平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター
平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター
平 成 1 9 年 度 熱可塑性樹脂複合材料の機械工業 ... - 素形材センター
You also want an ePaper? Increase the reach of your titles
YUMPU automatically turns print PDFs into web optimized ePapers that Google loves.
7.6.3 DTC(Dutch Thermoplastic Composites)<br />
(1)調査日時<br />
2008/1/15 09:40-12:00<br />
(2)面談者<br />
Ir David Manten (General Manager)<br />
Ir Frank Spee (Engineering & Development)<br />
(3)機関概要<br />
オランダ北東部 Lelystad 工業団地の一角にある、熱可塑コンポジットの<strong>成</strong>形メーカー。<br />
会社規模は社員 14 名、このうち製造担当 7 名と、小規模ベンチャー企業に属する。<br />
DTC 代表の Manten 氏は 1993~1998 <strong>年</strong>の間デルフト工科大学に在籍し、卒業後デルフト<br />
大学内で間借りして起業した。最初のプロダクトは熱可塑 CFRP による靴底板の<strong>成</strong>形で<br />
ある。<br />
現在、小型プレス<strong>成</strong>形を用いた熱可塑コンポジットによる航空機部材<strong>成</strong>形を主としてい<br />
る。プレス<strong>成</strong>形の範囲でプリプレグを用いた熱硬化コンポジットの<strong>成</strong>形も行っている。<br />
製造技術は主に代表の Manten 氏と Mr. Frank Spee(デルフト大出身)が担当。CATIA に<br />
よる型設計からプレスフォーミングのシュミレーション(PAM-Form:ESI 社)なども担当<br />
している。<br />
設備:<br />
小型プレス機 2 台(それぞれプリヒート機とセット、図 7.6.3-1 参照)、大型プレス機 1 台、<br />
C-SCAN(ボーイング認定を取得、マニュアル操作&半自動計測処理、ミノルタ製探傷ヘ<br />
ッド+自社製トラバース&計測システム)、3 次元自動計測機(三豊製)、NC マシン(材料カ<br />
ット&製品トリム用)<strong>成</strong>形型、冶工具の設計は自社、加工は外注。<br />
(4)調査内容<br />
航空機用小型部材は、ほぼ全て TenCate 社の CETEX を購入し、社内ではプレス<strong>成</strong>形機<br />
によるフォーミングのみを行っている。<br />
生産性を上げるため、専用のスライディング装置とパレット(プレス金型より一回り大<br />
きい)によってワークを固定し、プリヒート→プレス→取り出し、の工程がスムーズに<br />
流れるように構<strong>成</strong>さている。部材形状にあわせて一回り大きくトリムされたワーク材は<br />
専用のハンガーに固定されることで、プリヒート、プレスの間に直接ワークに手を触れ<br />
ずに済むだけでなく、プレス加工中の製品の皺、よれの発生を抑えている。プレスフォ<br />
ーミング中に適<strong>度</strong>にエクセスされ材料にテンションが加わることが品質良い<strong>成</strong>形のキー<br />
ポイントに<strong>成</strong>っているようで、このシステムは撮影禁止であった。<br />
プレス<strong>成</strong>形はアングル材など単純形状の<strong>成</strong>形には金型を用い、複雑な 3 次元形状にはラ<br />
バーモールドを使用している。ラバーモールドは基本的にはオス型がラバーを用いて、メ<br />
ス型に金属を用いることが多い。<br />
現在はリブ等の小物を作ることが多い。これは以下の理由による。 ①ラミネートで供<br />
給された材料の折り曲げが可能であり、板厚が変化しない小物に関してはプレス<strong>成</strong>形のみ<br />
で終わるため極めて経済的であること。②特に、同様の形を多く作らなくてはいけないフ<br />
ランジなどは本<strong>成</strong>形が極めて有効であること。図 7.6.3-2 にプレス<strong>成</strong>形したサンプル部品を<br />
示す。逆に、部品の大きさは素材(積層板)の大きさおよびプレスの容量に依存するため、<br />
大面積部品および板厚が変化する形状部品には不向きである。<br />
- 93 -