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国 内 と 海 外 の 溶 接 技 術 検 定 の 比 較 検 討<br />
加 材 のほかに, 別 の 種 類 の 溶 加 材 を 承 認 する 場 合 がある.<br />
JIS・Z・3841は 半 自 動 溶 接 に 関 する 規 格 のため 溶 接 ワイ<br />
ヤは 必 ず 使 用 する.ティグ 溶 接 に 関 する 規 格 はJIS・Z・<br />
3801であるが, <strong>特</strong> に 溶 加 材 の 使 用 の 有 無 については 規 定<br />
していない.<br />
<br />
ISO 規 格 は, 突 合 せではその 承 認 範 囲 に 関 して3 種 類<br />
の 板 厚 区 分 がある. 試 験 に 用 いる 材 料 の 板 厚 については<br />
受 験 者 が 自 由 に 選 択 できる. 板 厚 に 対 する 承 認 範 囲 は,<br />
突 合 せの 場 合 は 溶 接 金 属 の 厚 さs[mm]により,3・mm 未<br />
満 はs ~ 3,2sの 大 きいほう,3・mm 以 上 ,12・mm 未 満 は<br />
3 ~ 2s,12・mm 以 上 は3・mm 以 上 としている.すみ 肉 は<br />
板 厚 t[mm]により,3・mm 未 満 はt ~ 3,2tの 大 きいほう,<br />
3・mm 以 上 は3 以 上 となる.<br />
JIS 規 格 でも 板 は3 種 類 の 板 厚 区 分 となっているが,<br />
これは 試 験 に 用 いる 材 料 の 板 厚 の 種 類 である. 軟 鋼 の 場<br />
合 は3.2mm,9.0mm,19.0mmとなっている.また, 板<br />
厚 に 対 する 承 認 範 囲 はJRIS 規 格 では 規 定 されていない.<br />
WES 規 格 (WES7101)では 試 験 に 用 いた 母 材 板 厚 の<br />
1/2 ~ 2 倍 までという 規 定 があるが,あくまでも 目 安 と<br />
して 考 えるものである. 板 厚 に 関 する 承 認 範 囲 について<br />
は, 双 方 の 規 格 で 大 きく 異 なる 点 の 一 つである.<br />
<br />
溶 接 姿 勢 に 関 する 承 認 範 囲 を 比 較 したものを 表 2に 示<br />
す.ISO 規 格 では, 突 合 せでは 下 向 (PA), 横 向 (PC),<br />
立 向 上 進 (PF), 立 向 下 進 (PG), 上 向 (PE)の5 種 類<br />
がある. 下 向 が 一 番 難 易 度 は 低 く, 横 向 , 上 向 の 順 で 高<br />
くなる.そのため, 横 向 の 姿 勢 で 受 験 すれば, 下 向 も 承<br />
認 される. 上 向 きの 場 合 は 下 向 と 横 向 も 承 認 範 囲 となる.<br />
立 向 については, 上 進 の 場 合 は 下 向 も 承 認 されるが, 下<br />
進 ではその1 種 類 のみの 承 認 となり, 下 向 は 承 認 されな<br />
い. 基 本 的 な 考 え 方 は, 実 際 の 作 業 姿 勢 がその 承 認 範 囲<br />
に 入 らなければならないということである.<br />
JIS 規 格 では 下 向 , 横 向 , 立 向 , 上 向 の4 種 類 がある.<br />
JIS 規 格 では 立 向 の 溶 接 方 向 ( 上 進 , 下 進 )を 指 定 して<br />
いない. 作 業 の 承 認 範 囲 については 鉄 道 車 両 ではJRIS<br />
規 格 に 規 定 がある. 取 得 している 溶 接 姿 勢 によってそれ<br />
らを 級 別 に 分 けて, 実 際 の 溶 接 作 業 を 行 う 部 位 の 溶 接 等<br />
級 とリンクさせている. 台 車 のような 一 番 重 要 な 部 位 は<br />
A 級 となり, 溶 接 資 格 は 下 向 , 立 向 , 横 向 のすべてを 取<br />
得 した1 級 の 溶 接 士 でなければならない.ここでは 実 作<br />
業 での 溶 接 姿 勢 は 問 われない.<br />
7 welding・position・【 溶 接 姿 勢 】<br />
8 weld・detail・【 溶 接 の 詳 細 】(backing,single・side・welding,<br />
both・side・welding,single・layer,multi・layer,leftwardwelding,rightward・welding)<br />
また,ISO 規 格 では 承 認 の 範 囲 をこの 規 格 にて 規 定 し<br />
ている.JIS 規 格 では 規 定 していない. 団 体 規 格 である<br />
日 本 溶 接 協 会 規 格 (WES・7101)や 日 本 鉄 道 車 輌 工 業 会<br />
規 格 (JRIS・W・0121)にて 資 格 とその 作 業 範 囲 について<br />
規 定 がある.ここでは 鉄 道 車 両 の 溶 接 作 業 について 取 り<br />
扱 うため, 承 認 範 囲 についてはJRIS 規 格 との 比 較 を 行<br />
う.<br />
<br />
ISO 規 格 では 溶 接 法 ごとに 試 験 を 行 い, 承 認 すること<br />
になっている.JIS 規 格 では 溶 接 法 または 材 料 によって<br />
規 格 が 分 けられていて, 承 認 範 囲 も 同 様 である.<br />
<br />
ISO 規 格 では 板 - 板 , 管 - 管 , 板 - 管 (すみ 肉 )の 溶 接 の<br />
3 種 類 を 規 定 している.JIS 規 格 では 板 - 板 , 管 - 管 の2 種<br />
類 である.これは3.1.3 項 のとおり,JIS 規 格 ではすみ 肉<br />
がないためである.<br />
<br />
ISO 規 格 では 突 合 せとすみ 肉 の2 種 類 があり, 突 合 せ<br />
とすみ 肉 はそれぞれに 対 して 試 験 を 行 うことを 要 求 して<br />
いる.ただし, 追 加 のすみ 肉 試 験 を 実 施 すれば, 突 合 せ<br />
の 承 認 範 囲 ですみ 肉 も 承 認 される.<br />
一 方 でJIS 規 格 では 突 合 せのみとなっている. 突 合 せ<br />
溶 接 はすみ 肉 溶 接 と 比 べて 高 い 技 量 が 要 求 されるため,<br />
突 合 せだけで 十 分 とする 思 想 と 考 えられる.<br />
<br />
ISO 規 格 では 溶 接 ワイヤを 材 料 の 種 類 によってグルー<br />
プ 分 けしている. 試 験 に 用 いた 溶 接 ワイヤのグループに<br />
加 え, 他 のグループ 材 料 も 承 認 する 場 合 がある.<br />
JIS 規 格 では, 基 本 的 には 同 様 であるが, 試 験 に 用 い<br />
た 溶 接 ワイヤの 種 類 のみ 承 認 している.そのため, 材 料<br />
ごとにJIS 規 格 の 資 格 を 保 有 している.<br />
<br />
ISO9606-1は,ティグ 溶 接 も 含 んだ 規 格 となっている<br />
ため, 溶 加 材 の 使 用 の 有 無 について 規 定 がある. 溶 加 材<br />
を 使 用 した 場 合 , 溶 加 材 を 使 用 しない 溶 接 は 承 認 してい<br />
ない.これの 逆 も 同 様 である.また, 試 験 で 使 用 した 溶<br />
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2016 年 12 月