非 接 触 式 車 体 通 り 測 定 機 構 の 開 発 くてもフレキシブルに 対 応 できるが, 今 回 の 開 発 品 では 測 定 箇 所 間 距 離 やその 位 置 に 応 じた 補 正 値 を 新 たに 設 定 する 必 要 が 生 じる.この 間 ,ピアノ 線 を 不 要 とする 通 り 測 定 についてさまざまな 方 法 を 検 討 してきたが, 長 年 続 けられている 方 法 よりもさらに 優 れた 方 法 を 見 いだすと いうのは 容 易 なものではないと 実 感 した.・ しかし 本 開 発 により, 測 定 器 を 直 線 移 動 させながら 対 象 物 までの 距 離 を 測 定 することで, 演 算 によって 通 りを 求 められると 実 証 できたことは, 新 たな 測 定 方 法 確 立 に 向 けて 前 進 したものと 言 える.さらに, 車 体 の 通 りに 限 らず,そのほかの 歪 み 測 定 にも 活 用 できるものであり, 今 後 さらなる 発 展 の 可 能 性 をもっているものと 考 える. 磯 部 光 一 生 産 本 部 新 津 製 造 部 構 体 課 係 長 金 子 貴 史 生 産 本 部 技 術 部 ( 技 術 管 理 ) 新 津 技 術 管 理 ・ 85 2016 年 12 月
当 社 では2014 年 2 月 に 自 動 塗 装 設 備 を 導 入 し, 全 塗 装 車 体 への 適 用 ・ 運 用 を 開 始 した. 多 くの 試 行 錯 誤 を 経 て 現 在 に 至 るが, 手 作 業 による 従 来 の 塗 装 工 法 と 比 較 し, 様 々な 面 で 良 好 な 結 果 を 得 るこ とができた. 本 稿 では, 当 社 における 自 動 塗 装 設 備 の 概 要 と, 塗 装 品 質 を 左 右 する 塗 装 条 件 選 定 に 関 し,これまで 検 討 して きた 塗 装 試 験 の 事 例 を 交 え, 塗 装 品 質 向 上 に 向 けた 当 社 の 取 り 組 みを 紹 介 する.・ 自 動 塗 装 設 備 は, 静 電 塗 装 装 置 とベル 回 転 霧 化 式 塗 装 ガン( 以 下 , 塗 装 ガン)( 図 1)をアーム 先 端 に 装 着 した 内 圧 防 爆 構 造 多 関 節 ロボット( 以 下 ,ロボット)( 図 3), それらを 移 動 させる 搬 送 台 車 , 主 制 御 装 置 ,その 他 補 機 類 で 構 成 されている. 同 じ 構 成 の 設 備 が2 組 あり, 被 塗 物 である 鉄 道 車 両 車 体 の 両 側 , 妻 構 体 の 他 ,1-3 位 ,2-4 位 の 側 構 体 を 同 時 に 塗 装 が 可 能 である. これらロボットに 関 するティーチングプログラムの 他 , 周 辺 機 器 の 動 作 プログラムを 統 合 し,マスタプログ ラムとして 一 連 の 塗 装 工 程 を 教 示 する.これにより, 同 一 色 であれば 一 時 停 止 や 作 業 者 の 介 在 なくプログラムさ れた 塗 装 作 業 が 完 了 する. また,プッシュプル 型 塗 装 ブースとも 連 携 し, 複 雑 な 操 作 を 必 要 とせず, 一 連 の 工 程 を 自 動 で 完 了 できる. プッシュプル 型 塗 装 ブースには 乾 燥 機 能 も 備 わってお り, 塗 装 後 ,ただちに 乾 燥 することにより, 時 間 短 縮 , ならびに 品 質 の 安 定 に 寄 与 している. ロボットは, 被 塗 物 の3Dデータを 用 いることにより オフラインでのティーチング, 各 種 のシミュレーション, 動 作 確 認 も 可 能 である. 実 際 のロボットアームが 被 塗 物 へアプローチする 動 作 や 塗 装 軌 跡 , 曲 面 に 対 する 微 調 整 ・ 補 正 等 , 最 終 的 な 調 整 ・ 動 作 確 認 は 実 車 を 用 いてオペレ ータが 行 っている( 図 2). 静 電 塗 装 とは, 被 塗 物 をプラス 極 (アース 状 態 )に 保 ち, 塗 装 機 をマイナス 極 とし, 塗 装 機 に 高 電 圧 を 供 給 し て 両 極 間 に 静 電 界 を 形 成 し, 霧 化 した 塗 料 粒 子 にマイナ スの 電 荷 を 与 えることによって, 塗 料 粒 子 を 被 塗 物 に 塗 着 させる 塗 装 技 術 である. この 塗 装 方 式 では, 被 塗 物 に 対 し 塗 料 を 吹 き 付 ける 正 面 だけでなく, 側 面 あるいは 背 面 まで 回 りこんで 塗 着 す る 現 象 を 利 用 できるため, 複 雑 形 状 に 対 し,ロボットと 組 合 せることにより, 一 定 方 向 , 速 度 で 動 作 させること ができるため, 手 作 業 を 上 回 る 仕 上 りが 期 待 できる 自 動 塗 装 に 適 した 方 式 である. 総 合 車 両 製 作 所 技 報 第 5 号 86