Create successful ePaper yourself
Turn your PDF publications into a flip-book with our unique Google optimized e-Paper software.
磯 部 光 一 Koichi ISOBE<br />
金 子 貴 史 Takashi KANEKO<br />
車 体 製 造 過 程 において 車 体 側 面 の 通 り( 歪 み)を 測 定 する 際 , 車 体 側 面 に 平 行 に 張 ったピアノ 線 を 基 準 とし<br />
て 車 体 とピアノ 線 との 距 離 を 直 尺 で 測 定 しているが,ピアノ 線 は 極 めて 細 いため 見 えにくく, 作 業 者 が 気 付 か<br />
ずに 引 っかかってしまうリスクがあった.そこで, 測 定 作 業 の 安 全 性 向 上 を 目 的 として,レーザ 距 離 計 を 活 用 し,<br />
その 測 定 値 から 演 算 によって 通 りを 求 めることにより,ピアノ 線 を 使 用 しない 測 定 方 法 を 開 発 した.<br />
<br />
<br />
<br />
<br />
鉄 道 車 両 の 車 体 製 造 過 程 で, 幕 板 部 と 腰 板 部 における<br />
車 体 側 面 の 通 りを 測 定 している.その 方 法 は, 車 体 側 面<br />
の 前 位 と 後 位 を 両 端 として, 同 じ 寸 法 Aの 基 準 となる 駒 を<br />
挟 んでピアノ 線 を 張 り,ピアノ 線 と 車 体 との 距 離 を 直 尺<br />
で 測 定 している( 図 1).この 挟 み 込 んだ 駒 の 寸 法 Aが 基 準<br />
寸 法 であり, 張 られたピアノ 線 は 車 体 に 平 行 な 基 準 線 と<br />
なることから, 直 尺 による 測 定 値 と 基 準 寸 法 Aとの 差 が 車<br />
体 の 通 りということになる( 図 2).<br />
直 尺 ・<br />
直 尺 ・<br />
<br />
アルミフレームで 組 み 立 てた 測 定 スタンドにBluetooth ®<br />
通 信 機 能 付 きレーザ 距 離 計 ,タブレット 端 末 ,USBハブ<br />
を 取 り 付 けた 構 成 であり( 図 3),このほかに, 測 定 操 作<br />
を 行 うためのリモコンがある.USBハブにはリモコン 受<br />
信 器 とBluetooth ® アダプタを 装 着 しており,リモコンと<br />
タブレット 端 末 はRF(ラジオ 波 ) 方 式 による 無 線 通 信 ,<br />
タブレット 端 末 とレーザ 距 離 計 はBluetooth ® による 無 線<br />
通 信 を 行 っている. 測 定 スタンドは 幕 板 部 の 通 り 測 定 に<br />
も 対 応 できる 高 さとなっており( 図 4),レーザ 距 離 計 を<br />
装 着 する 位 置 によって 任 意 の 高 さでの 測 定 を 行 うことが<br />
できる.<br />
タブレット 端 末 には 通 り 測 定 専 用 に 関 発 したプログラ<br />
ムをインストールしているが, 各 機 器 は 汎 用 品 を 採 用 し<br />
ている.・<br />
ピアノ ・線<br />
ピアノ ・線<br />
<br />
演 算 部 ・ 表 示 部 ・<br />
演 算 部 ・ 表 示 部 ・<br />
(タブレット 端 末 )・<br />
(タブレット 端 末 )・<br />
測 定 スタンド・<br />
測 定 スタンド・<br />
通 信 部 ・<br />
通 信 部 ・<br />
(USBハブ)・<br />
(USBハブ)・<br />
車 体 ( 上 面 より) ・<br />
駒 ・ 駒 ・<br />
A・ A・<br />
ピアノ 線<br />
<br />
測 定 部 ・<br />
測 定 部 ・<br />
(レーザ 距 離 計 ・)<br />
(レーザ 距 離 計 ・)<br />
しかし,ピアノ 線 は 極 めて 細 いため 見 えにくく, 作 業 者<br />
が 腰 板 部 の 高 さに 張 ってあるピアノ 線 に 気 付 かずに 引 っかか<br />
ってしまうリスクがあった.そこで, 測 定 作 業 の 安 全 性 向 上<br />
を 図 るため,ピアノ 線 によらない 新 規 測 定 方 法 を 開 発 した.<br />
<br />
総 合 車 両 製 作 所 技 報<br />
第 5 号<br />
82