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平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター

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のほとんどが複合材料化されたことになり、今後開発されるエンジンにおいても複合材料<br />

の採用が拡大する可能性が高い.<br />

図 6.3.1-4 GEnx の構造 3)<br />

以上で挙げた例は熱硬化性樹脂を母材とする複合材料が主である。熱可塑性樹脂複合材<br />

料の適用例は現状ではほとんど見られないが、熱硬化性樹脂複合材料と比較して破壊じん<br />

性に優れる耐衝撃性の要求されるファン部位の部品を構<strong>成</strong>する材料としては適用の可能性<br />

は高い。<br />

現在、熱可塑性樹脂複合材料をファンブレードへ適用しようという動向はわずかながら<br />

にドイツのDLR(Deutsches Zentrum für Luft- und Raumfahrt)の研究 4) において見られる。DLR<br />

に所属するLeyensらは、ファンブレードの軽量化を達<strong>成</strong>するためのデザインコンセプトとし<br />

て、チタン基複合材料、またはチタン基複合材料と熱可塑性樹脂であるPEEKを母材とする<br />

複合材料のハイブリッド構<strong>成</strong>によるファンブレードを提案している.しかしながら、PEEK<br />

は<strong>成</strong>形温<strong>度</strong>が高いため、熱硬化性樹脂と比較してジェットエンジン材料に要求される性能<br />

が優れていても量産化という点においては課題が多くあるようである。<br />

また、 図6.3.1-5にあるようなエアバス社のA380のエンジン部の空気取り入れ口には<br />

TenCate社の熱可塑性樹脂複合材料(CETEX)が用いられているという報告もある 5) 。この<br />

取り入れ口では継ぎ目のない構造とすることで騒音の減少効果も有している。このように、<br />

ファンブレードといった動翼以外では一部の部品において熱可塑複合材料の使用例が見ら<br />

れる。<br />

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