JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

JAEA-Review 2009-040
2.3.3 放射線施設の放射線管理
原子力科学研究所海岸地区において,放射線障害防止法に基づき放射性同位元素や放射線発生
装置を取り扱っている施設には,FNS,環境シミュレーション試験棟,バックエンド技術開発建
家,大型非定常ループ実験棟,燃料試験施設,廃棄物安全試験施設,FCA,TCA,NUCEF 施設
及びプルトニウム研究 1 棟があり,放射性同位元素等の廃棄を行う施設には,廃棄物処理場があ
る。そのうち,燃料試験施設,廃棄物安全試験施設,FCA,TCA,NUCEF 施設及びプルトニウ
ム研究 1 棟については原子炉等規制法の許可も受けている。
FNS は,400keV 重陽子加速器で加速された重陽子を 3H ターゲットに照射し,14.1MeV の中
性子を発生させる D-T 中性子源であるため,加速器運転に伴う線量当量率の上昇,高線量を伴う
線源からの被ばくの管理及び密封されていない 3H の使用に伴う表面汚染の管理に重点を置いて
放射線管理を行った。高線量を伴う放射線作業としては,回転ターゲット交換,回転ターゲット
アッセンブリー交換作業が行われた。また,加速器室屋上及び地階(共同溝)に関して水戸原子
力事務所から管理区域に指定して管理するよう指導を受け,放射線障害予防規程の一部を改正
(2008 年 5 月 22 日付)して第2種管理区域に指定し放射線管理を行った。(詳細については,
「2.3.3-1 FNS 屋上及び地階(共同溝)の管理区域化に伴う放射線管理」参照)
環境シミュレーション試験棟は,放射性廃棄物埋設処分の安全性評価における放射性核種の閉
じ込め性能評価のための試験施設で, 237Np, 241Am など 20 核種を取り扱うグローブボックス等
が設置されている。このため,非密封放射性同位元素を扱う作業の管理に重点を置いて放射線管
理を行った。
バックエンド技術開発建家は,放射能確認技術の開発及び溶融固化体特性試験に関する研究を
行う施設で, 137Cs や 99Mo-99mTc 等の非密封放射性同位元素が使用されているため,これらの非
密封放射性同位元素を扱う作業の管理に重点を置いて放射線管理を行った。当該施設では新たに,
核燃料物質を使用した廃棄物に対する放射能測定手法の開発等を実施するにあたり,少量核燃料
物質の使用に向けて施設等の改造計画が進められている。
大型非定常ループ実験棟は,PWR 型動力炉の ECCS に関する有効性の確認試験を実施する施
設で,気液二相流の流体密度を測定するために γ 線密度計を使用している。線源としては 137Cs
を 21 個, 241Am を 2 個の合計 23 個の密封線源を使用している。このため,作業環境の線量当量
率に着目した放射線管理を行った。
これら放射性同位元素使用施設等からの放射性同位元素及び放射性同位元素で汚染されたもの
を処理するため,放射線障害防止法に基づく許可廃棄業のための施設として,廃棄物処理場が設
置されている。廃棄物処理場では引き取った放射性廃棄物の放射能やその性状による各種の減容
処理が行われている。廃棄物処理場においては放射性廃棄物の処理に伴う密封されていない放射
性同位元素等の管理及び処理された廃棄物パッケージ体からの高線量当量率の管理に重点を置い
て放射線管理を行った。
2008 年度は,原子力科学研究所において放射線障害防止法第 12 条の 9 に係る定期検査及び第
12 条の 10 に係る定期確認検査を受検し,検査の結果,指摘事項はなかった。
2008 年度の放射性同位元素使用許可に関する変更許可申請等では,NUCEF 施設の放射線発生
装置(TRU 測定用)に係る使用の目的及び方法,非密封放射性同位元素に係る使用の目的,非密
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