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RCE5年間の歩み - UNU-IAS - United Nations University

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北 中 米 地 域 におけるRCE 発 展 の 歴 史<br />

2010 年 1 月 現 在 、 北 中 米 地 域 には 既 に 認 定 された8つのRCEが 存 在<br />

します。カナダなど、 国 連 が 非 常 に 高 く 評 価 されている 地 域 ではRCE<br />

の 概 念 は 比 較 的 容 易 に 発 展 し、また、ESDに 取 り 組 む 既 存 の 関 係 や<br />

ネットワークの 上 にRCEが 作 られた 地 域 でも、RCEは 比 較 的 容 易 に<br />

根 づきました。<br />

北 中 米 大 陸 では、 国 レベルの 政 府 が 重 要 な 役 割 を 果 たしてきました。カ<br />

ナダ 環 境 省 はこれまでに、DESDに 対 して100 万 カナダドル 以 上 の 資 金<br />

提 供 を 行 っています。また、ESDプロジェクトの 文 書 化 や 指 標 の 作 成 を<br />

率 先 して 行 っているだけでなく、モントリオールとハリファックスで2つの<br />

スコーピングを 実 施 し、RCEの 設 立 が 現 実 に 可 能 か 否 かを 検 討 しまし<br />

た。その 結 果 作 られたのがRCE Montreal(モントリオール)です。<br />

州 政 府 も 一 定 の 役 割 を 果 たしています。RCE Saskatchewan(サスカ<br />

チュワン)(カナダ)は、 最 初 の2 年 間 は 主 にパートナーである 高 等 教 育<br />

機 関 ( 当 初 はレジャイナ 大 学 の 持 続 可 能 なキャンパスグループ)が 中 心<br />

となって 活 動 を 行 っていましたが、その 主 要 な 活 動 はサスカチュワン 州<br />

政 府 環 境 省 からの 助 成 金 によって 主 に 賄 われていました。RCEサスカ<br />

チュワンやRCE British Columbia (North Cascades)[ブリティッシュ・<br />

コロンビア(ノースカスケード)]など、 一 部 のカナダのRCEは、カナダの<br />

NPO「 持 続 可 能 な 未 来 のための 学 習 」(LSF)の 傘 下 で 活 動 を 行 う 州<br />

のESD 活 動 グループにも 属 しており、そのことがRCEに 有 益 な 効 果 を<br />

もたらしています。<br />

市 政 府 と 地 元 のパートナーもRCE 形 成 に 重 要 な 役 割 を 果 たしてい<br />

ます。たとえば、ミシガン 州 グランドラピッズ 市 はRCE Grand Rapids<br />

(グランド・ラピッズ)を 設 立 する 際 の 重 要 なパートナーでした。 同 様<br />

に、グレーター・サドベリー 市 は「 健 全 なコミュニティ 内 閣 (Healthy<br />

Community Cabinet)」を 組 織 することで、RCE Greater Sudbury<br />

(サドベリー 広 域 圏 ) 設 立 に 重 要 な 指 導 的 役 割 を 果 たしました。<br />

「 健 全 なコミュニティ 内 閣 」とその 組 織 メンバーは、 今 もRCEサド<br />

ベリー 広 域 圏 の 統 轄 機 構 の 礎 となっています。 同 じく、モントリオー<br />

ル 市 は、2007~2009 年 期 の 持 続 可 能 な 開 発 のための 第 一 次 戦<br />

略 プランにおいてRCEモントリオールの 設 立 を 目 標 のひとつに 掲<br />

げ、リーダー 的 な 役 割 を 果 たしました。また、 大 学 間 のリーダーシッ<br />

プもRCE 設 立 の 一 助 となりました。RCE Western Jalisco( 西 ハ<br />

リスコ)(メキシコ)の 土 台 となったのは、 既 存 の 複 数 の 研 究 組 織 と<br />

地 域 社 会 に 広 がるそのネットワーク、 特 にマナントラン 生 態 学 ・ 生<br />

物 多 様 性 保 持 研 究 所 (Manantlan Institute of Ecology and<br />

Conservation of Biodiversity: IMECBIO)と、グアダラハラ 大 学<br />

サウスコーストキャンパスにある 沿 岸 地 域 の 持 続 可 能 な 開 発 に 関 する<br />

研 究 部 門 (<strong>University</strong> of Guadalajara’s South Coast Campus’s<br />

Department for the Study of Coastal Zone Sustainable<br />

Development: DEDSZC)です。これらの 組 織 は、この 地 域 の 自 治 体<br />

で 構 成 される 共 同 グループと 協 力 して 活 動 を 行 っています。<br />

© Crystal Stinson/RCE Saskatchewan<br />

サスカチュワン 州 クレイクで 行 われたRCE Saskatchewan<br />

(サスカチュワン)の 案 内 板 除 幕 式<br />

北 中 米 地 域 に<br />

おけるRCEは、<br />

地 理 的 にも、<br />

言 葉 の 上 でも、<br />

また 組 織 的 にも<br />

きわめて 困 難 な 課 題 を<br />

乗 り 越 えて 発 展<br />

してきました。<br />

© D.Weisbrot/RCE Saskatchewan<br />

2008 年 RCEアメリカ 会 議 の 際 に 実 施 されたネイティブプレーリーの 調 査<br />

るニーズです。 北 中 米 地 域 では、 共 通 の 問 題 をめぐる 情 報 や 資 源 の<br />

共 有 が 現 実 的 な 動 機 づけとなっているほか、RCE 間 の 地 理 的 距 離 が<br />

大 きいことも、 大 陸 規 模 での 意 図 的 な 協 力 の 必 要 性 を 高 めています。<br />

共 通 の 問 題 には、ESDトレーニングプログラムに 関 する 共 同 作 業 の 必<br />

要 性 、RCE 間 の 交 流 の 必 要 性 があり、さらに、RCEへの 若 者 の 関 与 を<br />

推 進 すること、 生 物 多 様 性 、 持 続 可 能 性 のための 実 践 共 同 体 の 形 成<br />

( 社 会 学 習 )などが、 重 要 な 具 体 的 テーマとして 挙 げられています。 北<br />

中 米 大 陸 は 言 語 的 に 多 様 であるため、 資 源 を 動 員 して 翻 訳 し、そうし<br />

た 資 源 の 共 有 手 段 (e-ラーニングなど)を 開 発 することが 優 先 課 題 の<br />

ひとつとなっています。<br />

大 陸 としてのアイデンティティ<br />

北 中 米 地 域 の 大 陸 としてのRCEネットワークのアイデンティティは、 共<br />

通 の 言 語 や 文 化 、 組 織 的 枠 組 みなどからではなく、 共 通 のニーズから<br />

生 まれたものです。 共 通 のニーズとは、 大 陸 規 模 のネットワークに 対 す<br />

RCEの 価 値 は 広 く 認 識 されていますが、 全 体 として 北 中 米 地 域 の<br />

RCEには 活 動 資 源 が 不 足 しています。したがって、 大 陸 としてのアイデ<br />

ンティティを 形 成 することで 地 域 間 のネットワーク 化 が 可 能 になれば、<br />

こうした 資 源 不 足 が 相 殺 され、 総 体 的 な 資 源 強 化 の 手 段 となります。<br />

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