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RCE5年間の歩み - UNU-IAS - United Nations University

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SCPの 実 践<br />

「 事 業 資 本 共 有 プロジェクト」は、レジャイナ 大 学 ルーテルカレッジ、<br />

同 大 学 コンピュータサイエンス 学 部 、および 持 続 可 能 な 学 習 に 関 す<br />

るCraik(クレイク)プロジェクトの 支 援 を 受 け、RCE Saskatchewan<br />

(サスカチュワン)が 中 心 となって 実 施 する 応 用 研 究 プロジェクト<br />

です。プロジェクトでは、 地 域 の 人 々や 組 織 が、 機 械 や 機 器 類 、 建 物 な<br />

どの 生 産 資 本 を 自 発 的 に 提 供 し、ソフトウェアを 使 って 資 産 の 追 跡 を<br />

行 います。プロジェクト 参 加 者 は、 消 費 ・ 生 産 システムにおける 自 分 の<br />

立 場 や、 地 域 社 会 におけるサービス 供 給 の 機 会 について 学 びます。<br />

RCE Skåne(スコーネ)では、マルメ 市 の 自 治 体 パートナーが 持 続 可<br />

能 な 食 料 システムに 関 する 知 識 を 身 につけることを 目 的 としたプロジ<br />

ェクトが 推 し 進 められました。マルメ 市 は、スウェーデン 国 内 で 最 初<br />

にフェアトレードの 認 定 を 受 けた 自 治 体 です。プロジェクトは、 学 校 で<br />

の 食 事 にオーガニックフードを 多 く 採 り 入 れるという 目 標 の 下 に 展 開<br />

されました。このプロジェクトでは、 市 自 治 体 、 食 料 供 給 者 、 学 校 の 三<br />

者 が 新 しいオーガニックフード・サプライチェーンの 構 築 にとり 組 む<br />

一 方 、 保 護 者 や 生 徒 は、このプロジェクト 用 に 作 られた 教 材 を 使 って<br />

SCPや 家 庭 での 食 事 について 学 びました。また、 食 べ 物 と 持 続 可 能 性<br />

をテーマとする、 教 師 を 対 象 とした 会 議 や 研 修 も 行 われました。フェア<br />

トレード 都 市 として 認 定 される 過 程 で、マルメ 市 はSCPのための 活 動<br />

や 学 習 にさまざまなレベルで 貢 献 しました。<br />

経 済 的 貧 困 地 域 のニーズに 応 えるSCPシステムを 作 ろうと 努 力 する<br />

RCE Penang(ペナン)は、マレーシア 科 学 大 学 (USM)と 地 元 の 農 村<br />

を 結 ぶプロジェクトを 立 ち 上 げました。USMが 土 壌 生 物 を 豊 富 に 含<br />

む 土 壌 を 作 る 技 術 を 開 発 し、 地 域 社 会 がこれを 実 行 に 移 すことで、 農<br />

村 の 土 地 生 産 力 は 飛 躍 的 に 増 大 しました。<br />

RCEは、それぞれ 地 域 の 課 題 を 採 り 上 げるだけでなく、RCEの 会<br />

報 記 事 や 学 術 論 文 、RCE 国 際 会 議 を 含 む 種 々の 国 際 会 議 でのデ<br />

ィスカッションを 通 して、それぞれの 実 践 活 動 について 情 報 交 換 を<br />

行 っています。 言 うまでもなく、こうした 情 報 交 換 からRCE 間 でのプ<br />

ロジェクトやアクションプランが 生 まれることもあります。 最 近 であ<br />

れば、ヨーロッパ、アジア、 北 米 、 南 米 の12のRCEが 協 力 して、 複 数<br />

の 新 しい 教 育 アプローチの 併 用 によりSCPの 概 念 を 効 果 的 に 実 践<br />

する 方 法 の 分 析 を 試 みる、「 持 続 可 能 な 開 発 のための 教 育 地 域 と<br />

世 界 の 生 産 システムに 関 する 地 域 ベースの 研 究 」(Education for<br />

Sustainable Development Community-Based-Research on<br />

Local-International Production Systems:ESD-CLIPS)という<br />

プロジェクトが 作 られました。100 万 ユーロ 規 模 のこの 国 際 ESD 研 究<br />

プロジェクトでは、「 持 続 可 能 な 生 産 と 消 費 」と「 食 」を 切 り 口 とした 中<br />

等 教 育 レベルのESD 実 践 モデル 構 築 を 目 指 します。 具 体 的 には、 欧<br />

州 連 合 (EU)の6RCE 関 連 機 関 (ユネスコ・チェアを 含 む)、 国 際 協 力<br />

パートナー 国 (International Cooperation Partner Countries:<br />

ICPC)の4RCE、EUには 属 さない 先 進 国 の2RCEおよび 国 連 大 学<br />

高 等 研 究 所 がEUの 行 政 執 行 機 関 である 欧 州 委 員 会 (European<br />

Commission、EC)の 研 究 総 局 に 共 同 提 出 したプロジェクトです。<br />

ププロジェクトの 対 象 は、13 歳 から18 歳 までの 生 徒 ならびに 中 等 教<br />

育 学 校 の 教 員 で、 実 践 参 加 校 の 生 徒 は、 地 域 での 視 察 ・ 調 査 ・ 取 材 な<br />

どを 通 じて 特 定 の 穀 物 ( 具 体 的 には 米 、 大 豆 、 小 麦 )の 生 産 と 消 費 に<br />

関 するケース・スタディを 書 きます。このプロジェクトについては2010<br />

年 4 月 現 在 、EUと 交 渉 が 行 われています。<br />

今 後 の 展 望<br />

SCPというテーマは、 健 康 や 伝 統 的 知 識 のテーマ 領 域 と 密 接 に 結 び<br />

ついています。SCPが、 持 続 可 能 な 開 発 に 関 する 先 進 国 の 考 え 方 と 共<br />

鳴 する 部 分 が 多 いとすれば、 健 康 と 伝 統 医 療 のテーマは、 途 上 国 に<br />

おける 持 続 可 能 な 暮 らしにより 重 点 を 置 いています。これらテーマ 間<br />

の 相 互 作 用 によって、 今 後 RCEは、SCPと 地 域 社 会 における 暮 らしと<br />

いう 複 雑 な 問 題 により 一 貫 した 方 法 で 対 処 し、 先 進 国 と 途 上 国 の 考<br />

え 方 やニーズの 差 異 を 調 整 できるようになると 期 待 されます。<br />

参 考 文 献<br />

UNESCO (2009). Review of Contexts and Structures for<br />

Education for Sustainable Development: Learning for a<br />

Sustainable World (Prepared by Arjen Wals), Paris: UNESCO.<br />

WHO (2010). World Summit on Sustainable Development.<br />

オンライン:http://www.who.int/wssd/en/<br />

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