<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040 原子力研修センターをはじめとする内外の機関における各種研修講座,放射線業務従事者訓練 等に,放射線管理の専門家を講師及び実習指導員として派遣して協力するとともに,各放射線作 業場における作業者の放射線安全教育訓練に積極的に協力した。また,国や地方自治体,あるい は公的機関等が主催する各種委員会に対して放射線防護や放射線計測の専門家として職員を派遣 するなど,原子力関連の事業の推進に協力した。 - 12 - (山口 武憲)
2.1 管理の総括業務 <strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040 2008 年度に各施設から環境中に放出された気体及び液体廃棄物中の放射性物質の量及び濃度は, いずれも保安規定に定められた放出の基準値及び放出管理目標値以下であった。また,年間総放 出量に基づいて算出した周辺環境における実効線量は 2.8×10-2μSv であり,原子炉施設保安規定 に定められた実効線量の線量目標値と比較して十分に低い値であった。 (山本 英明) 2.1.1 管理区域 管理区域は,原子炉施設保安規定,核燃料物質使用施設等保安規定,放射線障害予防規程及び 少量核燃料物質使用施設等保安規則に基づき設定されている。 2008 年度中に一時的に指定された管理区域の件数は,第 1 種管理区域が 128 件,第 2 種管理区 域が 5 件であった。主な設定理由は,第 1 種管理区域では,2007 年に発見された非管理区域にお ける過去の汚染処理などに伴う作業(89 件),排気フィルタ交換などの排気設備関連の保守作業 (18 件)及び排水設備の保守作業等(21 件)であった。第 2 種管理区域では,2007 年に発見さ れた非管理区域における過去の汚染処理などに伴う作業及び非破壊検査であった。 (菊地 正光) 2.1.2 排気及び排水の管理データ (1) 放出放射性塵埃及び放射性ガス 2008 年度に各施設から大気中に放出された,放射性塵埃及び放射性ガスの核種別の年間放出量 及び年間平均濃度を表 2.1.2-1 に示す。各施設からの年間放出量及び年間平均濃度は,いずれも 保安規定等に定められている放出の基準値を超えていなかった。 (2) 放射性液体廃棄物 2008 年度に各排水溝から海洋中に放出された,放射性廃液の排水溝別 1 日平均濃度の最大値, 3 か月平均濃度の最大値及び年間放出量を表 2.1.2-2 に示す。 排水溝へ放出された廃液の年間放出量は, 3H, 14C 以外の核種が 2.7×106Bq, 3H が 1.2×1011Bq であった。これらの値を 2007 年度と比較すると, 3H, 14C 以外の核種は約 1.2 倍, 3H は約 0.75 倍となっている。 排水溝における 1 日平均濃度の最大値は, 3H, 14C 以外の核種で 5.2×10-5Bq/cm3,3 か月平均 濃度の最大値は, 3H, 14C 以外の核種で 1.9×10-6Bq/cm3 であった。 排水溝からの放出量,1 日平均濃度等は,いずれも保安規定等に定められている放出の基準値 を超えていなかった。 (3) 放出管理目標値との比較 原子炉施設から放出された気体廃棄物のうち,放出管理目標値が定められている核種の年間放 出量と放出管理目標値との比較を表 2.1.2-3 に示す。 全施設から排水溝へ放出された液体廃棄物の年間放出量と放出管理目標値との比較を表 2.1.2- 4 に示す。 - 13 -