商学部(塾外用) - 慶應義塾大学-塾生HP
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(iii) 正規労働者を念頭においた現行制度との矛盾<br />
(2)柔軟になる賃金制度<br />
(i) 年功賃金制度の理論<br />
(ii) 年功賃金制度の変化<br />
(3)労働時間短縮への道のり<br />
(i) 長時間労働の背景<br />
(ii) 長時間労働で失われるもの<br />
(iii) 労働時間短縮の条件<br />
(4)人的資本投資<br />
(i) 人的資本理論の概要<br />
(ii) ますます重要になる人的資本投資<br />
〔Ⅲ〕少子高齢化への対応<br />
(1)高齢者就業促進の必要<br />
(i) 高齢化は成功の証<br />
(ii) ピラミッド型人口構造の下で作られた制度との乖離<br />
(iii) 恵まれた条件を活かす<br />
(2)高齢者の労働供給<br />
(i) 高齢者の労働供給のトレンド<br />
(ii) 高齢者の労働供給の規定要因<br />
(3)必要な制度変革<br />
(i) 定年退職制度<br />
(ii) 公的年金制度<br />
(iii) 雇用保険制度<br />
〔Ⅳ〕雇用と生活を巡る課題<br />
(1)集団的労使関係<br />
(i) 集団的労使関係の意味<br />
(ii) 日本における労使関係の史的展開<br />
(iii) 春闘の見直し<br />
(2)ワーク・ライフ・バランス<br />
(i) なぜワーク・ライフ・バランスは崩れやすいのか<br />
(ii) ワーク・ライフ・バランスの崩れで失われるもの<br />
(3)大切な国民の選択<br />
(i) 規制緩和をめぐる議論<br />
(ii) 格差是正をめぐる議論<br />
(iii) 重要になる実証分析<br />
テキスト(教科書):<br />
清家篤『労働経済』(東洋経済新報社)<br />
参考書:<br />
生産性労働情報センター『活用労働統計』(社会経済生産性本部生<br />
産性情報センター)<br />
その他の資料もそのつど適宜指定します。<br />
産業関係論Ⅰ(05学則) 2単位 (春学期)<br />
産業関係論Ⅱ(05学則) 2単位 (秋学期)<br />
産業関係論(99学則) 4単位 (通年)<br />
講師 菊野 一雄<br />
授業科目の内容:<br />
近代以降の工業化社会を,我々は「インダストリアル・ソサエテ<br />
ィー」ないし「ビジネス・ソサエティー」と呼び,豊かな生活を約<br />
束された素晴しい社会と思い込んできた。しかし,インダストリー<br />
は「勤勉」,ビジネスは「忙しい」(ビジー)であり「物的豊かさ」<br />
を求めて「物の加工」に忙しい時代であった。「忙しい」とは「心を<br />
亡ぼす」ことである。事実,我々は物的に豊かになればなる程,心<br />
を亡ぼしてきたように思う。だが,それは何故か。<br />
何故,物的豊かさを求めて工業を興し,労働の細分化(分業)と<br />
機械化を推進すればする程,雇用をめぐる諸関係(産業関係)にさ<br />
まざまな矛盾(副作用)が生じてきたのか。商(ビジネス)学部に<br />
おいて産業(インダストリー)関係論を学ぶ意義はまさにこの点の<br />
解明にある。<br />
産業関係(Industrial Relations = IR)という用語は1910 年代頃から<br />
英米において使われてきたが,いまだ研究者の間で共有できる統一<br />
的な概念や理論体系を有していない。産業関係(IR)は広義には「雇<br />
用関係から派生する全ての行動,ないし雇用過程に関連する全ての<br />
行動」(D. ヨーダー)であるが,本講義では労働市場と雇用管理の<br />
接点に焦点をあてていきたい。<br />
テキスト(教科書):<br />
・菊野 一雄『人事労務管理の基礎』泉文堂<br />
17<br />
参考書:<br />
・ 菊野一雄『Humanization of Work and Japanese Personnel<br />
Management』(英文)楽出版<br />
・菊野一雄『現代社会と労働』<strong>慶應義塾大学</strong>出版会<br />
・菊野・八代編著『雇用・就労変革の人的資源管理』中央経済社<br />
・今村仁司『仕事』弘文堂<br />
・今田高俊『自己組織性』創文社<br />
・二神恭一編『戦略的人材開発』中央経済社<br />
産業関係各論(労務管理論) 4単位 (春学期集中)<br />
教授 八代 充史<br />
授業科目の内容:<br />
労務管理とは,市場経済において最大利潤の獲得という目的の下<br />
に企業が行うヒトの管理についての諸活動を総称したものです。<br />
この講義では,昇進・昇格,人事考課といった労務管理の諸活動<br />
についての基本知識を与えることを重視します。ただこうした労務<br />
管理の諸活動の背景にある理論的な意味や歴史的な経緯も,この講<br />
義の重要な課題です。<br />
テキスト(教科書):<br />
・八代充史『人的資源管理論-理論と制度』中央経済社、2009年。<br />
・八代充史・南雲智映『初めての人事管理』泉文堂、2010年。<br />
参考書:<br />
・白井泰四郎『現代日本の労務管理(第2 版)』東洋経済新報社,<br />
1992年。<br />
・八代充史『管理職層の人的資源管理―労働市場論的アプローチ』<br />
有斐閣,2002 年。<br />
・守島基博『人材マネジメント入門』日本経済新聞社,2004 年。<br />
・佐藤博樹・藤村博之・八代充史『マテリアル人事労務管理』有斐<br />
閣、2006年。<br />
産業社会学Ⅰ(05学則) 2単位 (春学期)<br />
産業社会学Ⅱ(05学則) 2単位 (秋学期)<br />
産業社会学(99学則) 4単位 (通年)<br />
Ⅰ、[春学期]―理論編―<br />
Ⅱ、[秋学期] -実態編ー<br />
名誉教授 三浦 雄二<br />
授業科目の内容:<br />
[春学期]<br />
私の「産業社会学」は、一年おきに「人間存在中心」のものと、<br />
「構造的仕組み中心」のものを講義し、Ⅰに当たる春学期は「理論」<br />
について、Ⅱに当たる秋学期は「実態」について論じている。社会<br />
の解明は、その構造的あり方と、それの人間への影響の両方におい<br />
てなされる必要があるが、半期講義では充分にカヴァーできないか<br />
らである。このプランに沿うと、2010 年度の春学期は,現代日本が<br />
その一つである高度産業社会における人間存在にスポットを当て、<br />
内外で明らかにされてきている理論的成果を紹介、検討する事が中<br />
心となる。高度産業社会は、産業革命以降我々人類が追求し続けて<br />
きている工業化の影響をうけ、社会生活の中心が企業活動に置かれ<br />
ている産業社会が発達したもので、企業活動の集約としての産業活<br />
動の中心が第三次産業に移り、その周りに第二次産業、更には第一<br />
次産業までもが技術的合理化を受け、全体に高度な成果を上げ、そ<br />
れが人々の社会生活に浸透することによって高度な機能を発揮して<br />
いる社会である。世界的に見ても、アメリカや日本、ドイツ、フラ<br />
ンス、イギリスなど、ごく少数の工業化の先進国が到達している社<br />
会的状況である。そこでは、人々の生活の前提にが置か<br />
れている。それは一見すばらしいもののように見え、また事実、物<br />
質的には人類が到達し得た最高の社会といって間違いはない。しか<br />
し、近年の景気の変動が人々の雇用に及ぼす影響が如実に示すよう<br />
に、そこにおける我々の生活は必ずしも安定しているとは言えない。<br />
そればかりか、仮に景気が安定ていたとしても、社会が豊かさを生<br />
み出していくには巨大な仕組みが順調に作動していることが必要で、<br />
我々はしばしばその動向に圧倒され、それに対して従属的に屈服し<br />
ていかざるを得ない状態に陥っていく。高度産業社会は人間存在の<br />
主体性をないがしろにしていく危険性がある。これを改め、高度産<br />
業社会の良いところを伸ばしていくためには、我々は先ず事実を知<br />
る必要がある。これを理論的な側面で確認していくのが課題である。<br />
高度産業社会は世界の憧れとなっているが、この点の努力を積み重<br />
[ 05 ] 専<br />
攻<br />
科<br />
目<br />
Ⅲ<br />
類<br />
( [ 99 ] Ⅳ<br />
類<br />
)