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商学部(塾外用) - 慶應義塾大学-塾生HP

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ねない限り、模範とはなり得ないであろう。<br />

[秋学期]<br />

高度産業社会には高度産業社会としての問題がある。秋学期は,<br />

実態編として,現代日本の高度産業社会としての問題点を、人間存<br />

在を中心に明らかにすることを目的にする。高度産業社会の問題は、<br />

基本的には、それを支える構造的仕組みが巨大な形で出来上がり、<br />

しかもシステム的に動くことによって、我々の存在を全体的にその<br />

仕組みの中に取り込んでしまうという点にある。は、我<br />

々諸個人も当然享受し得ているのだが、本質的には社会のものであ<br />

り、享受していくためには仕組みに同調的であり続ける必要がある。<br />

高度産業社会は、一見、人間にとって最高度に望ましい社会のよう<br />

に思われるが、社会の在り方としては、問答無用的にそれに屈服さ<br />

せてくる厳しさを持っている。その結果生じてくるのが人間として<br />

の「主体性の喪失」である。あたかもの代償でもあるか<br />

のように、人間らしさの重要な部分を失っていく。ところが、は間違いなく普通の人々の個人的な生活にも浸透し、人々は<br />

己の生活が豊かで安泰している限り、それを超えるような問題をあ<br />

えて問おうとはしないから、こうした問題性は見逃されていく。本<br />

当の豊かさは主体的な豊かさでなければならないのだが、外から与<br />

えられたも錯覚的に豊かさとして作用する。現代の日本<br />

人ばかりでなく、高度産業社会に生きる殆どの人は、この錯覚の中<br />

にいる。この錯覚は、仕組みが順調に作動している限り、それほど<br />

深刻な問題は発生させない。しかし、近年の(というか、このとこ<br />

ろ続く)経済不振にあっては、個人では到底跳ね返せないような深<br />

刻なダメージを加えてくる。そして、ここでもほとんどの人は錯覚<br />

する。経済さえ回復すれば、また元に戻ると。だが真の問題は、我<br />

々が仕組みのを我々の豊かさと取り違えているところに<br />

ある。じつは、今日の我々日本人を取り囲む問題の多くは、我々自<br />

身が気づいていない深刻な奥深い問題性を秘めているのである。そ<br />

うした事例は多方面に山積しており、見つけ出すのは容易である。<br />

ただここでは、高度産業社会の主要な構成員である労働者の生活に<br />

スポットを当て、そこでのいくつかの問題を取り上げていく。時宜<br />

にかなったものを取り上げるつもりであるが、狙いはあくまでもそ<br />

の背後にある社会の影響を明らかにすることである。<br />

テキスト(教科書):<br />

テキストは使用せず,講義を中心としている。<br />

参考書:<br />

三浦 雄二、『高度産業社会と構造的疎外』、<strong>慶應義塾大学</strong>出版会、<br />

2009年(テキストではないので注意すること)<br />

産業社会学各論(経営社会学Ⅰ) 2単位 (春学期)<br />

講師 塚本 成美<br />

授業科目の内容:<br />

経営社会学の特徴は,企業経営を社会不安や社会問題のひとつの<br />

源泉として認識するところにある。企業経営は利益を追求する経済<br />

団体でありながら,従業員(人間)の社会組織によって活動し,生<br />

活(社会)にたいして財やサービスを提供することで事業をささえ<br />

る。企業経営は,経済性と社会性の両方を要求される本質的に矛盾<br />

をはらんだ存在なのである。この矛盾が,様々な社会不安や社会問<br />

題をひきおこす要因となることがある。<br />

本講義では,以上のような経営社会学の視点から,経営の社会的<br />

問題性の根底にある経済性と社会性の矛盾をあきらかにしつつ,現<br />

代の社会問題と企業経営の関係性を追究したい。企業活動に携わる<br />

ものは,経済的合理的思考だけでなく,経営の社会的影響力にたい<br />

する深い洞察力を必要とする。<br />

テキスト(教科書):<br />

なし(講義のなかでプリントを配布します)<br />

参考書:<br />

・安田尚道/塚本成美『社会的排除と企業の役割:母子世帯問題の本<br />

質』同友館 2009 年<br />

・石坂巌編著『文明の実業人』巌書房1998 年<br />

・その他<br />

18<br />

産業社会学各論(経営社会学Ⅱ) 2単位 (秋学期)<br />

講師 塚本 成美<br />

授業科目の内容:<br />

現代人は何らかの職業をもって,具体的な企業経営の職場に配属<br />

され,同僚や上司や部下との社会関係の現実のなかで,仕事上の義<br />

務をはたすことを余儀なくされている。経営生活の現実は,勤労者<br />

の人格やものの考え方に影響をおよぼすとともに,経営の在り方は<br />

社会の在り方をきめる。勤労者にとっての経営の現実は,労働特性<br />

と職場社会関係によって規定される。とくに,職場社会関係は,一<br />

方で,企業の管理組織の支配下にあり,他方で,組織とは別に経営<br />

や職場の集団的統一性や凝集性,集団意識を醸成する。組織管理と<br />

職場集団の間でおくる生活こそが,勤労者にとって経営の現実を構<br />

成し,その性格構造と人格の独立性の基礎となる。<br />

本講義では,ドイツ経営社会学の形成過程をたどりながら,経営<br />

と職場の社会的側面をあきらかにしたい。それにより,経営あるい<br />

は職場とは何かを考え,職業生活の社会的現実を洞察するための素<br />

材を提供したい。最後に、経営を源泉とする社会問題を経営のレベ<br />

ル解決する経営の社会改革ことをめざす経営社会政策の根本的な考<br />

え方と、現代ドイツの生活過程政策(具体的にはワーク・ライフ・バ<br />

ランスや弾力的労働時間編成など)について考えたい。<br />

テキスト(教科書):<br />

なし(講義のなかでプリントを配布します)<br />

参考書:<br />

・安田尚道/塚本成美『社会的排除と企業の役割:母子世帯問題の本<br />

質』同友館 2009 年<br />

・石坂巌編著『文明の実業人』巌書房1998 年<br />

・その他<br />

組織心理学a(05学則) 2単位 (春学期)<br />

組織心理学b(05学則) 2単位 (秋学期)<br />

組織心理学(99学則) 4単位 (通年)<br />

セット履修 准教授 吉川 肇子<br />

授業科目の内容:<br />

組織と個人の適合的関係について,心理学的視点から検討します。<br />

そのために,組織心理学の基本的な知識を学びます。講義とともに,<br />

授業内に実習やLTD 学習を行い,体験的に理解を深めることをねら<br />

っています。<br />

テキスト(教科書):<br />

外島裕・田中堅一郎(編著)改訂版 産業・組織心理学エッセン<br />

シャルズ ナカニシヤ出版<br />

参考書:<br />

レイボー・チャーネス・キッパーマン・ベイシル(著)丸野・安<br />

永(訳)討論で学習を深めるには―LTD 話し合い学習法― ナカニ<br />

シヤ出版<br />

社会保障論Ⅰ(05学則) 2単位 (春学期)<br />

社会保障論Ⅱ(05学則) 2単位 (秋学期)<br />

社会保障論(99学則) 4単位 (通年)<br />

再分配政策の政治経済学<br />

教授 権丈 善一<br />

授業科目の内容:<br />

オムニバス形式の寄附講座に出席しては、実業界をはじめとした<br />

人たちの話のノートをとるのに忙しく過ごしたりしている三田での<br />

生活の中、週に一コマくらいこういう講義があってもいいのではな<br />

いかというような授業を行う。<br />

この国で生きていくために知っておくことは必須であるはずなの<br />

に、実はほとんどの人たちがなにも知らない社会保障,この国の進<br />

路を考えるうえで決定的に重要な役割をはたしているのに、そうい<br />

うことさえ何も知らないでノホホーンと生きている人たちからなる<br />

今の社会、大学,三田のキャンパス。そういう中、まじめにこの国<br />

の未来や公の出来事について深く考えてみるという、ビジネスなど<br />

とはほど遠く金銭的な御利益がいかにもなさそうなことを考えても<br />

らう――というのがこの講義の趣旨である。<br />

文献は、できるだけ、旧図書館リザーブブックコーナーに置いて<br />

おく。暇があれば、趣のある赤煉瓦の旧図書館にこもり読書をする<br />

―そういう粋でレトロなライフスタイルも味わってもらおう。

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