JAEA-Review-2009-040.pdf:4.65MB - 日本原子力研究開発機構

JAEA-Review 2009-040
2.3.3-1 FNS屋上及び地階(共同溝)の管理区域化に伴う放射線管理
FNS では,RI 許可使用に係る変更許可申請において,水戸原子力事務所から屋上及び地階を管
理区域とすることの指導を受け,当該区域を管理区域に設定し管理することとなった。以下に管
理区域設定の経緯及び管理方法について示す。
(1) 管理区域設定までの経緯
2007 年度に FNS では,RI 許可使用に係る変更許可申請を進めていたが,その申請に関わる水
戸原子力事務所とのヒアリングにおいて,第 1 ターゲット室,第 2 ターゲット室及び加速器室の
屋上の上方向を管理区域及び立入制限区域に指定して管理するよう指導された。また,管理区域
の地階部分についても同様に,非管理区域であった共同溝に関して管理区域化の指導を受けた。
これら指導を受け,加速器運転に伴う建家上方向の線量評価を行い,屋上から 90m及び地階を
第 2 種管理区域とすることを変更許可申請書に記載し,2008 年 3 月 18 日付けで許可された。ま
た,RI 変更許可に伴い 2008 年 5 月 22 日付けで放射線障害予防規程の一部改正を行った。
(2) 屋上上方向の線量評価
屋上上方向の管理区域境界(線量限度(1.3mSv/3 月))の位置を求めるため,許可書に示され
た評価の結果(「モンテカルロコード計算 1) 」を用いて評価した結果),管理区域境界の高さを地
上から 90m とすることで水戸原子力事務所の許可を得た。線量評価のための加速器運転パターン
A 及び B のパラメータを表 2.3.1-1 に示す。
(3) 管理区域及び管理区域境界の管理方法
今回指定された管理区域及び管理区域境界の管理は,放射線管理手引(施設放射線管理編)に
従い月1回 γ線と中性子線について測定を実施する。また,新たに「FNS棟屋上及び地階(共同
溝)の管理区域化に伴う放射線管理要領」を作成し管理することとした。屋上上方向の管理区域境
界の線量の評価については,放射線障害防止法の施行規則第 20 条の「放射線測定器を用いて測定
することが著しく困難なときは,計算により算出することができる」に従い,その月の加速器運
転の最大出力時の値で計算する。なお,地階の管理に関しては,加速器運転中はインターロック
により立入れないため停止中の測定のみ実施する。
(4) 今後の対応
加速器の運転と屋上の線量率のデータを取得する目的で,運転に合わせて測定データを蓄積し,
事前に評価された計算値と測定値の関係を明らかにするとともに,計算値の妥当性を検証する。
(奥村 勝紀)
- 61 -