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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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2.2.1 PEEK<br />

PEEK(ICI 社)は結晶性樹脂で、高い耐熱性を有し、溶融時の熱安定性に優れている。<br />

また靭性に優れ、炭素繊維と組み合わせると優れた耐衝撃性を発現できる。この樹脂を用<br />

いた長繊維強化型のプリプレグ APC-2 が ICI 社より出ており、これを用いた研究例が多く<br />

データの蓄積が進んでいる。引張強さは 100MPa と高く、特に、破断ひずみは 80%である。<br />

さらに、熱変形温<strong>度</strong>が 152℃で融点は 334℃である。PEEK のプリプレグの<strong>成</strong>形には少なく<br />

とも 400℃程<strong>度</strong>での含浸が必要になってくる。<br />

(1)材料物性(文献調査)<br />

PEEK を使った複合材料特性について紹介する。引張強<strong>度</strong>ならびに弾性率に関しては、<br />

PEEK ならびにエポキシ樹脂においても変化が無いことがわかる。一方、層間破壊靱性が<br />

10 倍以上高いことがわかる。上記でも触れたように、層間破壊靱性は衝撃後圧縮強<strong>度</strong>特性<br />

ならびに擬似等方積層板の引張試験時における 90°層トランスバースクラック強<strong>度</strong>に影響<br />

を及ぼす。本特性は、繊維強化複合材料が持っていた欠点を補うに余りある値である。石<br />

川 2) らは、航空機向けに開発された PEEK 材料の衝撃後圧縮特性をその層間はく離の形状<br />

を評価しながら詳細に観察している。エポキシ樹脂複合材料として、AS/410 を用い、PEEK<br />

複合材料として、AS4/APC-2 を用いた衝撃後の損傷に関して図 2.2.1-1 に示す。<br />

図 2.2.1-1 エポキシ樹脂とPEEK樹脂による衝撃荷重後の損傷面積ならびに形状の変化<br />

上部 C-Scan 映像, 下部 B-Scan 映像 1)<br />

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