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JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

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2.8.3 熱中性子校正場における中性子サーベイメータの感度試験<br />

(1) 目的<br />

本中性子サーベイメータ(富士電機システムズ製 NSM-413 型)は,本体測定部,BF3 検出<br />

器プローブ及び速中性子線測定用減速材から構成された測定器で,主に原子炉施設等の放射線<br />

管理において漏洩中性子線量を測定するために用いられている。本測定器の放射線校正では,<br />

放射線標準施設棟第 4 照射室の速中性子校正場及び熱中性子校正場を使用して,速中性子及び<br />

熱中性子フルエンス率を評価するための換算係数(cm-2・s-1/s-1)を与えている。このうち,熱中 性子校正場では黒鉛パイル中心部の空洞を用いるパイル内照射場(等方場)を使用して校正し<br />

ているが,この方法では作業者が黒鉛パイル上でプローブを吊り下げた状態で指示値を読み取<br />

るため,測定中の作業者の被ばくや作業場所の安全性の点で問題があった。そこで,黒鉛パイ<br />

ル表面からの漏洩中性子線を利用するパイル外照射場(平行場)に変更するために,両熱中性<br />

子校正場における中性子サーベイメータの熱中性子フルエンス率換算係数の比較測定を実施し<br />

た。<br />

(2) 熱中性子校正場について<br />

平行場は黒鉛パイルの中心に 252Cf 線源を配置し,黒鉛パイル表面からの熱中性子線を利用す<br />

る校正場である。平行場を利用して被校正測定器を照射する場合の黒鉛パイルの断面図を図<br />

2.8.3-1 に示す。<br />

等方場は黒鉛パイルの中心部に空洞を設け,図 2.8.3-2 の P1 から P4 に示すように線源位置<br />

を変えることにより(空洞の両側の対称な位置に中性子線源(東側: 239Pu-Be 線源,西側:<br />

241Am-Be)を装荷する),空洞内の熱中性子フルエンス率やカドミウム比などの校正条件を選択<br />

できる校正場である。等方場を利用して被校正測定器を照射する場合の黒鉛パイルの断面図を<br />

図 2.8.3-2 に示す。<br />

(3) 測定方法<br />

平行場での測定は,黒鉛パイル南側の校正場を利用し,測定器の照射位置を黒鉛パイル表面<br />

より 40cm,高さ 83cm の距離において実施した。<br />

等方場での測定は,黒鉛パイルの上部パイル 2 個を取り除き,南側側面のパイルを引き抜く<br />

ことで黒鉛パイル内の中心部に空洞を設け,この空洞内部を照射位置として BF3 検出器等を吊<br />

り下げて測定した。中性子線源はこの空洞中心(校正基準点)に対して対称に 241Am-Be 線源と<br />

239Pu-Be 線源を線源位置 P4 に配置した。<br />

<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040<br />

両校正場の測定においては,熱中性子線以外の中性子を除去するために,Cd1mm 厚で BF3<br />

検出器を覆う Cd 差法により測定を行った。<br />

(4) 測定結果と考察<br />

平行場と等方場での中性子サーベイメータによる熱中性子フルエンス率換算係数の比較測定<br />

結果を表 2.8.3-1 に示す。平行場での熱中性子フルエンス率換算係数は平均3.9±0.37cm-2・s -1/s-1, 等方場が平均 4.7±0.35 cm-2・s-1/s-1 であり,等方場の方が約 17%高くなった。この差について<br />

は,等方場の基準熱中性子フルエンス率は金箔放射化法により測定しており,黒鉛パイルの中<br />

心に設けた空洞に金箔等を設置して,上部パイルを閉めた状態で測定しているが,実校正時は<br />

上部パイル 2 個を取り除き,上部から空洞内に BF3 検出器等を吊り下げて測定するため,基準<br />

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