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JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

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<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040<br />

2.8.5 放射線管理用試料の測定に適用する液体シンチレータの比較評価<br />

(1) はじめに<br />

JRR-3 の放射性廃液等のトリチウム測定において,液体シンチレータとして,Aquasol-2<br />

(PerkinElmer Japan)を使用している。Aquasol-2 には,キシレンが含まれており,その使用<br />

にあたっては有機溶剤中毒予防規則による作業環境測定を実施している。しかし,市販されてい<br />

るシンチレータのなかには第一種及び第二種有機溶剤が含まれていないものがある。そこで,作<br />

業環境測定を必要としない液体シンチレータの利用を検討するため,現在使用している Aquasol-2<br />

との比較測定を実施した。<br />

(2) 方法<br />

比較する液体シンチレータとして,第一種及び第二種有機溶剤が含まれておらず,購入が容易<br />

で,価格が Aquasol-2 と同程度である Ecoscint Ultra(National Diagnostics),Ecoscint XR<br />

(National Diagnostics)及び Ultima Gold LLT(PerkinElmer Japan)を選んだ。<br />

試料全体量(水試料+シンチレータ)を 15 ml とし,0~8 ml のトリチウム濃度が既知である<br />

廃液試料をシンチレータに加え,0~53.3 %の異なる含水率の試料を 9 本調製した。液体シンチ<br />

レーションカウンタ(LSC)の外部標準チャンネル比(ESCR)法により,一連の試料の計数効率<br />

を求めた。また,調整サンプルの外観と計数効率測定から二層領域を判断した。<br />

(3) 結果<br />

各シンチレータの含水率に対する計数効率の変化を図 2.8.5-1 に示す。計数効率は,全てのシ<br />

ンチレータにおいて,含水率が 6.7 %(廃液量 1 ml)のときに最大となった。Ecoscint XR は<br />

Aquasol-2 と同様,Ultima Gold LLT,Ecoscint Ultra では,Aquasol-2 より高い計数効率が得ら<br />

れた。最も高い計数効率を示したのは Ultima Gold LLT であり,含水率 6.7 %(廃液量 1 ml)で<br />

53.6 %の計数効率が得られた。<br />

また,「発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針」において記載さ<br />

れている廃液中の 3H の検出下限濃度は 2×10-1 Bq/cm3 であり 1),図 2.8.5-2 に示すように全ての<br />

シンチレータでこの値を満足した。さらに,試料安定性の確認のため,2日間静置した試料を上<br />

記と同様の条件で測定したところ,全ての試料で試料調製後に測定した試料とほぼ同じ計数効率<br />

が得られた。このことから,試料の再測定も可能であるといえる。<br />

通常の使用条件(廃液 1 ml に対してシンチレータ 14 ml)では全ての試料において 2 層分離は<br />

確認されず,透明なゾル状であった。特に Ultima Gold LLT は廃液試料に対して安定で,全ての<br />

含水率でゲル化は確認されなかった。<br />

(4) まとめ<br />

今回の結果から,Aquasol-2 以外の 3 つのシンチレータを用いても Aquasol-2 と同様かそれ以<br />

上の計数効率が得られることが分かった。検出下限濃度の評価についても,各シンチレータで同<br />

様の結果が得られた。今後,トリチウム測定用の各種試料を用いて長期的な比較測定を行い,液<br />

体シンチレータの変更を提案したいと考えている。<br />

(小林 稔明)<br />

参考文献<br />

1) 原子力安全委員会:発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針<br />

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