JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

2.3 海岸地区施設の放射線管理
JAEA-Review 2009-040
原子力科学研究所の海岸地区では,原子炉等規制法等に基づく原子炉施設・核燃料物質使用施
設,放射線障害防止法に基づく放射性同位元素の使用施設,廃棄施設,電離放射線障害防止規則
に基づく放射線施設において,作業環境及びこれらの施設で行われた放射線作業について保安規
定等に基づき放射線管理を実施した。
2008 年度に実施された原子炉等施設の運転,廃液長期貯蔵施設で行なわれた廃液回収作業,燃
料試験施設におけるプール水処理設備配管の除染作業,廃液輸送管の撤去作業,2007 年度の安全
確認点検調査の継続調査として実施されたプルトニウム研究 2 棟建家床下及び周辺土壌の汚染調
査等において異常な被ばくや放射線管理上の問題は生じず,作業環境モニタリングによる異常の
検出もなかった。また,事故等による施設及び人体への放射性汚染並びに被ばくはなかった。
(清水 勇)
2.3.1 原子炉施設の放射線管理
2008 年度は,STACY,TRACY,NSRR,FCA,TCA 及び廃棄物処理場の原子炉施設において,
以下に示す放射線管理業務を保安規定等に基づき実施した。
① 定期的な線量当量率,線量当量,表面密度及び空気中放射性物質濃度の測定
② 気体廃棄物中及び液体廃棄物中の放射性物質濃度の測定
③ 放射線管理施設の管理
④ 放射線作業環境の監視
⑤ 放射線作業に対する助言及び同意並びに放射線作業に係る線量の評価
⑥ 管理区域からの物品の搬出に対する確認
⑦ 作業に係る放射線管理の総括
その結果,作業環境における線量当量率,表面密度及び空気中放射能濃度,作業者の被ばくにお
いても異常はなく,当該施設から放出された気体廃棄物の放射性物質の濃度は,保安規定に定め
られた放出管理目標値以下であり,放射線管理上の問題はなかった。
また,これらの保安活動については,法令に基づく原子炉施設保安規定遵守状況の検査を受検
するとともに,原子力科学研究所品質保証計画に基づく内部監査を受検した。
TRACY では 4 月 23 日に施設定期自主検査において,炉性能確認運転停止後に水素ガス濃度計
盤内からの漏えいによる排気筒からの放射性希ガス( 138Xe)の微量放出があり,運転管理情報と
して国及び自治体へ報告した。
原子力保安検査官による巡視は,STACY 及び TRACY において 33 回,NSRR は 28 回,FCA
は 22 回,TCA は 17 回,廃棄物処理場は 59 回実施され,指摘事項等はなかった。また,保安規
定遵守状況の検査においても指摘事項等はなかった。
原子炉施設における放射線管理施設の警報装置の動作に関わる施設定期検査を受検し,STACY
は 6 月 18 日,TRACY は 7 月 29 日,NSRR は 4 月 4 日,FCA は 10 月 24 日,TCA は 3 月 19
日,廃棄物処理場は 9 月 26 日に合格した。
(小林 誠)
- 37 -