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JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

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2.8 技術開発及び研究<br />

<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040<br />

放射線管理部では,放射線管理業務のより正確かつ迅速な遂行,管理技術の向上等を目的とし<br />

て,新技術の導入,調査,評価法等の技術開発並びに,放射線計測技術の高度化を目指した研究・<br />

技術開発を実施している。2008 年度に実施した主な技術開発及び研究は以下のとおりである。<br />

(1) 内部被ばく線量をより精度良く測定評価するため,人体形状を精密に模擬した ICRP 標準人<br />

ボクセルファントム及び数値化した全身カウンタを用いてモンテカルロシミュレーション計算<br />

手法により,全身カウンタの計数効率を評価した。評価結果は,現在使用している人体を簡易<br />

的に模擬した BOMAB ファントムの計数効率と良く一致し,数値シミュレーション計算の信頼<br />

性が確認できた。今後,全身カウンタの数学的校正手法を実用化していく。<br />

(2) 原子力科学研究所内で使用されている表面汚染検査用サーベイメータの校正用線源を,JIS<br />

規格に準拠して天然ウラン(U3O8)から α 線用 241Am,β 線用 36Cl に変更した場合,サーベ<br />

イメータの機器効率や表面放出率を用いて表面汚染密度の算出のための換算係数を求める必要<br />

がある。ここでは,複数種類のサーベイメータについて様々な RI 線源に対する換算係数を求め,<br />

β 線最大エネルギーによる違いを明らかにした。<br />

(3) 中性子サーベイメータの熱中性子フルエンス率を得るため,放射線標準施設棟の黒鉛パイル<br />

中心部の空洞を用いるパイル内照射場を使用していたが,その際の作業者の被ばくや作業場の<br />

安全性の点で問題があった。そのため,黒鉛パイル表面からの漏洩中性子線を利用するパイル<br />

外照射場に変更し,両中性子校正場における中性子サーベイメータの熱中性子フルエンス率換<br />

算係数を比較測定した。その結果,パイル外照射場でも十分精度良く中性子サーベイメータを<br />

校正できることがわかった。<br />

(4) 環境試料中の放射性ストロンチウム分析においては,分析の妨害となる共存カルシウムを効<br />

果的に分離することが重要である。この分離手法として推奨されているイオン交換法を分析業<br />

務に導入するに当たって,試料中のカルシウムを吸着するイオン交換樹脂カラムの最適なサイ<br />

ズを検討した。葉菜類,魚等代表的な環境試料に対して,ストロンチウム回収率を損なうこと<br />

なく,樹脂量及び溶離液量を低減できる最適なカラムサイズを決定するための情報が得られた。<br />

(5) JRR-3 の放射性廃液等のトリチウム測定において,キシレンを含む液体シンチレータ<br />

(Aquasol-2)を使用している。作業環境測定を必要としない液体シンチレータの利用を検討す<br />

るため,市販されているシンチレータのなかから, 第一種及び第二種有機溶剤が含まれていな<br />

いものを3つ選定し,比較測定を実施した。その結果,選定したシンチレータを用いても<br />

Aquasol-2 と同程度の計数効率が得られることが確認できた。<br />

(6) パルス運転を行う NSRR 原子炉施設の運転時の漏洩線量の測定では,中性子サーベイメータ<br />

(レムカウンタ)を用いて行っているが,狭い時間範囲に大量のパルス状中性子が発生する場<br />

合,計数値の数え落としが起こり,計数値の補正が必要となる。今回,レムカウンタの数え落<br />

としについて,シミュレーション計算を行い,数え落としによる影響及び補正係数を検討し,<br />

その結果を放射線管理業務へ適用可能とした。<br />

(7) 高崎量子応用研究所 TIARA を用いた高エネルギー準単色中性子校正場の開発の一環として,<br />

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