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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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まえがき<br />

航空機の機体材料分野では、最近開発が進められたボーイング 787 やエアバス A380、そ<br />

してエアバス A350 また日本で開発計画中の MRJ に見られるように、大幅な樹脂系複合材<br />

料の適用を図る急激な変化が起こっています。その適用により軽量化およびメインテナン<br />

ス性が大きく改善されることが、期待されています。<br />

その動向は地上での輸送機器へも波及し、既に樹脂系複合材料が適用されていたレーシ<br />

ングカーだけではなく、一般の車両へも適用は浸透しつつあります。この樹脂系複合材料<br />

の適用拡大は、今後種々の分野で一層顕著になってゆくものと考えます。<br />

このように樹脂系複合材料の適用拡大が期待されていますが、次に課題となってくるの<br />

は、金属の中で鉄鋼やチタン合金そしてアルミニウム合金が競合したように、種々の樹脂<br />

系複合材料の中でどういったタイプのものが想定される対象に適合しているかを選択して<br />

いくことと考えます。<br />

樹脂系複合材料は繊維とマトリックス樹脂で構<strong>成</strong>されますが、繊維の種類や量、また樹<br />

脂の種類によって非常に広範囲の製品特性、また製造特性を有しています。これらのさま<br />

ざまな特性を持つ種々の樹脂系複合材料を、効果的に使い分けて活用していくことこそが、<br />

今後の航空機や自動車産業のみならず機械工業分野全般で、日本が世界に対して競争力を<br />

維持、向上していくための課題と考えます。<br />

本調査では特に複合材料のマトリックス樹脂に着目し、従来広範囲に適用されてきた熱<br />

硬化性樹脂ではなく、熱可塑性樹脂の複合材料を取り上げました。熱可塑性樹脂複合材料<br />

は、従来から高靭性やリサイクル性等の特長が認められていましたが、製造性や<strong>成</strong>形性等<br />

に大きな課題があります。しかしそれらの技術課題の改善が進み、適用分野を拡大してい<br />

ます。<br />

そこで熱可塑性樹脂複合材料について、最近の素材や<strong>成</strong>形、製品化技術の開発動向、複<br />

合材料としての材料特性や種々の分野の適用動向を調査し、今後の展望や技術課題の抽出<br />

を図るとともに、熱硬化性樹脂複合材料との棲み分け等について検討することにしました。<br />

本調査報告書は、財団法人次世代金属・複合材料研究開発協会(RIMCOF)が、社団法<br />

人日本機械工業連合会から委託された、<strong>平</strong><strong>成</strong> 19 <strong>年</strong><strong>度</strong>「<strong>熱可塑性樹脂複合材料の機械工業</strong>分<br />

野への適用に関する調査」に対して、日本の代表的な輸送機器メーカー、複合材料メーカ<br />

ーおよび有識者からなる調査委員会での調査および検討の<strong>成</strong>果を取り纏めたものです。<br />

本報告書が、今後の企業、研究機関、政府等での、今後の材料適用計画や開発計画、施<br />

策に対し、広く利用していただければ幸いです。<br />

<strong>平</strong><strong>成</strong>20<strong>年</strong>3月<br />

財団法人 次世代金属・複合材料研究開発協会<br />

理事長 大橋 忠晴

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