JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構
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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040<br />
同様な作業を実施した 2006 年度と比べると個人最大実効線量が減少しているのに対し,作業者<br />
の集団実効線量は横ばいで推移している。これは施設定期自主検査期間が例年より1月ほど長<br />
かったことにより,作業者全体の実効線量が増加したためである。今後,作業者の被ばくを考<br />
慮した作業工程とするよう要請するとともにより効果的な放射線管理を進めていくこととする。<br />
(増山 康一)<br />
2.3.1-2 NSRR<br />
NSRR では,発電用原子炉において将来使用が予定されている高燃焼度燃料についての反応度<br />
事故時の健全性評価に必要なデータベースの確立のため,欧州の原子炉で使用された高燃焼度燃<br />
料の照射実験等が行われた。2008 年度は,パルス運転が合計 22 回,300kW 定出力運転が 1 回実<br />
施された。このうちパルス運転の 4 回については,原子炉施設定期検査に伴う運転であった。<br />
これら施設の運転における施設内の主な放射線管理実施結果を以下に示す。<br />
(1) 作業環境の放射線監視結果<br />
人が常時立ち入る場所における作業環境の線量当量率,線量当量,表面密度及び空気中放射性<br />
物質濃度の測定の結果は管理基準値未満であり,異常は認められなかった。<br />
(a) 線量当量率及び線量当量の管理<br />
エリアモニタ(連続監視)及びサーベイメータによる γ 線及び中性子線の線量当量率測定の<br />
結果,立入制限区域を除き,1mSv/週を超える区域はなかった。また,TLD による 1 週間の線<br />
量当量の定点測定の結果,いずれの場所も γ 線,中性子線ともに検出下限値以下であった。<br />
なお,放射線しゃへい物の側壁における線量当量率の測定の結果,最大値は 300kW 定出力運<br />
転時の地下 2 階原子炉プール側壁で 4.5μSv/h であった。<br />
(b) 表面密度の管理<br />
スミヤ法により定点で試料を採取し,表面汚染検査用サーベイメータによる表面密度の測定<br />
を実施した結果,汚染がないことを確認した。<br />
(c) 空気中放射性物質濃度の管理<br />
室内ダストモニタ及びエアスニファにより,1 週間採取した捕集ろ紙の測定を実施した結果,<br />
すべて検出下限濃度未満であった。<br />
(2) 放射線作業の実施状況及び被ばく管理<br />
NSRR においては,35 件の放射線作業が実施され,これらの放射線作業に対する計画の立案及<br />
び実作業での放射線防護上の助言,指導及び支援を行った。<br />
表 2.3.1-2 に NSRR における作業環境レベル区分ごとの放射線業務従事者の実効線量及び放射<br />
線作業件数を示す。<br />
また,ホット排水管撤去作業に伴い NSRR 機械棟の一部を一時的な管理区域に設定した。作業<br />
終了後には,一時的な管理区域を解除する際に汚染が残存していないことを確認する測定に関す<br />
る要領書に基づき線量当量率及び表面密度を測定した結果,線量当量率はバックグラウンド値で<br />
あり,表面密度が保安規定等に定める管理区域設定基準に該当しないこと及び汚染が検出されな<br />
いことを確認し,管理区域を解除した。<br />
(藤井 克年)<br />
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