2-STD-B21v5_5

ARIB STD-B21
まり 変 わらないこと
この 要 求 条 件 に 基 づき、 全 体 係 数 a=1/√2 と 規 定 したことにより、マルチチャンネルステレオ
音 声 番 組 をダウンミックス 処 理 して 生 成 したステレオ 音 声 の 聴 取 レベルの 低 下 は 3dB となる。こ
れは 上 述 の MPEG-2 AAC 規 格 のダウンミックス 音 声 信 号 の 計 算 式 に 比 べれば 音 量 差 が 小 さくな
る 方 向 であり、 当 時 の 結 論 として、この 音 量 差 は 許 容 範 囲 であるとしていた。
●5.3 版 における 全 体 係 数 a 撤 廃 の 経 緯 および 基 本 方 針
上 述 の 通 り、 旧 規 定 策 定 時 においては 全 体 係 数 a=1/√2 によるダウンミックスステレオ 音 声 の
聴 取 レベルの 低 下 は 許 容 範 囲 とされたが、 一 方 、 当 時 は 音 声 レベルに 関 する 運 用 ガイドラインが
存 在 しなかったこともあり、 番 組 制 作 側 でステレオ 受 信 機 における 聴 取 レベルの 3dB 低 下 が 許 容
されない 場 合 もあったため、 全 体 係 数 a の 存 在 が 結 果 的 にマルチチャンネルステレオ 番 組 の 音 声
レベルを 揃 えられない 一 つの 要 因 となっていた。
全 体 係 数 a の 見 直 しの 直 接 の 契 機 は、「デジタルテレビ 放 送 番 組 におけるラウドネス 運 用 規 定 」
(ARIB TR-B32、 平 成 23 年 3 月 1.0 版 策 定 )の 策 定 である。
ARIB 技 術 資 料 TR-B32 は、 人 の 感 じる 音 の 大 きさ(ラウドネス)の 測 定 方 法 等 が ITU-R より
勧 告 されたことを 受 けて、デジタルテレビ 放 送 におけるラウドネスの 運 用 基 準 と 最 大 許 容 ピーク
レベルの 技 術 要 件 を 取 りまとめたものである。この 技 術 資 料 では、ITU-R 勧 告 BS.1770 Annex 1
に 準 拠 し 測 定 される 番 組 の 平 均 ラウドネス 値 の 目 標 値 (ターゲットラウドネス 値 )を-24LKFS、
ITU-R 勧 告 BS.1770 Annex 2 に 準 拠 し 測 定 されるトゥルーピークの 最 大 許 容 値 を-1dBTP として
いる。
上 述 の ITU-R 勧 告 および ARIB 技 術 資 料 は、2 チャンネルステレオ、マルチチャンネルステレ
オにかかわらず 同 一 の 規 定 を 目 指 している。また、デジタルテレビ 放 送 において、この 技 術 資 料
に 基 づく 運 用 が 行 われた 場 合 、 全 体 として 音 声 レベルが 下 がる 方 向 となり、オーバーフロー 対 策
としての 全 体 係 数 a を 撤 廃 しても 基 本 的 に 問 題 はないことが 期 待 される。そのため、 平 成 23 年
に 全 体 係 数 a の 見 直 しに 関 する 問 題 提 起 があり、 検 討 の 結 果 、 全 体 係 数 a を 撤 廃 した 方 が 番 組 間
において 音 の 大 きさが 揃 い、より 良 い 視 聴 環 境 が 実 現 するとの 結 論 となり、 本 標 準 規 格 5.3 版 に
おいて 改 定 が 行 われた。
本 標 準 規 格 の 改 定 にあたっての 基 本 方 針 は 以 下 の 通 りである。
(1) ダウンミックス 全 体 係 数 a を 撤 廃 する。
(2) ダウンミックスに 伴 うオーバーフロー 対 策 については、 制 作 ・ 送 出 側 、 受 信 側 双 方 に 対 して
注 意 喚 起 を 行 うことで 対 応 する
本 改 定 によって、デジタル 放 送 の 制 作 ・ 送 出 側 、デジタル 放 送 受 信 装 置 側 の 双 方 において 統 一
的 な 音 声 レベルの 運 用 の 推 進 が 期 待 される。
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