<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040 施設定期検査が実施されている。主な放射線作業としては,2007 年 12 月に発生した反射体要素 の溶接部割れに伴う X 線透過試験及び発泡漏れ検査が実施されるとともに,12 インチ径 NTD- Si 照射実験装置の据付け作業が実施され,これらに協力した。 (加部東 正幸) 2.2.1-1 JRR-2 及び VHTRC JRR-2 は,1996 年に原子炉の運転を停止した後,原子炉本体,原子炉建家及びそれらの維持管 理に必要となる施設・設備を除き解体を終了しており,現在は,原子炉本体,原子炉建家及びそ れらの維持管理に必要となる施設・設備について維持管理を行っている。また,すべての燃料要 素の譲渡も終了している。 VHTRC は,1999 年 1 月に研究使命を終え,原子炉の機能停止に係る措置及び原子炉本体等の 解体撤去を終了し,現在は,燃料を含む残存施設の維持管理を継続している。また,2008 年度に は,廃止措置の一環として核燃料物質が搬出された。<strong>2009</strong> 年度には,全ての燃料の搬出及び設備・ 機器の撤去とともに管理区域の解除,さらには建物の解体,更地化を予定している。 なお,2007 年度に汚染閉込措置が講じられた蒸気管引込溝,排水枡等については汚染除去作業 が行われているところである。 これら施設における主な放射線管理実施結果を以下に示す。 (1) 作業環境の放射線監視結果 管理区域内の人が常時立ち入る場所における作業環境の線量当量率,線量当量,表面密度及び 空気中放射性物質濃度の測定の結果は,管理基準値未満であり異常は認められなかった。 (a) 線量当量率及び線量当量の管理 線量当量率の管理については,γ線エリアモニタによる線量当量率の連続監視(JRR-2)及 びγ線サーベイメータによる線量当量率の測定(JRR-2,VHTRC)の結果,1mSv/週を超える 区域はなかった。 また,熱ルミネセンス線量計(TLD)による 1 週間の線量当量の測定の結果,年間平均で JRR-2 は 15~19μSv/週,VHTRC は 15~18μSv/週であった。 (b) 表面密度の管理 スミヤ法により定点で試料を採取し,表面汚染検査用サーベイメータによって表面密度の測 定を実施した結果,汚染がないことを確認した。 (c) 空気中放射性物質濃度の管理 空気中放射性物質濃度の管理については,室内ダストモニタにより,1 週間採取した捕集ろ紙 の測定を実施した結果,空気中の放射性物質の濃度は,JRR-2 及び VHTRC ともにすべて検出 下限未満であった。 (2) 放射線作業の実施状況及び被ばく管理 放射線作業は,JRR-2 においては 5 件,VHTRC においては 14 件実施され,これらの放射線作 業に対する計画の立案及び実作業での放射線防護上の助言,指導及び支援を行った。主な作業は, 規程類に基づく施設,設備の定期点検作業であった。 表 2.2.1-1 に JRR-2 及び VHTRC における線量当量率等による作業環境レベル区分ごとの放射 - 24 -
線業務従事者の実効線量及び放射線作業件数を示す。 なお,表中の作業環境レベル区分は放射線作業連絡票における作業場の予想レベル区分を示す (以下,各施設における表中の作業環境レベル区分も同様)。 (倉持 彰彦) 表 2.2.1-1 JRR-2,VHTRC における作業環境レベル区分ごとの放射線業務従事者の 実効線量及び放射線作業件数 (2008 年度) 建家名 線量当量率 (μSv/h) JRR-2 VHTRC * 作業ごとの最大値 <strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040 作業環境レベル 空気中放射性物質濃度 (Bq/cm3) 表面密度 (Bq/cm2) β(γ) 実効線量 * (mSv) 放 射 線 作業件数