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レス 鋼 板 に 比 べて5 倍 程 度 速 い 溶 接 速 度 でよいとわかる.<br />
表 2のレーザ 吸 収 率 ではマグネシウムは 鉄 の 半 分 程 の<br />
吸 収 率 であったが,マグネシウム 合 金 はステンレス 鋼 よ<br />
りも 高 速 で 溶 接 が 可 能 であることがわかった.<br />
いる. 後 半 の 酸 化 被 膜 を 除 去 していない 区 間 では, 溶 接<br />
ビードが 形 成 できていない.わずかに 板 の 表 面 の 一 部 と,<br />
ルート 面 が 若 干 溶 融 しただけである.レーザ 出 力 は 一 定<br />
のまま, 一 定 速 度 で 溶 接 を 行 っているわけであるから,<br />
この 差 異 は 酸 化 被 膜 の 有 無 が 原 因 にほかならない.<br />
酸 化 被 膜 を 除 去 していない 部 位 に 照 射 されたレーザは<br />
一 部 が 材 料 に 吸 収 されるが, 材 料 を 溶 融 させる 程 では 無<br />
い. 大 部 分 は 反 射 し 空 間 中 に 拡 散 していったと 考 えられ<br />
る. 酸 化 被 膜 の 除 去 はレーザ 溶 接 に 際 して 重 要 なことが<br />
わかる.<br />
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アルミニウム 合 金 のレーザ 溶 接 では 母 材 に 比 べて 融 点<br />
の 高 い 酸 化 被 膜 が 溶 接 を 阻 害 する.またアーク 溶 接 にお<br />
いても 溶 接 欠 陥 を 発 生 させる 原 因 となる.マグネシウム<br />
合 金 の 表 面 に 存 在 する 酸 化 被 膜 も 同 様 に,レーザ 溶 接 に<br />
とって 有 害 である.しかし, 実 際 に 酸 化 被 膜 を 除 去 しな<br />
い 状 態 でレーザ 溶 接 を 行 った 例 は 少 ない.ここでは 引 き<br />
続 き 前 節 の 半 導 体 レーザを 用 いて,マグネシウム 合 金 表<br />
面 の 酸 化 被 膜 を 除 去 した 場 合 としない 場 合 でどのような<br />
結 果 となるかを 確 認 した.<br />
継 手 形 態 は 突 合 せとして, 溶 接 予 定 線 の 前 半 は 酸 化 被<br />
膜 をワイヤブラシにより 除 去 し, 後 半 は 材 料 のままとし<br />
た. 板 厚 は3mmである. 溶 接 条 件 はレーザ 出 力 3kW,<br />
溶 接 速 度 5.0m/min,ノズル 径 φ4である. 図 1によると 約<br />
3mmの 溶 込 みが 得 られる 条 件 である.<br />
図 3は 厚 さ3mmの 板 を 突 合 せ 溶 接 ( 裏 当 て 有 り)した<br />
断 面 マクロ 写 真 である.レーザ 装 置 は 半 導 体 レーザであ<br />
る. 第 3 章 で 述 べたようにマグネシウム 合 金 はステンレ<br />
ス 鋼 に 比 べて 高 速 で 溶 接 することが 可 能 である.その 反<br />
面 , 突 合 せ 溶 接 では 裏 波 や 一 部 母 材 の 蒸 発 等 により,ビ<br />
ード 表 面 が 落 ち 込 みやすい.<br />
溶 込 みは 裏 当 て 板 にまで 達 しており 十 分 であるが,ビ<br />
ード 表 面 に 若 干 のアンダカットが 発 生 している.このア<br />
ンダカットを 低 減 する 方 法 としては 溶 接 条 件 や 光 学 系 ,<br />
またはワイヤの 添 加 が 考 えられる.<br />
ここではワイヤを 添 加 する 方 法 について 述 べる.ワイヤ<br />
を 添 加 する 方 法 にも 種 々ある.レーザによる 溶 融 池 に 対<br />
して 常 温 のワイヤを 送 給 する 方 法 ,ワイヤに 電 流 を 流 し<br />
ジュール 発 熱 により 融 点 直 下 まで 加 熱 し, 送 給 するホッ<br />
トワイヤという 方 法 ,またはレーザとアークを 併 用 した<br />
レーザアークハイブリッド 等 である.<br />
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レーザは 紙 面 右 から 左 に 向 かって 進 行 している. 初 め<br />
に 酸 化 被 膜 を 除 去 した 区 間 を 通 過 する.ここでは 溶 接 ビ<br />
ードが 形 成 されビード 止 端 の 周 囲 にヒュームが 付 着 して<br />
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総 合 車 両 製 作 所 技 報<br />
第 5 号<br />
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