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心臓血管疾患における遺伝学的検査と遺伝カウ ... - 日本循環器学会

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心 臓 血 管 疾 患 における 遺 伝 学 的 検 査 と 遺 伝 カウンセリングに 関 するガイドライン制 限 (90%), 脊 椎 前 彎 , 側 彎 が 認 められる. 身 長 は,乳 児 から 幼 児 期 は 低 いがキャッチアップし, 平 均 の 最 終身 長 は-2SD 程 度 となる. 骨 年 齢 は 標 準 的 .全 年 齢 を 通 じてビタミンDを 含 む 総 合 ビタミン 剤 の投 与 には 注 意 が 必 要 である.また, 麻 酔 中 の 突 然 死 の 報告 があり, 心 臓 カテーテル 検 査 や 外 科 手 術 に 際 しては,注 意 を 要 する. 乳 児 期 から 聴 覚 , 視 覚 の 試 験 を 随 時 行 い,言 語 療 法 等 のサポートを 行 う. 不 明 熱 の 際 には 尿 路 感 染症 の 可 能 性 が 常 にある.本 症 候 群 は 年 齢 を 通 じて 症 状 の 進 行 を 認 める 疾 患 であり, 加 齢 により 特 に 精 神 神 経 面 の 問 題 , 高 血 圧 が 顕 著 になる.これらの 症 状 に 対 し, 医 療 的 , 社 会 的 介 入 が 必 要である.3 Down 症 候 群1 疾 患 概 念21 番 染 色 体 の 過 剰 [21トリソミー]に 基 づく, 先 天異 常 症 候 群 .2 発 生 頻 度出 生 児 のなかで, 最 も 発 生 頻 度 が 高 い 染 色 体 異 常 であり, 一 般 頻 度 は1,000 人 に1 人 . 男 女 比 は3:2. 出 産 時の 母 体 平 均 年 齢 は 高 く(34 歳 ), 発 生 頻 度 は 母 体 年 齢 とと も に 増 加 し,35 歳 以 上 :300 人 に1 人 ,40 歳 以 上 :100 人 に1 人 ,45 歳 以 上 :45 人 に1 人 .3 遺 伝 的 原 因21 番 染 色 体 ( 責 任 領 域 21q22.3)トリソミー4 染 色 体 核 型 と 発 生 原 因1 ) 標 準 型 21ト リ ソ ミ ー[47, XY, +21ま た は47,XX, +21]:92.5%孤 発 例 が 多 い. 母 体 年 齢 の 影 響 が 大 きい.トリソミーの 形 成 は 染 色 体 不 分 離 による( 母 由 来 ; 第 1 減 数 分 裂 70%, 第 2 減 数 分 裂 20%, 父 由 来 ; 第 1 減 数 分 裂 5%, 第 2減 数 分 裂 5%)2)モザイク[46, XY/47, XY, +21または46, XX/47,XX, +21]:2.5%孤 発 例 が 多 い.トリソミーの 形 成 は,トリソミー 細 胞中 の 染 色 体 脱 落 か, 体 細 胞 分 裂 の 異 常 による. 表 現 形 は修 飾 される( 例 えば, 正 常 /トリソミー21モザイクでは脳 細 胞 中 の 正 常 細 胞 の 割 合 に 比 例 してIQ が 高 くなる).3 ) 転 座 型 [t(Dq;21q)または t(21q;Gq)]:5%孤 発 例 もしくは 両 親 のどちらかが 転 座 保 因 者 . 過 剰 な21 番 染 色 体 はグループD(13,14,15) 染 色 体 もしくはグループG(21,22) 染 色 体 に 転 座 (Robertson 型 転 座 )している 頻 度 が 高 い.4 ) 部 分 21トリソミー:まれ21q22.3 領 域 のトリソミー5 再 発 率 と 保 因 者 診 断1 ) 発 症 者 が 非 転 座 型 の 場 合両 親 が 保 因 者 である 確 率 は 極 めて 低 く, 原 則 として 両親 の 染 色 体 分 析 ( 保 因 者 診 断 )は 必 要 ない. 例 外 は, 同胞 が Down 症 候 群 に 罹 患 している, 親 がこの 疾 患 の 部 分症 状 をもつ(モザイク 型 の 可 能 性 ) 等 の 特 別 な 場 合 である. 再 発 率 には 母 体 年 齢 の 影 響 が 大 きい. 再 発 率 の 観 察値 は1~2%である.2 ) 発 症 者 が 転 座 型 の 場 合両 親 のいずれかが 転 座 保 因 者 である 可 能 性 があり, 再発 率 を 予 測 する 上 で, 染 色 体 検 査 がすすめられる.1 発 症 者 の 核 型 が t(Dq;21q)の 場 合約 50%の 症 例 では, 両 親 のいずれかが 外 見 正 常 な t(Dq;21q) 保 因 者 であり, 残 りの 半 数 は 孤 発 性 ( 再 発 率は 非 転 座 型 と 同 様 )である. 両 親 のいずれかが 保 因 者 である 場 合 , 正 常 : 外 見 上 正 常 な 保 因 者 : 転 座 型 Down 症候 群 が 出 生 する 確 率 は 理 論 上 1:1:1であるが, 再 発 率の 実 際 の 観 察 値 は, 母 が 保 因 者 である 場 合 :15%, 父が 保 因 者 である 場 合 :5%,と 異 なる.2 発 端 者 の 核 型 が t(21q;22q)の 場 合約 90% が 孤 発 性 ( 再 発 率 は 非 転 座 型 と 同 様 ), 約 10% で 両 親 のいずれかが 外 見 上 正 常 な 保 因 者 である. 再発 率 の 理 論 値 は t(Dq;21q)と 同 様 , 観 察 値 は 母 が 保 因者 である 場 合 :10%, 父 が 保 因 者 である 場 合 : 極 めて低 いと 考 えられる( 十 分 なデータなし).3 発 端 者 の 核 型 がt(21q;21q)の 場 合両 親 のいずれかが 保 因 者 である 確 率 は3% 以 下 .ただし, 保 因 者 からは 正 常 な 子 が 生 まれる 可 能 性 はない( 再発 率 100%).6 出 生 前 診 断(1) 第 1 子 が Down 症 候 群 で30 歳 以 上 の 妊 娠 の 場 合 , 十分 なカウンセリングを 行 った 後 , 羊 水 検 査 が 考 慮 される.(2) 高 齢 妊 娠 (35 歳 以 上 とするのが 一 般 的 )は, 出 生17

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