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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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第4章 不連続繊維熱可塑性複合材料の素材、材料特性、<strong>成</strong>形技術の開発動向<br />

4.1 不連続繊維熱可塑性複合材料の概要<br />

この章に記述する不連続繊維熱可塑性複合材料とは、上述の各章に報告された連続繊維<br />

とは異なり、繊維長が 12mm から 200mm 程<strong>度</strong>に短く切断された強化繊維と、熱可塑性樹脂<br />

をマトリックスとした複合材料を指すものとする。<br />

連続繊維熱可塑性複合材料との相違点は、強化繊維の長さが短いため、機械的強<strong>度</strong>や弾<br />

性率などの性能は劣るが、一方深絞り<strong>成</strong>形や、複雑な形状の<strong>成</strong>形品を生産することが可能<br />

となる。<br />

<strong>成</strong>形プロセスも、射出<strong>成</strong>形、圧縮<strong>成</strong>形、サーモフォーミング、フィラメント・ワインデ<br />

ィング、内圧<strong>成</strong>形などにより、<strong>成</strong>形コスト低減の可能性が期待されている。<br />

ガラス繊維とPP、ポリプロピレン樹脂による不連続繊維熱可塑性複合材料は、1960<br />

<strong>年</strong>代末に米国で、Stampable シートとして、AZDEL® が生産開始されて今日に至ってい<br />

る。<br />

さらに LFT, Long Fiber Thermoplastics ペレットが 1990 <strong>年</strong>後半から登場し、徐々に市<br />

場シェアが増加している。<br />

また 2000 <strong>年</strong>に入って、ガラス繊維ロービングとPP樹脂を直接に混捻し、圧縮プレス<br />

または射出<strong>成</strong>形で製品化するシステムが、欧州を中心に開発されて、その導入が進みつつ<br />

ある。<br />

炭素繊維の不連続熱可塑性複合材料に就いては、米国 DuPont 社が、1980 <strong>年</strong>代後半に、<br />

LDF® Thermoplastic Composites の研究開発を、航空宇宙用途を目指して推進したが、その<br />

後このプロジェクトは中断された。<br />

これに代わって、フランスの Schappe Techniques 社が 2000 <strong>年</strong>以後に、独自の炭素繊<br />

維の不連続熱可塑性複合材料 TPFL® を開発し、現在そのマーケティングを進めている。<br />

4.2 不連続繊維熱可塑性複合材料の素材<br />

以下に不連続繊維熱可塑性複合材料を構<strong>成</strong>している素材に就いて記述する。<br />

4.2.1 強化繊維<br />

現在世界的に最も多く使用されているのは、ガラス繊維、E-glass であり、熱可塑樹脂<br />

マトリックスとの界面親和性改善のため、カップリング材を付着させるなどの表面処理を<br />

行っている。<br />

一方、炭素繊維も 12mm~25mm 長の Long Fiber ペレットの強化材として、パソコンの筐<br />

体などに使用が増加している。<br />

さらに牽切紡績プロセス(Stretch Breaking Process)による不連続炭素繊維を、熱可塑性<br />

繊維と混繊した材料も、用途開発が進んでいる。<br />

天然繊維の亜麻、苧麻なども環境適応素材として、着実に活用が進んでいる。<br />

4.2.2 熱可塑性樹脂マトリックス<br />

現在市場で最も多く使用されているマトリックス樹脂は、PP, ポリプロピレンである。<br />

次にナイロン 6、ナイロン 12、ナイロン 66 や、ポリカーボネートが挙げられる。<br />

さらに PPS, PEI, PEEK などのエンジニアリングポリマーも特殊な用途に使用されている。<br />

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