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JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040<br />

2.8.7 高エネルギー準単色中性子校正場用フルエンスモニタの改良<br />

高エネルギー中性子の線量評価用モニタ・線量計の適切な校正を行う必要性から,高崎量子応<br />

用研究所 TIARA の高エネルギー準単色中性子照射場 1)を利用して,45,60,75MeV の中性子校<br />

正場の開発を進めている。校正場として利用する際には,照射期間中の中性子フルエンスを精度<br />

良く連続してモニタする必要がある。中性子ビームを照射室へ導くコリメータより上流側でオフ<br />

ラインに設置された既存のモニタ(フィッションチェンバ(FC))は,実験のたびに行うビーム<br />

調整の影響を受ける。そこで,照射室内へ導かれた中性子を直接モニタするために,2007 年度に<br />

薄厚プラスチックシンチレータを用いた透過型フルエンスモニタのプロトタイプを開発して特性<br />

評価を行った 2) 。その結果,既存のモニタ(FC)よりも感度が低く,それが低い集光効率に起因<br />

していたことが確認された。そこで,感度向上を目的として構造の改良により集光効率を改善し<br />

た透過型フルエンスモニタを新たに開発し,その特性を評価した。<br />

本モニタは,薄いアルミ入射窓(145×145×0.5mm3)を上下流側の両面に持つアルミケース, ケース内面(上流面側)に取り付けたプラスチックシンチレータ(BC-400,150×150×0.5mm3), 及び,ケース両側面に取り付けた光電子増倍管(PMT)2 本からなる(図 2.8.7-1)。本モニタは,<br />

中性子ビームによりシンチレータ中で生成される反跳陽子を主に数えるように設計されている。2<br />

本の PMT は,シンチレータ中の反跳陽子によるシンチレーション光をアルミケースの両側面から<br />

読み取る。プロトタイプではシンチレータの両側面からライトガイドを用いて集光していたが,<br />

感度向上を目指した集光効率の改善のために,シンチレータには反射材などを塗布せずに入射窓<br />

の内側面に固定してシンチレータ全体から直接集光する方式へ変更した。<br />

特性試験では,TIARA の中性子照射場で 45,60,75MeV ピーク準単色中性子ビームを照射し<br />

て,(1)検出器の感度,及び(2)ビームカレントに対する計数率の直線性を調査した。また,<br />

(3)校正点の中性子ビーム強度と本モニタの計数率との相関を調べるために,本モニタより下<br />

流側の照射野内にビーム強度評価用の検出器(液体シンチレータ(低ビーム強度用)及び別のフ<br />

ィッションチェンバ(高ビーム強度用))を設置し,それらの計数率と本モニタ及び既存のモニタ<br />

(FC)の計数率との相関を調査した。本モニタは照射室内の照射口(コリメータ出口)に直付け<br />

し(図 2.8.7-1),両 PMT の出力波形の和のデータ等を収集した。データ解析では,両 PMT の<br />

出力波形の和の分布に対して適切な閾値以上のイベント数を計数とした。<br />

特性評価により,以下の結果が得られた。まず,(1)感度に関しては,集光効率の改善により<br />

10 倍程度向上し,既存のモニタ(FC)と同程度の感度に改善した。次に,(2)ビームカレント<br />

に対する本モニタの計数率の直線性に関しては,通常の使用範囲内において良好であった。さら<br />

に,(3)校正点での中性子ビーム強度との相関に関しては,コリメータより上流側の既存のモニ<br />

タ(FC)の計数率よりも,本モニタの計数率との相関の方が良好であった(図 2.8.7-2)。<br />

上記の特性評価結果から,透過型フルエンスモニタの実用化へのめどが立った。今後,安定し<br />

た運用や計数機器の整備等による実用的なモニタ手法の確立を目指す予定である。<br />

参考文献<br />

1) Shikaze, Y. et al.: Radiat. Prot. Dosim., 126(1-4), 163 (2007).<br />

2) 志風義明他:原子力学会「2008 年春の年会」要旨集,C39.<br />

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(志風 義明)

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