<strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040 2.2.3-2 JRR-1 地区(JRR-1,原子炉特研,モックアップ試験室建家) JRR-1 は,わが国初の原子炉として建設され,炉物理実験,放射化分析の基礎研究等において 多くの成果をあげ,所期の目的を達成したことから,1968 年度にすべての運転を停止した。実験 室は,原子炉施設で照射した試料の測定等に,本体は展示館として利用されている。 原子炉特研は,原子力に関する研究者及び技術者の養成訓練に係る研修等を 1958 年度から進め, 原子力関係の人材育成を実施している。 モックアップ試験室建家は,使用済燃料の再処理技術の確立に必要な溶媒抽出法試験及びウラ ンの化学的同位体分離に関する研究を実施し,その後,放射線利用に係る教育研修を目的とした 原子炉物理実験等を行うための施設として利用された。 これら施設における主な放射線管理実施結果を下記に示す。 (1) 作業環境の放射線監視結果 管理区域内の人が常時立ち入る場所における作業環境の線量当量率,線量当量,表面密度,空 気中放射性物質濃度の測定の結果は,管理基準値未満であり異常は認められなかった。 (a) 線量当量率及び線量当量の管理 線量当量率及び線量当量の管理については,γ 線サーベイメータ及び中性子レムカウンタに よる線量当量率の測定の結果,1mSv/週を超える区域はなかった。 また,ガラス線量計による JRR-1 原子炉本体しゃへい体における線量当量の測定結果は,検 出下限値未満であった。 (b) 表面密度の管理 表面密度の管理については,定点においてスミヤ試料を採取し,表面汚染検査用サーベイメ ータによって表面密度の測定を実施した結果,汚染がないことを確認した。 (c) 空気中放射性物質濃度の管理(JRR-1 のみ) 空気中放射性物質濃度の管理は,実験室については室内ダストモニタにより 1 週間採取した 捕集ろ紙を,廃棄施設及びサブパイル室については毎月1回,8時間採取した捕集ろ紙を測定 した。その結果,空気中の放射性物質の濃度は,すべて検出下限濃度未満であった。 (2) 放射線作業の実施状況及び被ばく管理 JRR-1,原子炉特研及びモックアップ試験室建家の放射線作業は合計 36 件実施され,これらの 作業に対する計画の立案及び実作業での放射線防護上の助言,指導及び支援を行った。 表 2.2.3-3 に JRR-1 地区における線量当量率等の作業環境レベル区分ごとの放射線作業件数及 び放射線業務従事者の実効線量を示す。 - 34 - (吉野 公二)
表 2.2.3-3 JRR-1 地区における作業環境レベル区分ごとの放射線作業件数及び 放射線業務従事者の実効線量 (2008 年度) 施設名 線量当量率 (μSv/h) JRR-1 <strong>JAEA</strong>-<strong>Review</strong> <strong>2009</strong>-040 作業環境レベル 空気中放射性物質濃度 (Bq/cm 3) 表面密度 (Bq/cm 2) β(γ) 実効 *2 線量 (mSv) 放 射 線 作業件数