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RCE5年間の歩み - UNU-IAS - United Nations University

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真 を 描 くことから 始 まります。 多 くの 地 域 においては、 初 めから 全 地 域 住<br />

民 を 巻 き 込 んでRCEのデザインをすることは 現 実 的 ではありませんが、<br />

RCEが 大 学 や 地 方 公 共 団 体 など 中 核 機 関 だけのものになってしまい、<br />

地 域 住 民 に 浸 透 しないのでは 地 域 のイニシアティブとして 十 分 とは 言 え<br />

ません。RCE 運 営 委 員 会 ・ 協 議 会 は、どのように 住 民 参 加 型 で「 地 域 の<br />

知 識 ベース」を 発 展 させていくのか、 検 討 する 必 要 があります。<br />

図 1: RCE における 連 携<br />

国 連 大 学 RCEコンセプトの 基 礎 的 前 提<br />

もともとRCEは、1980 年 代 後 半 から 学 校 教 育 で 環 境 教 育 を 推 進 して<br />

いく 上 で 特 定 された 問 題 点 を 改 善 するために、2004 年 当 時 の 国 連<br />

大 学 の 学 長 とESDプログラムの 研 究 員 によって 考 案 された 方 策 でし<br />

た。その 問 題 点 とは、 最 新 の 科 学 技 術 の 知 識 が、 学 校 で 教 えられてい<br />

る 内 容 に 反 映 されていないというものでした。 科 学 者 と 教 育 者 の 間 の<br />

コミュニケーション・ギャップを 埋 める 必 要 性 の 認 識 が、2002 年 のヨ<br />

ハネスブルグ・サミットにおいて 署 名 された『 持 続 可 能 な 開 発 のため<br />

の 教 育 と 科 学 技 術 のためのウブントゥ 宣 言 』( 参 考 資 料 参 照 )の 根 本<br />

にあり、 初 期 の 国 連 大 学 高 等 研 究 所 ESDプログラムの 考 え 方 の 重<br />

要 な 基 礎 とりました。 3<br />

2004 年 に 発 表 された 当 初 のRCE 概 念 の 基 礎 的 前 提 となっていたの<br />

は、「 持 続 可 能 な 開 発 のための 世 界 的 な 学 習 の 場 (Global Learning<br />

Space)」を 構 築 するために、 出 来 る 限 り 多 くのアクター( 主 体 )、すなわち<br />

産 官 学 民 全 ての 社 会 セクター、 幼 稚 園 から 大 学 院 まで 全 てのレベルの<br />

フォーマル( 学 校 ) 教 育 とノンフォーマル( 学 校 外 ) 教 育 、あらゆる 年 齢<br />

層 の 学 習 者 をESDに 動 員 するという 考 え 方 でした。1992 年 のリオ 地 球<br />

サミット( 環 境 と 開 発 に 関 する 国 連 会 議 )から10 年 間 、ユネスコが 旗 振<br />

り 役 となりESDを 推 進 してきたものの、はかばかしい 成 果 が 上 がらなか<br />

った、というヨハネスブルグ・サミットでの 反 省 に 基 づき、 地 域 レベルの<br />

ESD 推 進 を 支 える 仕 組 みとしてRCEを 考 案 したと 言 うことができます。<br />

元 来 RCEコンセプトは、 高 等 教 育 も 含 めたフォーマル 教 育 の 経 験 から<br />

考 案 されたものでした。このことはRCE 活 動 をフォーマル 教 育 に 限 定 は<br />

しませんでしたが、RCEの 最 重 要 課 題 は、フォーマル 教 育 を 補 完 し 再 編<br />

成 することと 捉 えられていました。 当 初 RCEコンセプトは、フォーマル 教<br />

育 セクターにおけるタテとヨコのつながりの 強 化 を 強 調 しました。 初 期<br />

のRCEの 概 念 図 ( 図 1 参 照 )が 示 しているように、 科 学 館 、 植 物 園 、 自 然<br />

公 園 といったノンフォーマル 教 育 機 関 は、「 知 識 関 連 機 関 」として 特 別<br />

な 重 要 性 を 付 与 され、 地 方 公 共 団 体 、コミュニティ 指 導 者 、 地 元 企 業 、<br />

メディア、 地 元 NPO・NGOなどと 一 線 を 画 すものとして 提 示 されました。<br />

また、 図 1の 右 側 には 横 方 向 の 矢 印 がないことから 分 かるように、これ<br />

らのノンフォーマル 教 育 機 関 間 のヨコの 連 携 は 強 調 されず、ノンフォー<br />

マル 教 育 機 関 はフォーマル 教 育 機 関 に 側 面 的 支 援 を 与 えるとの 位 置<br />

づけでした。あくまで 中 心 はフォーマル 教 育 だったと 言 えます。<br />

出 典 : RCEコンセプトペーパー(<strong>UNU</strong> 2004 )<br />

RCEイニシアティブの 出 発 点 がフォーマル 教 育 だったということは、<br />

国 連 大 学 がノンフォーマル 教 育 におけるESDを 重 視 しないというこ<br />

とではなく、 逆 に、 環 境 教 育 が 学 校 外 教 育 では 市 民 権 を 得 てきてお<br />

り、フォーマル 教 育 にESDを 統 合 する 必 要 性 がより 強 く 意 識 された<br />

ことを 示 しています。また、 国 連 大 学 が 自 ら「 大 学 」として、 高 等 教 育 機<br />

関 が 教 育 ・ 研 究 ・ 地 域 貢 献 の 全 ての 分 野 で 持 続 可 能 な 社 会 の 構 築 に<br />

貢 献 することを 促 進 するイニシアティブとして、RCEを 構 想 したことに<br />

も 留 意 する 必 要 があります。<br />

当 初 RCEコンセプトは、「 知 識 」を、 主 に 研 究 機 関 の 専 門 家 がもっている<br />

科 学 的 知 識 と 同 一 視 しており、 4 教 育 者 は「 知 識 」を 受 け 取 る 側 に 置 か<br />

れ、NPO・NGOや 市 民 社 会 組 織 が 持 続 可 能 な 地 域 社 会 づくりに 専 門<br />

知 識 で 貢 献 することは 想 定 されていませんでした。さらに 言 えば、 当 初<br />

RCEはしばしば「ESDを 地 域 社 会 に 届 けるネットワーク」と 定 義 されて<br />

おり、 地 域 社 会 やコミュニティは 専 門 知 識 の 受 け 手 として 受 動 的 な 役<br />

割 しか 与 えられていなかったと 言 えます。RCEの 概 念 図 の 修 正 版 ( 図 2<br />

参 照 )では、 誰 もが 貢 献 できる 平 等 なマルチ・ステークホルダー 連 携 の<br />

プラットフォームとしてのRCEの 性 格 をより 強 く 打 ち 出 すようにしています。<br />

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