画素数別出荷比率(カメラ映像機器工業会統計資料より)<br />
1.2.2 新製品<br />
①銀塩写真関連<br />
銀塩関連の新製品は極めて低調であった.フィルム,印画<br />
紙,カメラとも従来からのユーザーに向けた一般的な商品と,<br />
ニッチな市場に向けた高額もしくは逆に低価格なトイ的商品<br />
が目に付くようになったのが,ここ数年来の傾向だ.加えて<br />
この市場に向けた商品を扱う企業は,新規参入が多いが,そ<br />
の数は極めて限られている.<br />
〈銀塩フィルム・印画紙〉<br />
富士フイルムは,2005 年に発売されたカラーリバーサル<br />
フィルム「フジクロームフォルティア SP」を 135–36 枚撮り,<br />
120 サイズを各 10 万本ずつ 1 月 27 日から限定販売した.価<br />
格はオープンだが通常より 3 割ほど高く設定された.<br />
富士フイルムは,販売終了とした「フジクロームベルビア<br />
50 プロフェッショナル」を復活させ,4 月 15 日から発売し<br />
た.性能は従来品とほぼ同等で,ブローニー,シートが用意<br />
されている.<br />
ローライはドイツ・ハンブルグのフィルムメーカー MACO<br />
社と提携し,黒白フィルムの供給を開始.R3(ISO25 ~ 6400),<br />
IR400(赤外・ISO25),RETRO100(ISO100),RETRO400<br />
(ISO400),ORTHO25(ISO25),PAN25(ISO25)の 6 種で,