平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター
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第5章 熱硬化性樹脂複合材料と比較した、熱可塑性樹脂複合材料の特徴<br />
本章では、主に航空機部品に使用される熱可塑性樹脂複合材料を熱硬化性樹脂複合材<br />
料と比較し、その特徴を明らかにする。<br />
5.1 熱可塑性樹脂複合材料と熱硬化性樹脂複合材料の基礎特性<br />
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂は、表 5.1-1 に示すように、可逆性か非可逆性であるか<br />
に最大の特徴がある。<br />
表 5.1-1 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の特徴<br />
熱可塑性樹脂 熱硬化性樹脂<br />
化学反応が既に完了した樹脂<br />
固体→液体→固体の可逆変化が可能<br />
<strong>成</strong>形終了後でも熱溶融するため再<strong>成</strong>形が可<br />
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化学反応(架橋反応)により硬化させる樹脂<br />
可逆変化が不可能(非可逆性樹脂)<br />
<strong>成</strong>形終了後再<strong>成</strong>形不可<br />
化学反応を伴わないので<strong>成</strong>形時間が短い 化学反応が必要なので<strong>成</strong>形時間が長い<br />
昇温制御が十分でないと樹脂の性能が発揮<br />
されない<br />
熱可塑性樹脂複合材料の特徴は、熱硬化性樹脂複合材料と比較すると、図 5.1-1 に示<br />
すように、一般的には靭性、耐衝撃、耐熱特性に優れている。また、冷凍保管が不要で、<br />
保管寿命がなく、可逆特性を生かし、不具合発生時に再加工ができる等、有望な材料で<br />
ある。