JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

JAEA-Review 2009-040
2.3.2-5 廃液輸送管撤去作業に係る放射線管理
廃液輸送管は,1964 年から 1987 年にかけてホットラボ,ラジオアイソトープ製造棟,JRR-2,
JRR-3,JRR-4,JPDR,再処理特別研究棟及びウラン濃縮研究棟において発生した放射性液体廃
棄物を廃棄物処理場へ輸送するために使用されてきたものである。現在,廃液輸送管は既に閉止
フランジ,閉止板,閉止キャップ又はバルブにより閉止措置が施され,今後使用することがない。
このため,2008 年度から 2011 年度の 4 年間で廃液輸送管を撤去する計画である。図 2.3.2-2 に
廃液輸送管の全体配置図を示す。
(1) 廃液輸送管の撤去範囲
2008 年度は,廃液輸送管が直接土中に埋設されているホットラボからバルブ操作室までの約
470mを撤去範囲として,2 期に分けて作業が行われた。第 1 期は,ホットラボから JRR-2(約
230m)までを 6 つの工区に分け,第 2 期は,JRR-2 からバルブ操作室(約 240m)までを 4 つ
の工区に分けて作業が行われた。図 2.3.2-3 にホットラボからバルブ操作室までの廃液輸送管の
配置図を示す。
(2) 廃液輸送管撤去作業時の放射線管理
廃液輸送管の撤去は,工区毎に設置した上屋を一時的な第 1 種管理区域に指定して行われた。
廃液輸送管の撤去作業は,バンドソー等による機械的切断により行われるため,上屋内の切断作
業場所にはグリーンハウス(以下「GH」という。)を設置するとともに,切断により発生する放
射性塵埃の飛散防止のため局所排気装置を設置した。また,作業者の内部被ばく及び身体の汚染
防止対策として,全面マスク,特殊作業衣,タイベックスーツ,布手袋,ゴム手袋,RI 作業靴(長
靴)を着用させた。さらに,作業者の外部被ばく管理として,基本線量計であるガラスバッジの
他に,補助線量計として日々の被ばく状況を確認するためのポケット線量計を着用させた。
当該作業における線量当量率及び表面密度の測定は,定期サーベイの他,必要に応じて作業場
所の測定を実施した。線量当量率は廃液輸送管表面最大で 200μSv/h,輸送管内部の表面密度は
最大 β(γ):54Bq/cm2(主要核種 137Cs)であった。
空気中放射性物質濃度は,切断作業中の GH 内を移動型ダストサンプラ等により空気試料を採
取し測定した。作業期間中の最大は,全 α:3.3×10-8Bq/cm3,全 β:1.1×10-6Bq/cm3 であり,核
種分析を実施した結果 137Cs, 241Am であった。また,作業期間中の上屋から排気される空気中の
放射性塵埃濃度監視は,移動型ダストモニタにより実施した。当該期間中の排気中放射性物質濃
度は全 α,全 β とも全て検出下限濃度未満であった。
作業者の被ばく低減対策として,高線量当量率の廃液輸送管に鉛板等によるしゃへいを行うこ
とにより,本作業期間中における被ばく線量を計画被ばく線量 1mSv 以下に管理することができ
た。当該作業による作業者の被ばくは,第1期の作業で,集団実効線量が 4.9 人・mSv(作業者
22 人),個人最大実効線量は 0.8mSv であり,第 2 期の作業においては集団実効線量が 0.5 人・
mSv(作業者 29 人),個人最大実効線量は 0.2mSv であった。
(3) 一時的な第 1 種管理区域の解除に伴う放射線管理
上屋の一時的な第 1 種管理区域の解除を行うにあたっては,区域放射線管理担当課が行う管理
区域解除のための「一時的な管理区域を解除する際に汚染が残存していないことを確認する測定
に関する要領書」を作成し,本測定要領書に基づき測定した結果,測定点全てにおいて 1 センチ
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