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マグネシウム 合 金 のレーザ 溶 接 技 術<br />
図 4に 半 導 体 レーザにおいて 常 温 のワイヤを 添 加 し 溶<br />
接 した 断 面 マクロ 写 真 を 示 す. 図 3に 比 べてカットは 減<br />
少 している. 余 盛 りが 低 いが, 現 在 溶 接 条 件 の 調 査 中 で<br />
あり 今 後 改 善 を 行 っていく 予 定 である.<br />
この 方 法 の 場 合 ,レーザのエネルギにより 母 材 および<br />
ワイヤを 溶 融 させなければならない.そのため, 入 熱 量<br />
が 増 加 してしまう.また,ワイヤの 狙 い 位 置 ,ビーム 径 ,<br />
溶 接 速 度 とワイヤ 送 給 速 度 の 関 係 等 , 通 常 のレーザ 溶 接<br />
に 比 べてパラメータが 増 える. 現 在 は, 溶 接 速 度 とワイ<br />
ヤ 送 給 速 度 の 比 であるワイヤ 送 給 比 を 主 なパラメータ 設<br />
定 し 実 験 を 継 続 して 行 っている.<br />
<br />
マグネシウム 合 金 とステンレス 鋼 との 溶 込 みの 比 較 ,<br />
およびワイヤを 添 加 したいくつかの 実 験 を 実 施 し, 基 礎<br />
的 なマグネシウム 合 金 の 溶 接 性 を 確 認 した.<br />
マグネシウム 合 金 はステンレス 鋼 よりも 高 速 で 溶 接 が<br />
可 能 な 合 金 であることがわかった.また, 酸 化 物 がレー<br />
ザ 溶 接 に 与 える 影 響 について 確 認 した.ワイヤを 添 加 し<br />
た 溶 接 試 験 ではホットワイヤの 有 効 性 を 確 認 した.<br />
今 後 は 溶 接 条 件 の 最 適 化 を 行 い,より 実 際 の 構 造 物 に<br />
近 い 試 験 体 での 実 験 を 行 いたいと 考 えている.<br />
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(1)・( 一 社 )アルミニウム 協 会 :「アルミニウムハンドブック<br />
( 第 6 版 )」,29,(2001),( 株 ) 昭 栄 社 印 刷 所<br />
(2)・・ 中 田 一 博 :「マグネシウム 合 金 の 溶 接 」, 溶 接 技 術 ,・<br />
121,(2012), 産 報 出 版 ( 株 )<br />
<br />
図 4の 方 法 に 対 してホットワイヤ 法 では, 先 に 述 べた<br />
ようにジュール 熱 によりワイヤを 融 点 近 くまで 加 熱 させ<br />
るため,レーザはほとんど 母 材 を 溶 融 させるだけで 良 い.<br />
また, 通 常 のワイヤ 送 給 に 比 べて 溶 着 金 属 の 量 を 制 御 し<br />
やすいという 利 点 がある.ホットワイヤ 法 による 溶 接 部<br />
の 断 面 マクロ 写 真 を 図 5に 示 す. 使 用 したレーザはファ<br />
イバレーザである. 熱 影 響 の 範 囲 も 小 さく,なおかつ 非<br />
常 に 整 った 余 盛 りを 形 成 している.<br />
<br />
吉 澤 正 皓<br />
生 産 本 部<br />
技 術 部 ( 接 合 技 術 センター)<br />
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65<br />
2016 年 12 月